「自分の口で食べられる間にできるだけかなえたい」と思って出会った美味しい面々「干し柿」の巻(下)
前回に続いて。母のつぶやきに「それなら私が美味しい干し柿を作ってあげましょう!」と思い渋柿10㎏を購入。
半分は美味しい干し柿に、もう半分は渋を抜いて甘柿にしてみよう!と情報を調べ作り始めました。
◎いくつかの情報から干し柿は(大雑把に言うと)
・渋柿の皮をむき、T字のヘタにひもをかけ2~3週間つるす
というもの。
・ポイントは熟れる前が良い、と書かれている情報がいくつかあったのですが後にうちの場合は「熟れている方が良くてその具合を見極める」ことが最大のポイントだと気づきます。
◎「渋抜きして甘柿」はある情報によると
・ティッシュなどに焼酎など高濃度のアルコールをしみこませてヘタにあてポリ袋などに包んで時間を置く(確か)。
とありました。
早速干し柿はまだ熟れ切っていないものを干しました。
「渋抜きして甘柿」も結構丁寧に書かれていたその情報に沿って袋に入れ数日置きました。
「そろそろかなあ」と思い1個味をみてみると
恐ろしいほどの渋が残っていて、同時に熟れが進んでいるので「強烈な渋みと甘さが同居する一品」となっていました。
「えええ~、これ渋が抜けるの?」「これ以上置くとさらに柔らかく熟れて渋が抜ける前に傷んでいくのでは?」と途方にくれたのでした(5㎏あるし)。
しばし考えて「干す」ことにしました。
皮をむくと柔らかく、ひもでつるして熱湯にくぐらせ干す、という一通りをして何とか干したのですがその後にも恐ろしいことが。
30分もたたないうちに2個くらいがボトッと落ちたのでした。
熟れて柔らかいのでヘタから身の重さで落ち、ベランダが残念過ぎる状態に。そのほかの柿も危険そうなものがあったので網の上にのせて向きを変えながら干していくことにしたのです。
数週間後、初めての干し柿が出来上がりました。
元々の干し柿チームは「まあ、こんな感じよね」という食べたことのある味わいに。当時教室の生徒さんにもお茶と一緒にお出ししたのですが、ある生徒さんが「先生、これ大成功ですよね。家、実家から送ってくれるんですけど色もきれいだし美味しいですよ!」と仰ってよく召し上がっている方からOKをいただいた気になり嬉しかったです。
さて、「渋抜きから干し柿に転換」チームですがこれが「絶品」だったのです。まさにあんぽ柿のよう。まず熟れていて果肉がゼリー状に近かったせいか水分が残っていて身が痩せていません。とても柔らかく、甘さもすごくのっていて「災い転じて福となす」と言った感じ。
この経験は大きく、家の干し柿は身を押して柔らかさを感じるくらいに熟れてから干す、というのが定番になりました。家に届いてから追熟を待つのですがポリ袋にりんごと一緒に入れてエチレンガスの働きで速く熟れます。
ただ、1年ぶりだったりするとこの加減が結構忘れていて以来作るときの
一番の気の使いどころとなっています。
ともあれ、今書いていてもとても勉強になっている、と感じます。
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