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「マーベルズ」:MCUを支える女性陣が活躍するワチャワチャヒーロー劇。エンドゲーム以降ちょっと頭打ちになっているMCUが新たな扉を…

<あらすじ>
規格外のパワーと、不屈の心で地球のみならず宇宙の星々まで守るアベンジャーズ最強ヒーロー、キャプテン・マーベル(ブリー・ラーソン)。そんな彼女の“ある過去”を憎み、復讐を誓う謎の敵が現れる。その狙いは、地球をはじめ彼女が守ってきた全てを滅ぼすことだった。キャプテン・マーベルひとりでは救うことのできない危機が迫るなか、彼女を家族のように慕う敏腕エージェント、モニカ・ランボー(テヨナ・パリス)、そして彼女に憧れるアベンジャーズオタクの高校生ヒーロー、ミズ・マーベル(イマン・ヴェラーニ)と、それぞれのパワーを発動すると3人が入れ替わる謎の現象が発生。これまで単独で戦ってきたキャプテン・マーベルは仲間との運命的な繋がりから足並みのそろわないチームを結成し、新たな“強さ”に目覚めてゆく……。

KINENOTEより

評価:★★★
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)

2008年公開の「アイアンマン」から始まったマーベル・シネマティック・ユニバース(略してMCU)と呼ばれるアメコミ出版社マーベルが生み出すヒーローたちの活躍を描いてきたシリーズ。2019年公開の「アベンジャーズ エンドゲーム」で一応MCU自体は1つの区切りをつけたものの、「スパイダーマン」なり、「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」なり、それぞれのシリーズでも、これまで出演してきた俳優たちも一区切りという形で終演を迎えつつあります。「アイアンマン」で一世を風靡したロバート・ダウニーJrなども、もうアイアンマンとしては再登場することはないと明言しているように、MCUとしては、それぞれの世界観で物語を進めていくことはあるのでしょうが、監督・俳優陣はそれぞれ入れ替わっていく過渡期に入っていくのかなと思います。そのうえで本作「マーベルズ」は、MCUの中ではちょっと活躍の場が少なかった女性ヒーローたち(キャプテン・マーベル、Msマーベル、そしてモニカ・ランボー)が大暴れしていく怪作となっています。

MCUの作品は、MCU自体の大きな流れを掴むことが楽しむ1つの方法なのですけど、もうシリーズも40本近く製作されていて、おまけにTVシリーズも多数出ているので、ずっと追っていたファンでさえ、あれとこれがどうなって、これとこれが知り合いで、、、とか、ヒーロー同士の関係を追えなくなってきています。そういう人たちのもう1つの楽しみ方は、私はアイアンマンとか、僕はスパイダーマンとか、MCUの中での推しヒーローなり、ブラックパンサーシリーズとか、マイティ・ソーに絡むものだけ、と推しシリーズを決めてしまって、そこに関わる人たちだけを追っていくという形もありかなとも思います。ただ、今のMCUはスパイダーマンやドクター・ストレンジたちのシリーズから、マルチバース(並行宇宙)という考え方が出てきて、例えば、同じスパイダーマンだけど、ここはあるスパイダーマンとは違うシリーズということも存在可能にしてしまっているので、日本の時代劇と同じく、悪い奴が出てきて、世界に悪さをするから、ヒーローが出てきて倒しましょうという勧善懲悪的な構造をどれもとるようになってきたので、もはやアメコミらしい雰囲気だけを楽しむということも可能になってしまっている。浅くも楽しめるし、ヒーローたちの関係や世界観を知れば知るほど面白くもなるという、玄人志向な作品にもなってきているのかなと思います。

本作「マーベルズ」は、MCUの中でも玄人好きな女性ヒーローたちと、影からヒーローを支えるエージェントたちを束ねてきたニック・フューリーたちが、これもどこかのシリーズで登場してきたクリー人たちと対立し、その戦いに巻き込まれていくお話になっています。エンドゲーム以降、大きなシリーズものとして話は進まないので、劇はあくまで本作内での対決・単発ヒーロー劇。だからとてもライトに見ることができます。特に、見ものなのがキャプテン・マーベルに憧れてきた高校生ヒーローのMsマーベルと、家族として幼き頃からキャプテン・マーベルを見てきたモーガンという三角関係でお話が進みながら、どこかコメディ調なアクション映画の作り方になっているます。よく言えばライトに、悪く言えばシリアスにならずにホイホイと進んでいく。作品としてはちょっと物足りなくはあるのですが、フューリーのコミカルなドタバタさが他シリーズでは見られないので面白いといえば面白いです(笑。

この物足りなさを埋めるように出てくるのが、エンドクレジット後のサプライズ。。MCUの触れてはいけない(あるいは触れてこなかった)一面についに次回作では手をつけるのか、、、と思いました。これはさてまたMCUが、今後どのような方向に舵を切るのか楽しみになってきましたね。

<鑑賞劇場>TOHOシネマズくずはモールにて


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