郡上の温泉で汗流す。(郡上八幡→みなみ子宝温泉)
好きなバンドの聖地を訪れ、焼きそばで少し腹を満たした。達成したら、今度は郡上八幡から南下し、温泉に入ることにする。
郡上八幡駅
北濃駅から列車がやってきた。長良川鉄道の車両では最もオーソドックス。関西の私鉄のようなマルーンの装い。
クロネコヤマトを運ぶ列車
2両のうち、後ろの車両の半分はトラックみたいな緑とクリーム色。長良川鉄道では「ヤマト運輸(クロネコヤマト)」とタッグを組んで、列車で荷物を運ぶ取り組みを2018年から実施している。
郡上市美並町宛の荷物は郡上営業所を介するとかなり遠回りになってしまい、効率が悪い。これを解消するために、営業所を介さず、長良川鉄道の普通列車が荷物輸送の一部を代行。関市の荷物仕分けセンターから美並町へダイレクトに届く。他の地方私鉄、新幹線、果ては列車+タクシーまで、こういう動きは全国で見られる。
車内の車椅子スペースが荷物の搭載場所。荷物輸送は13時台に関→美並苅安間で実施。基本的に「ヤマトカラー」の車両に緑のコンテナが積まれる。
ホームに打ち水
郡上八幡駅では屋根から水が撒かれている。線路に撒かれる他、ちょうど列車のクーラー本体にかかる。オーバーヒート防止できそう。窓から浴びても、めっちゃ気持ちよさそう。
車内
PayPay×長良川鉄道
長良川鉄道では交通系ICが使えない。その代わり「クレジットタッチ決済」や「PayPay」が導入されている。多彩な店でPayPayを見かけるが、地方では鉄道やバスなど公共交通への導入も見られる。
ゆら〜り眺めて清流列車
通常の普通列車ではあるが、時刻表では「ゆら〜り眺めて清流列車2号」と名付けられている。
長良川の景色が楽しめる箇所でサービス減速を実施。午前の美濃太田→北濃行きと午後の北濃→美濃太田行きで1往復が設定されている。「ながら」に乗れない日でも運転されている。
窓を開ける。
車内は冷房付きとて少し暑い。窓を開けるとかなり心地いい。トンネルに入るとディーゼルの爆音がライブハウスの如く轟く。ライブ好きかつ鉄道好きには楽しめそう。
みなみ子宝温泉駅/子宝の湯
列車にゆられ約30分。「みなみ子宝温泉駅」で下車。2002年にできた新しい駅で名前の通り温泉がある。その温泉というのがホームの入り口すぐ。温泉のエントランスが駅入り口を兼ねているという珍しい構造をしている。
降車時に運転士から降車証明書が配布される。これを温泉の受付に持参すると通常700円の入浴料が300円に割り引かれる。これにタオル、貸しバスタオルを足せば、アメニティの追加料金はかからないことになるし、タオル持参ならもっと安くなる。子ども料金も350円のところ100円になる。
温泉は熱すぎないちょうどいい温度。この日は家族連れでにぎわっていたが、キッズたちにもちょうどいい湯加減だ。
風呂上がりには「関牛乳」で1杯。濃厚な味わいで非常においしい。風呂上がりのご当地ソウルミルクはやっぱりサイコーだし、基本スベらない。
入り口付近には信号機が設置。列車時刻に合わせて色が変わる仕掛けになっている。ただし、浴室内には時刻表や信号機カウントダウンがない。風呂入ってるとそれが気が気じゃなかった。
この日は数分遅延していたものの、ちゃんと列車がやってきた。よく見れば列車に乗らず見送るだけの人もちらほら。この地方もクルマがないと不便だ。
そんなこの温泉だが、2024年9月下旬をもって営業を休止することになった。新聞によれば、燃料費の高騰やコロナ禍の売上減が休止の要因だそう。ただ、新たな運営元が引き受けてくれれば、施設も復活できる可能性はあるとのこと。温泉が休止されても、駅自体は存続する。
列車旅好きで温泉好きにとっては好立地ではあるし、こんないいお湯だからもったいなさは感じる。現時点では最初で最後になるかもしれないが、いずれ復活することを願ってやまない。