うつで休職した時に役立つお金の話
働けなくなったら、生きていけなくなるのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。
金曜日はメンタルヘルスに関する記事を書くと決めています。
今日は「うつなどの精神疾患で働けなくなったら、金銭的にどうすればいいのか」について書きます。
日本は福祉制度の手厚い国です。様々な救済措置が用意されています。
傷病手当
自営業やフリーランスではない場合(国民健康保険ではない保険に加入している場合)は、手続きすることで、1年6か月の間、今までの収入の2/3を受給することができます。
が、なぜか厚生年金保険料や健康保険料、住民税の支払いは以前の収入分支払う必要がありますので、実際の手取りとしては半分以下になる場合もあります。
受給条件です。以下は協会健保のページからの引用です。
①については難しいところですよね。うつ病の原因は大体仕事だと思うのですが、「不詳」とされることが多いです。仕事が原因と証明できないからです。証明できるなら労災扱いとなり、話が変わってきます。普通に労災扱いにしたらいいのにと思いますけれども今は難しいようです。
②については病院で休職の診断書を作ってもらえば大丈夫です。3千円ほどかかります。
③3日に1度は出勤しているような場合は支給対象外です。もう中途半端に出社せずパキッと休んで治したほうがいいと思います。
④休職した場合に給与支払いをしてくれる企業に勤めている方は対象外ということです。
※なお、退職しても受け取ることができます。退職すると厚生年金から国民年金に切り替えると思いますが、国民年金は免除申請が可能です。無職かつ傷病手当金で生活している場合はほとんどの場合通るでしょう。皮肉なことに退職した方が金銭的には助かります。
自立支援医療制度
通常は3割負担の医療費を1割まで引き下げ、かつ場合によっては自己負担額の上限も1万円くらいに引き下げることができる制度です。
結構面倒な書類を書かないといけなかったり、証明書の発行までに3か月くらいかかりますので、医師に申し出て早めに申請し、その間の薬や病院の領収書を大切に保管しておいてください。発行されるまでの間に支払った医療費の払い戻しを受けることができます。
手続きが煩雑で、病状的に申請が難しい場合があるかもしれません。もしご家族に援助を頼めるなら一緒に申請した方が良いかと思います。自治体によっては郵送申請が可能です。
精神障害者保健福祉手帳
うつ病は適用対象です。初診日から6か月以上経過している必要があります。
取得することで公共料金等の割引、所得税、住民税の控除などが受けられます。
自治体によっては郵送申請も可能ですが、書類の準備が煩雑です。病院に書類を書いてもらわなければならないので、まず相談するところから始めてください。
「障害者」とあることで申請に躊躇するかもしれませんが、見せて歩く必要はありませんし、いつでも返納可能なのでとりあえず持っておくのが良いかと思います。
以下のサイトが分かりやすくまとめています。参考にしてください。
障害年金
障害年金の受給は初診日から1年6か月以上経過している必要があります。初診日に厚生年金に加入しているかどうかで、支給額や対象が変わります。基礎障害年金に加えて厚生障害年金も受給できる仕組みになっているので、厚生年金に加入している方が手厚くなります。
しかしながら、傷病手当金に加えてもらえる訳ではありませんし、障害年金だけで満足に生きていけるほどの金額は受給できないかもしれません。ただ、傷病手当とは違い、就業していても受給できるので、傷病手当期間内に治癒しない場合、障害年金に加えて時短勤務などを行って生活していくことを期待している制度かと思います。
その他の要件などについては以下も参考にしてください。
生活保護
最後のセーフティネットです。
ただし、預貯金が持てなかったり家賃などに制限がかかるので、窮屈かもしれません。障害厚生年金の2級が取れて、勤続年数が長く、元の収入がそこそこ高ければ年金額の方が高いかもしれません。どうしても働けず、障害年金で生きていけない場合は、生活保護で賄うことができます。誰でも生きていくことができます。
手続きは各自治体の福祉事務所の生活保護担当まで出向く必要があります。
最後に
そんなわけで、傷病手当、自立支援医療制度、精神障碍者保健福祉手帳、障害年金、生活保護について紹介しました。
これだけの制度があるので、休職してゆっくり休んでも、大丈夫ですよ。万が一治癒に長くかかっても、なんとかなります。安心して休んでいただければ幸いです。
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