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「僕のヒーローアカデミア ユアネクスト」:ヒロアカシリーズも最終章前の静けさ。劇場版独自エピソードだが、少し盛り上がりに欠けるかも。。

<あらすじ>
“次は、君だ……”。超常能力“個性”を備えた人間の存在が当たり前になった世界で、“平和の象徴”と呼ばれたかつてのNo.1ヒーロー、オールマイト(声:三宅健太)が“悪の帝王”との死闘を制した直後に発した言葉だ。オールマイトがNo,1ヒーローの座を退いた後も、その意志は緑谷出久(声:山下大輝)たち雄英高校ヒーロー科に受け継がれていた。出久たちが雄英2年目の春に勃発したヒーローvs敵“ヴィラン”の全面戦争で、出久は恐るべき力を手にした死柄木弔と激突。双方が大ダメージを受け、死柄木の撤退によって戦いは一旦終結するが、再び相まみえる決戦の時は刻一刻と近づいていた。そんなとき、全面戦争の影響で荒廃した社会に突如、謎の巨大要塞が出現し、次々と街や人を飲み込んでいく。そして出久たちの前に、“平和の象徴”を思わせる男が立ちはだかる……。

KINENOTEより

評価:★★☆
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)

「週刊少年ジャンプ」の人気漫画である堀越耕平の「僕のヒーローアカデミア」(以下、ヒロアカ)。超能力を持っている人間が当たり前になったヒーロー社会(善き者はヒーローに、悪しき者はヴィランに)において、無個性(超能力を持たない人間)の主人公・緑谷出久が、人気ヒーロー・オールマイトから能力を受け継ぐ個性(ワン・フォー・オール)をひょんなことから授かり、その個性を磨き、ヒーローになるために日本一の育成学校である雄英高校ヒーロー科に入学後の学生生活を描くのが、コミックの大筋の流れになっています。コミック連載のほうは今年(2024年)に終了し、アニメシリーズも2025年にかけて最終期に突入しようとしており、ジャンプの長きにわたって人気を博してきた「ONE PIECE」や「呪術廻戦」なども終盤に入ろうとしているので、ジャンプの歴史の中でも、2024~2025年は重大な一歴史の区切りを迎えようとしています。

ヒロアカのジャンプ連載開始が2014年であり、当然僕らの世代ではないのですが、ヒロアカは結構好きな部類のアニメです(いろんなグッズやフィギュアも持っているので、単純に好きなレベルではないですが笑)。ヒロアカの良さというのは、映画だと「X-MEN」(2000年)に割と近いと思っていて、学園ものの枠で、それぞれのキャラクターが成長していく中で友情だったり、家族のことだったり、将来のことだったりと、ヒーローじゃなくてもいろいろ不安定な思春期の中で、(詳細は省きますが)日本で数々のヴィランによる事件や天災などから人々を救ってきたオールマイトの引退と、無個性の一般ピーポーだった主人公が彼の特殊個性を引き継いだことで、日本社会を崩壊に導こうとしている脅威に対するために表舞台に担ぎ出されてしまうという一種の理不尽さをバランスよく描いた作品だなと思います。今の社会ではあまりというか、全然感じないですが、それこそ80年前の日本では戦争の名の下に、若い人たちも社会の重要局面にいやがおうにも出ないといけなかった理不尽さ(今でも震災や貧困、ヤングケアラーなど、若者や子どもが社会の負の部分を担わなくてはいけなく、本当の若さや子どもらしさを過ごせる時期を奪われる場面はなくはないですが、、)が日常にあったことを思うと、人気アニメながら、そういう難しいモヤモヤした部分を堂々と描いているところは凄いなと思ったりします。

というなかで(笑)、公開された本作は過去の劇場版作品と同じく連載コミックには登場しない映画独自のオリジナルストーリーとなっていて、原作の流れを知っている方のために言うと、死柄木らヴィラン連合と異能解放軍の陰謀を一歩先に止めた出久を中心としたヒーロー連合が、姿をくらました死柄木らが再び襲い掛かる最終決戦前までの猶予期間までに発生したエピソードとして描かれています(雄英で体を休めているのではなく、再びインターンに出ているのか?)。オリジナルストーリーなので本編の流れとは関係なく進むので、登場するヴィラン(敵)たちやサブキャラなど新しい面々も含め、ちょっとお話のとしてはライト感があって物足りないかなと個人的には思ってしまいました。もちろん、出久や爆豪などの主要キャラのバトルがスクリーンで観れるのは嬉しいのですが、日本以外の世界に飛ばすことで世界観に拡がりを与え、アドベンチャー感がでてた今までの過去三作に比べると、本作はダークマイトの描写にこだわるあまり、全体的にこじんまり感が出てしまったのが残念でなりません。。この辺りを顧みると、定番ストーリーながら、毎回新しい世界を提示してくるコナン映画ってすごいなと思わされます。

<鑑賞劇場>TOHOシネマズくずはモールにて


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