
「クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」:2024年のしんちゃんは大人気の恐竜モノ。ちょっとお涙狙いなところ丸わかりで興ざめする。。
<あらすじ>
これから始まる夏休みに、ドキがムネムネ~なしんのすけ。そんなある日、世界中が驚くビッグニュースが飛び込んでくる。なんと、現代に恐竜を蘇らせた一大テーマパーク“ディノズアイランド”が東京にオープン。念願かなって特別に招待されたしんのすけたちカスカベ防衛隊は、いざディノズアイランドへ。世界が注目するテーマパークで、恐竜たちとの出会いに大コーフン。折しも、世間では恐竜の大ブームが巻き起こり、まさに恐竜フィーバー。同じ頃、カスカベの河原ではシロが小さな恐竜“ナナ”と出会っていた。夏休みを共に過ごし、“大切な思い出”と“ひと夏の成長”を得るしんのすけたち。しかし、ナナには大きな秘密があった。そんな中、ディノズアイランドから恐竜たちが大脱走する事件が起こり……。
評価:★☆
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)
2024年のクレしん映画は、今も昔も子どもたちに大人気な恐竜モノ。一昔前まではクレしん映画はコナン映画と同じ初夏に公開だったかと思うのですが、昨年の初CG映画「しん次元!クレヨンしんちゃん THE MOVIE」(2023年)も夏休み映画での公開でしたし、どうしてかなーと考えたら、もともと夏休み映画のメインで座っていた「ポケットモンスター」がなくなったからかなと思います(ポケモンアニメ自体は新主人公としてテレビシリーズは続いていると思いますが)。春にドラえもん、GW~初夏にコナン、夏休みにクレしんという形での東宝お得意の分業制が固まってきたかなと思います。
そんな今年のクレしんは「ドラえもん」のそれを彷彿とさせる恐竜モノなんですが、ちょっといろんなことを狙いすぎかなと思います。予告編を観ても何となくストーリーが想像できると思いますが、あなたの頭に浮かんだそのものがお話として展開されます(笑)。ドラえもんの〇ー助と違うのは、タイムスリップで実際の古代からやってくるのではなく、「〇ュラシック・〇ーク」よろしく、人工物として恐竜が作られるという設定になっています。ネタバレ覚悟で言いますが、ナナ以外の恐竜たちは文字通りの人工物として描かれるのは「〇ュラシック・〇ーク」(くどい笑)とは違うところ。まぁ、クレしん映画なんで何でも設定はありなんですけど、なぜここで違いを出したのか、ラストの恐竜たちとのアクションを見てもよく分かりませんでした。
物語として訴えたいのは、そうした人工物の恐竜たちとしたい、本物の恐竜として生まれてきたナナの愛らしさと、ペットとして、生き物として人と共に生きていくことの難しさなどを、シロが野原一家の一員となった物語とクロスオーバーさせて描かれていきます。そこにちょっとしたお涙頂戴なドラマが展開されていくのですが、ちょっと狙いすぎて興ざめするし、せっかく可愛いナナをラストでああいうことにしてしまうのも、ドラえもんの〇ー助と扱いに差がありすぎるのもなんだかなと思います。しんちゃんをはじめとするカスカベ防衛隊の恐竜コスチュームの可愛さや、登場してくる恐竜たちも最新の研究成果を反映した鳥っぽいカラフルさで描かれるのは目を惹かれるものの、、その他の要素は、恐竜好きな僕の期待をだいぶ裏切る出来だったなと思います。。
<鑑賞劇場>TOHOシネマズくずはモールにて