「ゴジラ✕コング 新たなる帝国」:米ゴジラは怪獣映画の新たなフィールドへ。コングの役割が板についてきたな、、
評価:★★★☆
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)
昨年(2023年)、日本を席捲した山崎貴監督の「ゴジラ‐1.0」(2023年)。昭和以降のゴジラ映画としては1つの金字塔となった作品になり、先行して登場していたハリウッド版ゴジラ(「GODZZILA」(2014年))は今後どのようになっていくのだろうと思っていましたが、そんな心配は結構杞憂でした(笑)。前作「ゴジラ✕コング」(2021年)では怪獣王の名をかけて、犬猿のゴジラとコングが様々なところで対峙していくというお話でしたが、今作はコングの話が中心となってきて、そこにゴジラが登場するために目を光らせていくという(笑)、よき意味でのバディ・ムービーになっています。
本作を観ていると、今後のハリウッド版ゴジラ(一応、モンスター・ヴァースというのかな)がどのような方向に進むのかが結構はっきりしてきたなと感じました。2017年に公開された「キングコング 髑髏島の巨神」から前作でゴジラと遭遇させ、今作を見ても、どちらかというとコングの描写に力が入ってきて、ゴジラのほうは「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019年)で地上世界の数ある怪獣たちのがき大将的TOPになったことを宣言している(笑)ので、コングは地下世界のほうで新たな自分探しをさせている。こうしたコングと、そして今後はゴジラも含めて、それぞれの物語を交錯させながら描いていくのかなという方向性は見えてきた感じです。
物語はこうやって結構真面目に描きながら、基本的にアクションは怪獣バカアクションになっているので、映画館の設備をフル稼働して堪能できる怪獣ファンには至高の作品になっているとは思います。ただ少し残念なのは、コングの描写で、後半にある仲間たちがたくさん出てくるところがあるのですが、これではちょっと「猿の惑星」感が出てきてしまっていて、ゴジラや今回登場する新怪獣シーモたちが加わってくるまで怪獣映画感が少し希薄になってしまうところが気になりました。あとはモスラかな、、モスラ好きにとってはもうちょっと彼(彼女?)の活躍シーンがあってもよかったかなと感じました。。
<鑑賞劇場>TOHOシネマズくずはモールにて