ロールアップ苦手さんに持ってほしいイメージ
ピラティスの代表的なエクササイズの一つであるロールアップ/ダウン
長座の姿勢からお尻→背中とマットに付けていき、最後に頭が付いて仰向けになるまでがロールダウン
仰向けバンザイから腕を「前へ習え」の状態にして、頭→体とするする起き上がってくるのがロールアップ
です。
苦手な人も多いこのエクササイズ、苦手な人にはあることが共通していました。
あることを上書きして、このエクササイズをラクラクこなせるようになりましょう!
筋肉が力を発揮する3つのパターン
1. コンセントリック収縮
筋肉が力を発揮する時、と言ってまず思い浮べるのは、例えば腕の力こぶを出す時のように、関節を曲げ、筋肉を縮めることではないでしょうか?
この時メインで使われる筋肉は
縮んでいる→コンセントリック収縮
しています。
下の写真のように、肘を曲げてダンベルを上げる時は力こぶの筋肉(上腕二頭筋)がコンセントリック収縮しています。
2. アイソメトリック収縮
また、以前記事にしたように、筋肉は長さを変えずに力を発揮することもできます。
長さを変えない→アイソメトリック収縮(等尺性収縮)
プランクでキープしている時や、ラグビーのスクラムでがっしり組み合っている時などがイメージしやすいでしょう。
3. エキセントリック収縮
そしてもう一つ、おそらく1番わかりにくいのが
伸ばしながら力を発揮する→エキセントリック収縮
です。
先程のダンベルの例だと、肘を曲げる時は力こぶの筋肉(上腕二頭筋)がコンセントリック収縮し、肘を伸ばす時は同じ筋肉がエキセントリック収縮します。
コントロールしながらゆっくり肘を伸ばす感じを想像してみると、エキセントリック収縮の感覚もおわかりいただけるかと思います。
コントロールしなければ肘がダンベルの重みに負けて怪我をしてしまうでしょう。
怪我をしないように戻しているこの力が上腕二頭筋のエキセントリック収縮です。
ロールアップができない原因は腹筋?
さて、ロールアップができない原因はなんでしょう?
軽くググってみると、まず出てくる原因は
「腹筋が弱いから」。
腹筋と聞いてまず思い浮かべるのはどんな筋肉でしょう?
おそらく多くの人が思い浮かべるのは、お腹の表面にある6個に割れるアレ、腹直筋ではないでしょうか?
そして「弱い」と言われたら、もっと使わなくちゃ!!と思いますが、筋肉を使うイメージは、上であげたように、多くの人にとって縮める、コンセントリック収縮でしょう。
つまり、
ロールアップができないのは腹筋が弱いからだ
と言われたら、
お腹の表面の筋肉をもっと縮めなきゃ、
となりがちです。
起き上がれない → がんばってもっともっと体を縮めなきゃ!!
と縮めることをがんばってしまっているのです。
確かにロールアップで起き上がってくるのに腹直筋はある程度は縮みます。
が、それ以上に意識していただきたい腹筋は、もっと奥にある腹横筋です。
お腹の最深部で、肋骨と骨盤の距離を保つようにあるこの筋肉を意識してみましょう。
そして、この筋肉を縮める(コンセントリック収縮)させるのではなく、長く伸ばす(エキセントリック収縮)ことをイメージしてみます。
起き上がってくる時は、お腹の表面を縮めるのではなく、お腹の奥を伸ばしながら力を発揮させるのです。
縮めるだけが筋肉の使い方ではない!
そのほかにも、例えば背骨をなめらかに動かす、腕の使い方など、ロールアップのコツはいくつかありますが、
縮めるだけが筋肉の使い方ではない!
というイメージと体の動きが結びつけばロールアップも急にラクになります。
冒頭に書いた、「ロールアップ苦手さんに共通していること」とは
起き上がれない!!となった時
さらにギュッと、腹筋はもちろん、全身を縮めてしまうのです。
これを
起きあがれない!→長く伸ばす
とイメージを変えてみましょう。
長く伸ばす時でも筋肉は力を発揮できる、とイメージできれば、きっと起き上がれそうな手応えがあるはずです。
表面にある筋肉だけではなく、深部にある筋肉を鍛え、背骨の周りの柔軟性を高め、左右のバランスも整え腰痛予防の効果もあるロールアップ/ダウンは、是非できるようになっていただきたいエクササイズの一つです。
筋肉は伸びる時も力を発揮する、このイメージが苦手意識を払拭する助けになれば幸いです。