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めでたい電車と港町

関空を後にし、空港急行特急「サザン」を乗り継いで和歌山市へ。そこから和歌山の港町加太(かだ)へ向かうためにある電車に乗ることに。
和歌山市から加太に至る南海加太線。軽便鉄道をルーツに持つ短いローカル線で地元密着の路線である。ただ、ここ最近は観光にも力を入れ、「加太さかな線」と愛称を付け、加太特産のタイをモチーフにしたその名も『めでたいでんしゃ』を運行している。現在は3種類もあり、水色の「かい」、ピンク色の「さち」、赤色の「なな」がいる。そして、かい=父、さち=母、なな=子で家族を構成。これらを連結し、大阪なんばへ「家族旅行」をするという特別企画もあった。この9月からは「さち」の“兄”である黒の「かしら」がデビュー。音楽と冒険をテーマにし、和歌山市出身でバンド「L'Arc〜en〜Ciel」のボーカルHYDEさんとのコラボも実施される。

癒しキャラとコラボ

そんなめでたいでんしゃのうち、「なな」が“すみが大好きな”あるキャラクターとコラボした。それがこちら

人気癒しキャラ『すみっコぐらし』。JR山手線や京急、阪急に続き、南海電車とタイアップ。特急「ラピート」高野線系統1編成とともにラッピングが施され、連動したスタンプラリーも実施予定(大阪府の緊急事態宣言発令で日程未定)
ラッピングには各々物語があり、ここでは「大きな魚を見つけて大喜びしているすみっコたち」というコンセプトがある。列車にちなんだタイと思わしき赤い魚を持って扉や窓の隅で所狭しと楽しんでいる姿が見て取れる。

車内

車内は魚をモチーフにした吊り革を始め、至る所に魚や福をイメージした飾りがされている。そして、コラボ中につき「すみっコぐらし」のポスターがあったり、運転席扉窓にある「招き猫」のイラストも「すみっコ」仕様になっている。

通勤通学輸送の使用も考慮して、座席は生地を変えた以外はロングシートのままになっている。それでも、ド派手な見た目は完全に観光モード

ゴトゴト揺られ

和歌山市駅を発車して、紀ノ川駅までは本線との共用で比較的速い。紀ノ川を出て、加太線に入ると50km/h前後とゆっくりしたスピードで路地裏のような住宅街と海沿いを進んでゆく。途中の八幡前(はちまんまえ)駅では“めでたいファミリーの母”「さち」と出会う「親子競演」も見られた。

揺られること30分。終点加太駅に到着。ド派手な見た目とコラボだからか、さながら大撮影会。僕もいくつか撮った後

ノートを見つけて、来た証を綴ってきた。直筆は汚いから見た目はアレやけど、良いもん残せた。

加太をぶらり

30分後にある別の『めでたいでんしゃ』に乗る合間に少しぶらり。
加太は住所上和歌山市内にあるわけだが、言われないとここが県庁所在地だとはわからないほどのどかな町だ。海の方角へ歩いていくと5、6人ぐらいの水着を着て浮き輪を持った女性グループが海水浴場の香りを漂わせてすれ違った。さっき、「めでたいでんしゃ」を撮ってて、マリンスーツを着た男女3人組も見かけた。まあまあ距離のある場所だと思うが海水浴場でもあるのだろう。路地裏を抜けていくこと10分ちょい

まるで映画のような加太の港町がそこに広がる。ネコも1匹駆け回っていて、写真集の世界。ただ、のんびりした気分に浸ってるとお目当ての列車に間に合わないのでそそくさと駅に戻る。

その道中の路地裏は、昭和の雰囲気漂う雑貨屋ガレージ、駄菓子屋的な店も。その内の店の軒先ではオリンピックのバスケを観戦してるおばあちゃんと目が合った。そんなスローライフな田舎の風景が広がっていた。

水中のような電車

真夏日の炎天下を日傘を差して汗だくで歩き駅へ戻ると

お目当てで2種類目の「めでたいでんしゃ」で“ファミリーの父”『かい』がお出ましだ。

外装同様車内はブルーを基調に、海藻が吊るされている。座席の柄にはさかながびっしり。
そうこうしているうちに加太を発車。帰りの道中、差し込む光が青い壁や座席に当たると水中に潜ったような幻想的な光景が広がり、「なな」とはまた全然違う雰囲気を醸し出す。

そして、紀ノ川駅で降りて動画撮影し、和歌山市駅でぶらりするのだが、これはまた次回以降に続く。

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Yuki(ゆうき)
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