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愛してるのは君じゃない!

納豆が大好物という記事を書いたのですが、その時ホントは話が脱線しかけました。ちょっとだけ織り込もうとしたら、そこだけで結構なボリュームになったので切り離しました。

納豆愛を自覚する以前の私は、人から何が一番好きと聞かれたら
「春巻き!」と答えていました。

ニチレイの、既に揚げてある冷凍食品ではなくて揚げてない白い春巻き。自分で揚げる春巻きです。(と言っても当時は母が揚げてくれてたわけですが)

あの人参やタケノコやキクラゲや豚肉のあんかけが入った五目春巻き。

揚げてある冷凍食品の方は、自分で揚げるタイプの春巻きよりもサイズが少し小さくて、その分皮ばかり分厚い上に、チンしても油で揚げたようにパリッとはならなかったからです。

自分が春巻き好きだったのはもちろん記憶にありましたが、その「自分の好物の記憶」を誰かと分かち合っていたとは全く思っていませんでした。

私が既に香港赴任中で一時帰国したある時、久々に高校時代の友達4人でご飯を食べる機会がありました。

二人は軽音楽部の仲間、一人は3年生の時のクラスメートで一番仲がよかったYちゃん。軽音仲間はそれまでも結構顔を合わせていましたが、Yちゃんとはホントに高校卒業以来の10数年ぶりの再会でした。

手羽先専門店で女四人、手羽先を齧りながら懐かしい高校時代の思い出話に花を咲かせていた時です。

Yちゃんが、突然
「そう言えばユウってさ~、高校の時いっつも一人で春巻き食ってなかった?アレ、おっかしくってさあ~」

と言い出しました。

すると後の二人も「あ~そうそう!」と頷いているのです。

アレ・・・?

私、高校の時、そんなに人前で「〇〇が好き」とか自己アピールなんかしてたっけな~???

「・・・・・???」

そして更にYちゃんが「いつも一緒に裏のスーパーに買い食いしに行ったらさあ~ユウは毎回春巻き一筋やったからさ~」と笑いながら言うのを聞いて、私の脳裏に遠い過去の記憶がフラッシュバックしてきました。

高校の裏にスーパーがあったのですが、休み時間や昼休み、学校を抜け出して皆でおやつを買ったり買い食いをしたりしました。(お弁当でしたが)
そして、他の友達は皆、クッキーやチョコレートやポテチとかのお菓子を買っている横で、確かに私はお惣菜の春巻きを買っていました

他の友達が、それぞれ自分の買ったお菓子を分け合いながら和気藹々と食べる中、私は一人、自分の買ってきたアツアツ春巻きをかじってご満悦だった事を。

なるほど・・・それは確かに自己アピールなんてしなくとも「春巻き好き」は十分駄々洩れています。

他の友達は、皆仲良く色んなお菓子を分け合って「交流を楽しむ」輪の中で、一人だけガチで自分の食欲を満たしている人がいま〜す、的な。

私はそれを自分が一人おかしな行動をしてるとか、羨ましいとか、それに合わせなくてはならないとか、そういう考えすら思い浮かびませんでした。

だってYちゃん曰く、「ユウっていっつも一人で春巻き食ってなかった?」って言うくらい日常茶飯事な一コマだったらしいのですから_| ̄|○

何やってんだ、私・・・。お前にはちゃんと皆と交流できる用の愛用お菓子があったじゃないか?

これを忘れて春巻きに走っていたという事は、・・・相当の・・成長期?

皆から見たら一緒におやつタイムなのに、一人誰にも何も分け与えず、誰からも何も貰おうとせず、自分だけお惣菜を食べながらも輪の中にいる私は、さぞおかしなヤツのように映ってたんじゃないかと(いや、実際相当おかしいだろ)この手羽先屋での飲み会が終えてから気づきました。

当時、全く違和感を感じてなかった自分が微妙ですが、とにかくこんな春巻き好きな私ですから「春巻きの本場」と言えば中国!今はさぞかし充実した春巻きライフを送っているだろうと思っているアナタ!

それがそうではなかったのです。

こちら。飲茶でも定番の春巻き。

まず、ちっちゃい!日本的に言えば冷凍の春巻きがお寿司の太巻きなら、こちらは細巻。しかも細巻でも短い!コンビニに売ってる長くて細い納豆巻きの半分くらいしかありません(←長くて細い納豆巻きを売ってるコンビニって何処だったかな。)

そのただでさえ小さい春巻きを、通常、運んできたおばちゃんに頼むと、腰から紐でぶら下げたハサミでこのようにバリバリと皮を破壊しながら、三本まとめてジョキンと半分にカットしてくれて、一人一切れで食べるのです。

飲茶は大人数で多種類の點心を楽しむのがメインですから。

春巻き一本じゃなくて1人一切れ

まあ、それはいいとしても問題は中身です。

これだけちっちゃいので皮が何重にも巻かれています。そして中の餡が大抵薄く一層塗られたキャベツの真ん中にエビか豚肉の細切りが入っています。

イメージ、甘海老と皮だけって感じの代物

以上。

中身が少なすぎるんですよ!シンプル過ぎるんですよ!💢


中身より皮の方が多いんじゃないかと思うくらい。

私が日本で、一人お惣菜春巻きをかじっていた頃の春巻きというのは人参タケノコ豚肉のあんかけが中にたっぷりトロ~リ詰まっていてそこにサクサクの皮がアクセントを追加してくれる、何なら皮が薄いから時々破裂してしまう、そういう代物だったのです。

それなのに何?!

春巻きは中華料理ではないの?中国が本場ではないの?五目あんかけはどこに行った?

疑問が頭に渦巻きます。そしてタイ料理やベトナム料理でも定番で春巻きがあるのを発見します。

ぬぬ・・?!こっちが本場であったか?

という気持ちが一瞬よぎるものの、こちらの春巻きはモチッとした生春巻き以外、揚げの方は香港飲茶の春巻きより更にほっそい!
・・・何これ?フィンガー春巻き?居酒屋のチーズスティックじゃないんだから・・・。

親指サイズ💢

そう、本場か何か知らんけど、私はこちらの春巻きでは腹も心も満たせない!


やはり、コレも自分の欲望を満たそうと思ったら自作するしかないでしょう。タケノコが若干手に入りにくいですが、やっぱり最寄り駅のショッピングモールまで日本の水煮タケノコをゲットしにいくしかないのでしょう。

いつか重い腰を上げるのを温かく見守ってください。

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ハザカイユウ
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