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怠慢エンジニアの勉強しない勉強法 - 技術は「こうしたい」の後にやってくる

「あなたはどうやって学んでいるのですか?」と聞かれた時、人によって回答は様々だと思います。

私はしがないWeb系のITエンジニアです。

だから「めっちゃ頑張って勉強してるよ! 常に情報収集を怠らず、最新の技術について行こうと必死なんだ!」と胸を張って言い切りたいのですが、実際は「努力している」とは決して言えない私の生活。

なぜなら、私の学びは、常に目的や欲求の後に続くものだから。


ということで、今回、日本経済新聞さんの「わたしの勉強法」企画に参加します。

どのように技術を習得しているのか、そして、それがどのように「勉強」から乖離しているのかについて語ってみたいと思います。

――でも、実際のところ、私の勉強法は「勉強しない勉強法」なのです。そんな自分に罪悪感を覚える今日この頃です。

「何を学ぶべきか」の迷走

普段の私のいわゆる「学び」らしき行動には「学び」という言葉がしっくり来ません。だって「学ぼう」と思って勉強することがほとんどありません。資格の取得ですら、実生活にからめるなどして何かしら役に立つものに変換してしまっています。

「こうしたい」という欲求が先にあって、それを実現するための手段として技術が必要になるのです。

プログラミングやデジタルアートについて学んでいると思っていても、それは「学ぶ」ためにやるのではなく、「作る」ために必要だからやっているのです。これが私の中での矛盾した感情で、時に「私って努力していないな」と罪悪感を抱くこともあります。

アニメーションの裏側で

例えば、私が少し前に興味を持ったのはソシャゲやアニメなどに使われているLive2Dという技術です。

YouTube動画で自分の画像を動かしたい。そう思ったのが運の尽きで、いつの間にか、膨大な時間を費やし、私の前には動くイラストが転がっていました。

このようなアニメーションを作る過程で、技術的な知識やスキルが自然に身についたことに気が付きます。

そんなわけで……今私はなぜかLive2Dのモデルを作る技術を持っているのですが、私がこの技術を習得するために特に意識して勉強したことは何もなく、ただ「どうしてもこれを動かしたい!」という思いで熱中し続けた結果です。

自分だけの道を探求する

また、自分のイラスト(いつもヘッダー画像に使っている猫と女の子)を描くのがある日突然面倒になり、イラスト自動生成AIをPCにインストールし、自分のイラストをひたすら学習させるという試みをしたこともあります。

残念ながら、PCスペックやモデルの問題で上図ぐらいのクオリティでしか作れなかったので諦めたのですが……しかし、それも「勉強」ではなく、ただひたすら「楽がしたい」という思いに駆られて行動した結果、技術的な知識が身に付くというプロセスだったのです。

私は1時間の作業を省くためなら、1週間かけてでもやるべきだという効率化に関する固い信念を持っていますが、それにしてもこれは1か月くらい頑張ってしまいましたね。寝てる間に学習させたりして……。

仕事に関しても、あえて時間を取って苦行のように勉強することはほとんどありません。

エンジニアとしてみると怠慢極まりないのですが、欲求を実現するためにあれこれ調整し、必要なら調べながら粘り強く進めていくのが私のスタイルです。

だからこそ、実利も無く興味のないことについて「将来役に立つかもしれないから」というモチベーションで勉強するのは私にとって本当に困難なことです。その結果、不勉強なエンジニアになってしまったのかもしれません。

勉強しないことを主張

たまに同僚から「どうやって学んでいるんですか?」と質問されます。

(よくある質問なんです。エンジニアって生涯勉強だと言われています)

以前、何回も聞かれるのにイラついて「やっているうちにできるようになるので特に何もしていません」と言い放ってしまいました。その瞬間、周りは驚きとも呆れともつかない雰囲気に包まれます。「なんだこのエンジニアの風上にも置けない怠慢傲慢野郎」と思われたことでしょう……。

別途勉強の時間を取って、特に今現在必要ではない技術、知識の習得を試みたこともあります。

でも多少技術的なことを学んでも、実際に業務で必要な時にはその知識が薄れていることが多く、あまり役に立った試しがありません。きっと、私の記憶力が劣っているのでしょう。結果的に、実際に必要な場面で勉強しながら進める形になります。

エンジニアネットワークの重要性

勉強そのものよりも「エンジニアネットワーク」を広げることが重要なのではないかという仮説を持っています。

技術的な壁にぶち当たった際に、専門知識を持った人とのコネクションがあれば、助言を受けることができるからです。

しかし最近は、プログラミングに関してはAIに尋ねることの方が現実的な解決策になっている気がします。

不確かさに挑む勇気

一方、私が通ってきた業界では、誰も使っていないようなマイナー/レガシーシステムなどに苦しむこともあったため、知識の獲得がいかに重要かを痛感したこともあります。

古い技術や職人技が求められる場面には、勉強が不可欠であり、そういう状況では涙を流しながらロボットのように技術書を読むしかありません。

しかしメジャーな技術やプログラミング言語なら、ドキュメントや事例がたくさんあるため、適当に調べれば興味のあることはできてしまうのです。これが、私の「勉強しない勉強法」の根源でもあります。

結論:何事も楽しまないと身に着かない

私の勉強法は怠慢かもしれません。しかし、自分の「こうしたい」という欲求に応じて行動し、その中で技術が身につくこの方法には、一片の美しさが……ある……かもしれません。

もちろん、勉強が重要な場面もありますが、楽しさを感じながら自分のペースで学んで行くスタイルが、私にとって最適だと思っています。少しずつでも、必要性を感じ、興味を持ち続けることが成果につながる最後の鍵なのです。

もちろん、とくに必要性がなく、楽しくなくとも、ひたすら知識や技術を身に着け続けることができる方もいらっしゃると思います。

でも、どうして辛くないと勉強ってした気になれないんでしょう……?

これもただの思い込みなのかも知れません。結局、人それぞれマイペースに学習していけるのが一番いいんだろうな。などとお茶を濁して終わろうと思います。


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