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表参道で「BAR」をやる話
表参道で「BAR」を始めます!
色んなご縁があり、表参道の飲食店を間借りして「BAR」を開くことになりました。コロナの影響もあるため、開催は延期する可能性大ですが、ひとまず報告させていただきます。
今日は、その決断に至った経緯と、そこに対する思いを書いていきたいと思います!
地方⇨東京へ
僕は、広島から大阪の大学を経て、東京に上京してきました。
社会人になり、大きく変わったことは「時間の捉え方」と「人間関係」だと思います。学生時代のように特定の人と長く関わるというよりも、たくさんの人とビジネスを通じて関わりあう。関わる人の量は倍増しましたが、その分「深さ」は減っていったように思えます。
僕がBARを通じて体現したいことは、その問題を出来るだけ解決できるように「最適距離の関係性を築く」ことです。
最適距離とは何か?
仕事を始めてまず学んだことは、プライベートで「時間を合わせる」ということが、学生のときより難しくなったということです。学生時代によくしていた「深夜一人暮らしの家に集まって朝まで語る」なんてことはまあできない。なぜなら、仕事に対する責任感が心の何処かにあるから。
お金を貰っている以上、自分は会社の「労働力」として一定以上の成果を求められる。これは、雇われの身として避けては通れない宿命でしょう。
そうなると、仕事終わりの時間の使い方は大抵「仕事の備え」になっていきます。それが「上司との飲み」なのか、「家に帰ってリラックスすること」なのかは人それぞれです。
仕事に真面目な日本人ほど、仕事に直接関係のない友人や、家族との関係が疎かになる人が多い気がします。そうなると、仕事以外の時間を合わせることが難しくなってくる。物理的にも精神的にも。優先順位が下がっているから。
予定というのは、どちらかが連絡して初めて成り立ちます。当たり前ですが、どちらも連絡を取らなかったら会うことはありません。仕事がいつ終わるかわからないとなると、予定を入れることもしなくなるでしょう。ドタキャンする可能性があるから。
「学校」のように、勝手に人が集まる仕組みがあるわけじゃない。
大学生のように、次の日のことを気にせず予定を合わせることもできない。(真面目な大学生すみません)
僕は、人と会うことに「気軽さ」が少し減っていっているような感覚がありました。
これは、社会人になって感じたことの一つです。
人間関係の違い
東京では、とにかく色んな人に会いました。
自分の人生経験から、新しく人に会うことにポジティブなイメージが強かった僕は、分け隔てなく色んな誘いに顔を出したりしていました。そしてたくさんの人と会う中で、学生までとは違う「ビジネスを通した人の繋がり」というのをたくさん経験しました。
僕が東京で一番学んだことは「人間関係」かもしれません。
学生の時までは、人間関係にについて考えることなんてほとんどありませんでした。好きな人とは一緒にいるし、嫌いな人には近づかない。どっちでもない人とは、程よい距離感で。距離感は自分で適度に調整できる。
しかし、社会人になるとそういう訳にもいきません。関係を築く基準はお金。利益になるかどうか。その人が自分にお金を落としてくれるかくれないか。仕事をする上で付き合うメリットがあるかどうか。
そうなると、人は自分を作るようになるんだなぁと感じるようになりました。どうすれば自分に好意を抱いてくれるか。財布を緩めてくれるか。
見せ方。誘い方。関わり方。
そのやりとりが、一体誰のためになるんだろう?
誰を幸せにしてるんだろう?
もちろんそんな人ばかりではないだろうけど、「仕事だから付き合っている」という関係は少なからずいるでしょう。増えていく関わりは、そんな関係ばかり。これは、資本主義が行き過ぎた弊害だと僕は思っています。
物凄いスピードで繋がっていったこの世界は、繋がりの「広さ」を獲得した分、「深さ」が蔑ろにされているように思えます。広く、浅く関わるビジネス上の関係は、お金にならなければそれっきり。それで十分な場合もあるけど、そんなものはネットで十分成り立つ世の中になっている。
リアルな繋がりは、「広さ」以上に「深さ」が大切ではないでしょうか?
その人が何をしているとか、何ができるかとかじゃなく「人間味」を見て関わりたいと思うかどうか。
深く関わっていくには、それなりの時間がかかります。これは避けては通れないこと。初めましての人に、心を開ける人なんて稀です。何度も関わる中で、少しずつ築いていくものだと思います。
その分「広さ」を獲得するスピードは遅くなるけれど、それ以上に「深さ」は大切。
僕が「BAR」をやろうと思ったきっかけは、そんな人間関係の小さな課題感からです。
もっと気楽で、フラットな関わりができる場所ってないだろうか。
どこの会社だとか、何のスキルがあるかとか関係なく「人」で繋がる場所って作れないだろうか。
わざわざ予定を合わせずとも「そこに行けば誰かがいる」という場所があるだけで、もっと心に余裕ができるんじゃないか。
不特定多数に向けたサービスが広がるこの社会で、「特定多数」の関わりを持てる場所。
いつものあの人と、初めましてのあの人。
深さを築きながら、少しずつ広げていく。
浅く繋がりすぎた社会から、一歩離れた落ち着ける空間。
「心理的安全性」の確保された場所。
そんな場所があったらなぁ。その想いに出来るだけ近づけるように、共感してくれた人と一緒に創っていけたらと思います。