ぞくりと怖い、怪談絵本『いるの いないの』
こんにちは、石川由弥子(ゆみこ)です。
暑い日が続きますね。もうすぐじめっとした日本の夏が来てしまうと思うと、少し憂鬱です。皮膚にまとわりつくような不快な暑さには、やはりじめりとした会談が不可欠ですね。ジャパニーズホラーは日本の気候が本当によく似合う。
今日はジャパニーズホラーな絵本『いるの いないの』をご紹介をしようと思います。
『いるの いないの』のあらすじ
おばあさんの住む古い家でしばらく暮らすことになった。家の暗がりが気になって気になってしかたない。―京極夏彦と町田尚子が腹の底から「こわい」をひきずりだす。
『いるの いないの』のおすすめポイント
本作は、怪異小説家の京極夏彦氏がお話を書いており、京極イズムを感じる言葉選びはさすがです。子ども向けと侮るなかれ。しっかりと怖い、絵本です。
子どもの頃の「怖い」が詰まっている
おばあちゃんの家に遊びに行ったことのある方はなんとなく覚えがあると思うのですが、日当たりが悪いのかひんやりとした空気感や謎に天井の端っこが気になってしまう、あの感覚を思い出します。何かがいるような気配を感じたり、どこか薄気味悪かったり、見なければいいのに見てしまうことってありますよね。
おばあちゃんは、
「みなければ いないのと おんなじだ」
と言いますが、そんなわきゃない!(笑)これ、いるわ…と伏線を張られてから、ヒヤヒヤしながらページをめくることになるでしょう。一度止まるとページをめくれなくなるので、一気に読み切ることをおすすめします。
見なかったことにはできない
「いる」ことに気づいてしまった少年が「いない」と信じたくて、でも「いる」と気づいてしまう物語。最後までひんやりとした空気が味わえる作品です。ちなみに、おばあちゃんはたくさんの猫ちゃんを飼っているので、猫ちゃんの可愛さだけが救いです。私も、見ないふりができない性質なので、「いる」存在を暴こうとしてしまうだろうなと思いながら読みました。みなさんはどう行動するでしょうか?ぜひ読んでみてください!
ではまた〜