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シンカリオンチェンジ ザ ワールド、トータルレビュー

テレビ東京系アニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』。実在の新幹線がロボットに変身し、「アンノウン」という敵に立ち向かうという物語だ。

2024年4月からスタートして、2025年2月2日放送分まで約3クールの長いスパンで放送された。一度、1クール分でレビューを綴ってみたが、この後も最終回までほぼ毎週TVerで見ていた。ここでは最終回まで見てみた感想を紹介する。

2クール以降のシンカリオン

シンカリオンの機体は1クールで5体登場(記事参照)。2クール以降は西日本をメインに4体、過去の回顧録にて1体が登場。うち3体は補助となる武器「エルダビークル」も新たに登場した。

  • E8つばさ

  • N700Sかもめ

  • 500こだま

  • ドクターイエロー

  • シンカリオン0

E8つばさ

E8系

「E8つばさ」は2024年3月にデビューしたばかりの「E8系」という最新車両がモデル。使用される列車「つばさ」にちなんで「ドローン」と合体して「E8つばさドローンフォーム」に変身。空中戦に強い機体だ。

N700Sかもめ

「N700Sかもめ」は西九州新幹線の車両。島が多い長崎の土地柄にちなんだ「フェリー」と合体し「N700Sかもめフェリーフォーム」に。海上での戦いに強い。

500こだまと「ジンキ」

500系

「500こだま」は山陽新幹線500系。「エルダ式ジンキ」と合体。「500こだまジンキフォーム」になる。聞き馴染みない「ジンキ」だが、けっこうすごいヤツだ。

「ジンキ」のモデルはJR西日本、信号メーカー「日本信号」、滋賀県のロボットベンチャー「人機一体」の3社が開発した「多機能鉄道重機」。危険な作業をロボットに任せつつ、人間が操作する直感性の良さが注目されている。SFチックな見た目も際立って、インパクトある見た目の500系と相性がいい。

ドクターイエロー

ドクターイエロー
シンカリオンの中では最強の部類に入る。

「ドクターイエロー」もシンカリオンに登場。通常モードからグレードアップして「ドクターイエロー」3両で合体する「グレートドクターイエロー」という最強モードがある。大型の盾や「検測」という、この車種ならではの攻撃は圧倒的な力を誇る。「鉄道の沼」を知らない人でも魅了させる「ゴッドオブシンカンセン」はアニメで大暴れする。

シンカリオン0

大阪府吹田市の図書館に保存されている「0系」

シンカリオンの開発元「ERDAエルダ」草創期の回顧録で登場した「シンカリオン0」。「元祖新幹線」こと「0系」がモデルで、引退した2008年当時の姿がロボットに変形している。「ゼロブレード」という剣が最大の武器となっている。

エンディング曲

オープニング曲は最初から最後まで「GRe4N BOYZ(ex GReeeeN)」。一方で、エンディング曲は「meiyo」から3組のアーティストへリレーした。2クール以降はベテランバンドと元アイドルのシンガーソングライターが担当した。

THE ALFEE/KO.DA.MA

「meiyo」からバトンを引き継いだのは『THE ALFEE』。デビュー50年を超えるレジェンドは「こだま号」をモチーフに『KO.DA.MA』を制作した。ロックではあるが、歌謡曲にも通づる哀愁漂う短調のメロディが特徴的。今どきの曲にはない雰囲気で、演歌のテイストにも近い気がする。

メンバーである高見沢俊彦さんは新幹線好き。N700系のアルミ車体で作られたエレキギターのお披露目に招待され、N700系車内で高見沢さんが試奏している。このギターをライブで披露してこの曲ややったらウケそうだ。

山本彩/Seagull

3クール目では元NMB48の「さや姉」こと山本彩さんによる『Seagull』。「Seagull=かもめ」をモチーフにしているロックバラードとなっている。
「さや姉」ソロの楽曲をじっくり聴くのは初めてだったが、パワフルでいい歌声で感極まる。アヴリルラヴィーンやELLE GARDENなど音楽をたくさんかじってきてると聞いてるからそれらの影響を感じさせる。

カッコいい人って?

最初から最後まで、一貫していたのは主人公「大成タイセイ」の信念。

カッコいい人になるんだ。

このキーワードに突き動かされたり、翻弄されたり、「本当にカッコいいとは何か」をもがいていたのはストーリーの根幹だった。いろんな価値観や悲しい出来事はあれど、この言葉の強さに突き動かされたタイセイや仲間たちは本当にカッコいい人だったように思えた。そのプロセスを見てると何度も涙をこぼした。

タイセイと同じく鉄道好きの僕。しかし、鉄道を通じて生まれる友情や仲間意識、成長の過程を見つめてたように思う。

昔だったら鉄道以外は何も入ってこない。ただの「鉄道バカ」になってただけかもしれないと思う。「鉄道好きならなんでもいい」とばかり思ってた幼少期があった僕にとってはこういうのを早く見たかったと感じる。「好きなことで生きていく」というのがあるが、それだけでは息苦しいかも。

3クール見て

鉄道から始まり、地元が出てきたり、たくさんのシンカリオンに興奮しまくって泣いてきた3クール。大人のでもこれだけハマった僕だが、やっぱり子どものうちに見ておいたら今の人生少し変わってたかもしれないと思う。タイセイと自分を照らし合わせるとこんなことを思う。

僕はカッコいい人になれてるだろうか。
幼い自分が今の自分を見たらメンタル崩壊するかもなぁ。

ようやく、自分の行動の意味に気づき始めた僕。「カッコいい」という次元ではないとは思うが、やりたいことに向かって突き進んでるとは思う。他人にどう思われてるかなんてわからないが、それを気にせず、信念貫き通せば「カッコいい人」になれるのではと思っている。

そんなことを思って見ていた『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』。過去2作からスケールアップしつつも、第1作の原点回帰の雰囲気も感じられた。実在の新幹線をロボットに変形させるという唯一無二のアニメは子どもは元より大人でも十分ハマってしまった。
カッコいいアニメだった。

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Yuki(ゆうき)
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