はじめての連絡船
廃止直前の珍しい鉄道の後は、宮島へ。
カープ色の電車
広島で出会う電車は基本的にこの「カープ色」。
過去に「広島東洋カープ」がリーグ優勝を勝ち取った際には球団マスコット「カープ坊や」が行き先に現れる演出もあった。
電車のカラーの由来になった球団とコラボラッピングとすれ違い。2023シーズンの現役選手や新井貴浩監督があしらわれている。市民に愛されてる証がこの電車だ。
「カープ色」の列車に揺られて1時間。
宮島口駅
宮島口駅にやってきた。「厳島神社」のある「宮島」の玄関口。ここからは船で向かうが、この船が「最後の」が付く珍しいもの。
JR西日本宮島フェリー
駅から徒歩5分で宮島口の桟橋へ。路面電車の場合は目の前で乗り換えられる。
2つあるうち、ここから乗るのが「JR西日本宮島フェリー」。「JR」の系列のフェリーだが、実はこの船というのは
JRグループ最後の鉄道連絡船
「青函(青森ー函館間)」「宇高(宇野(岡山県玉野市)ー高松間)」などにあった「連絡船」の最後の生き残り。かつて地元私鉄が運営していた船を国鉄が買収、JRに引き継がれてからも「宮島航路」という直営路線だった。
2009年からは子会社「JR西日本宮島フェリー」として分社化したものの、乗り放題きっぷは使うことが可能だ。
青春18きっぷ
ジャパンレールパス(訪日向け)
西日本グリーンパス(シニア向け)
なども追加料金無しで使える。僕が使っていた「秋の乗り放題パス」も使うことができる。フェリーも「普通列車」と同じ扱いだ。
しかし、2023年10月1日からは追加ルールが加わった。宮島の環境対策や利便性向上に活用される「100円の訪問税」が必要になった。
きっぷにもその旨が記載されていて、ルールは知っていたつもり。てっきり、改札で現金で渡すかと思いこんでいた僕だったが、これでかなり振り回される羽目に。
外国人ちゃうのに…
桟橋の改札をそのまま通ろうとすると
tax please!!
と声をかけられる。なぜか英語で話しかけられるし、なんのこっちゃわからなかった。しかも、改札にきっぷの入れ口が見当たらない。
聞こうとするも、外国人だと間違われて、絶句し、狼狽えていると、あるやりとりを盗み聞きして分かった。
「PASPY(広島のご当地IC)」やったら「訪問税」だけきっぷ買ってください。
実は「券売機」で前払い式だった。
どうも、「Suica」「ICOCA」などの「共通ICカード」なら自動で引き落とされるらしいが、「PASPY」や「乗り放題きっぷ」は事前に「訪問税きっぷ」を買わなければならない。
「訪問税」は知っていたが、まさかこの方式だったのは予想してなかった。そういう旨をもう少し目立つように書いて欲しい。「PASPY」に関しても何も無かった感じだし。
英語で話しかけられまくって、パニックになった僕は
全員が全員「ジャパンレールパス」だと思うなよ!!
とキレそうにもなった。ただ、僕も僕で聞くか調べりゃよかった話だったが…😢
気を取り直して宮島へ
なんとか「訪問税きっぷ」を買い、改札で渡すと船へ。JRマークの船は「鉄道連絡船」の証。言うなれば、船であり、列車である。
晴れの瀬戸内海。美しい景色にみんなシャッターを切る。甲板の風も心地いい。
宮島の大鳥居を眺めながら、10分で「宮島」に到着。
少しレトロで駅のような
駅前には野生の鹿が群れをなす。奈良だと錯覚しそう。
とんぼ返り
ここから厳島神社へも行ってもよかったが、さっきの対応で少し疲れてしまったのと、乗り放題きっぷをもっと使いたいと思い、戻ることに。
「訪問税」払い済みの帰り道。見せたら即通された。ただ、ダンマリしてたのが、外国人に間違われたショックがよぎってしまう。
桟橋で待っていると
トラック
軽トラ
自転車
バイク
がやってくる。通常の「フェリー」と同じくこういうのも載せられる。
JRとは別の乗り場には紫色の船。「宮島松大汽船」という「広島電鉄系」のフェリーだ。
帰りは座席に腰掛ける。
少しお腹空いて、「もみじ饅頭」を頬張る。普通のあんこもいいが、チョコ味もまたおいしい。
宮島口に戻ってきた。船を待ってる人はほとんど外国人だ。今の時期はとてつもなく人が集まりそう。ただ、京都に集中してる分まだ大丈夫そう?
広島グルメでパワーチャージ
宮島口は「あなごめし」が有名。駅弁もよく知られていて、鉄道YouTuberが紹介しているほど。
その中で立ち寄ったのがこの店。店前で迷ってると、お姉様が声をかけた。
とれたてのあなご入ってますよぉ〜
釣られて店内へ。
看板メニューである「もみじ定食」を注文。小ぶりの「あなごめし」に「カキフライ」が着いた定食。「カキ」もまた広島の名物。サクサクとプリプリが絶妙だ。「あなごめし」も鮮度が良くて、ふっくら。うなぎもいいが、あなごもまた格別だ。
気がついたら元気が出てきてこの先もいい旅できそうだ。
ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。