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『自分の軸で生きる練習』を読んで
最近自己啓発本を読むのにハマっている私がたまたま本屋で気になって手に取った本が『自分の軸で生きる練習』だった。
基本的に相手に合わせてなにかを決めたり何かを話したりしていつも疲れているので、この本を読んでそういう性質が少しでもマシになればいいな〜との思いで読み始めた。
全部読んだ感想を端的に言うと「国連でめっちゃ仕事できるって重宝されて今やコーチングの有名講師やってるワタクシの高尚な考え方」をそれができない人が読まされている。
だった。
でも読んでいてやっぱりハッとさせられることは沢山書いてあった。
自分の経験や価値観を話すことを相手も望んでいる、正しいことだけを言っても信頼されない
確かにそれは理にかなっている。正しいことだけなら誰にだって出来るが、自分のことを話すのは自分しかいない。
自己開示をすることで相手は自分のことを知ることができるので、信頼されるのも頷ける。
自分で自分を評価しないと他人にも評価されない
この文章にも考えさせられた。
自分自身が的確な自己評価をすることができてないのに、他人が自分のことを分かる訳はない。至極当たり前のことなのにそれが分かっていなかったんだと実感した。
でも結局、捻くれた私はこういう思いに行き着く。
「それ出来たら誰もこんな本読んでないわな」
まず、こういう自己啓発本を読んでる人は自然とそういう思考が出来ない人達の集まりなのだ。
初めから出来ている人はこの本のタイトルに興味なんて示さないし読もうなんて微塵も思わないだろう。
もう少しこう「こう考えていけば絶対いい!」みたいな書き方じゃなくて、こちら側の気持ちも尊重した文章を書いて欲しいというのが本音だ。
この本を読む読者層は、自分の軸が形成されていない人達である。
そんなポジティブシンキングの塊みたいなことを言われると、今までの自分のネガティブな考え方を否定されたような感じがして少しヘコむのだ。
あと、国連での経験とか旅行ガイドの経験の話がちょっと長い。
国連での業務内容などは私の様な馬鹿には読んでも全然ピンとこなかったので、個人的にもう少しすっきりまとめて書いて欲しかった。
正直言うとただの自慢を延々聞かされているような感じがした。
大分短く書くと「色んな国のすごい人が参加する国連のすごい講義になぜか私が呼ばれてなぜか私が評価されちゃった!?」みたいなターンがあったのだが、それが結構長い。
それで「変に気負わずに済んだ私は自分の価値観を信じて周りに気遣ったり感謝したりしてたから評価されてました! こんなの見てくれる人いるんですね!」
っていうのを読んでどう思えばいいか分からなかった。
私は多分同じ立場になったら自分のことで頭が一杯になるしプレッシャーで押しつぶされそうになって、周りに気を遣えるような状態ではなくなるだろう。
そんな私のような、自己表現できず自己開示できず他人を主語にして生きているような人を思いやっているようで、実は軽視されているような気がして少し胸が痛くなってしまった。
でも結局このような思考回路を変える作業は、書いてある考え方を日常生活の中で繰り返すっていうところに終着するしかない。
それをしてやっと少しずつ少しずつこの本で言う自分の軸を形成することができる。
なので書いてあることを地道に頭の中で反芻していけばポジティブな思考を手に入れられるんだろうな、ということは理解できる。
実際にやってみようという意識もある。
しかし、どうにも文章を読んでいて背景に違うものが透けてみえてしまった。