ひつじのショーン ムービーフェスティバル with ウォレスとグルミット:アードマンスタジオの地力の高さを伺える珠玉の作品群!
総合評価:★★★★
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)
2023年年末を飾る英アードマンスタジオが送る大人気クレイアニメ、「ひつじのショーン」と「ウォレスとグルミット」の過去作の特集上映。今回観たのはプログラム1、2、4(3については、前に東宝の午前10時の映画祭で観たので割愛)。多分、どの作品も該当作品の公開年にスクリーンで観ていますが、改めて観返してみると、「ウォレスとグルミット」から続くアードマン作品の面白さを感じる鑑賞でした。
アードマン作品を知らない人に少し解説すると、同スタジオの作品群の人気が最初についたのは1989年にニック・パーク監督が、自身の在籍した美術学校の卒業制作として手掛けた「ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー」からスタートします(卒業制作といっても、1982年から製作開始して完成が1988年という長い時間がかかっていますが、、)。同作品が1990年のアカデミー賞短編アニメ作品賞を受賞し、世界各国で公開される中で、日本では主人公ウォレスの声を欽ちゃんこと、萩本欽一が手がけ、人気が出たことを記憶しています(実は、声優も製作Verによって違うんですが)。そして、「ペンギンに気をつけろ」(1993年)、「危機一髪!」(1995年)など、「ウォレスとグルミット」シリーズの続編が作られる中、「危機一髪!」で出てきたひつじのキャラクター、ショーンを主人公にしたスピンオフシリーズが「ひつじのショーン」として2007年よりTVシリーズ化。こちらは台詞がある「ウォレス~」と違って、動物の世界からの見た目線に立って作るをコンセプトにしているため、ショーンを始めるとする動物のキャラクターだけでなく、人間も何か訳わからない声を発する動物として描かれます。
いわゆる言葉としての台詞は一切なしのアニメとして作られているので、まだ言葉を理解できない世代の小さな子どもたち向けとして日本でもマーケティングされていますが、言葉を使わないでドラマや笑いを提供してくれるという意味では老若男女、万国共通に楽しめるアニメになっていると僕は思います。どういう動作が喜怒哀楽を表現するのか、いわゆるコント的な言動が人を楽しませるということをシナリオ作りの段階から研究されているので、アニメ、ドラマという枠だけでなく、例えば、お笑いとかの世界の人や、保育・教育・介護の世界の人にもすごく勉強になる素材なのではといつも感じします。今回観返した中では、「ひつじのショーン ~クリスマスの冒険~ 劇場公開版」(2021年)が改めて今の時代のリズムに合って、スピーディな展開で短い中にもボリュームある面白さが詰まっていると思いました。ショーンは単純にキャラクターとして好きなので、未見な方は1回騙されたと思って見てみてくださいw(下記に、TVシリーズ総集編のリンク張っときますw)
<鑑賞劇場>MOVIX京都にて