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もしもの時に備えて – ペットちゃんのためのエンディングノート

近年、人間のエンディングノートや終活が注目を集めています。自分の人生を振り返り、最後の準備をすることで家族への負担を減らし、自身の意思をしっかりと伝えるツールとして活用されています。こうした流れの中で、「ペットちゃんのためのエンディングノート」も重要な役割を果たすのではないかと考えています。

人間のエンディングノートが主に財産や医療、葬儀の希望を記録するものであるのに対し、ペット用エンディングノートは、ペットちゃんの生活に直結する情報や緊急時の対応をまとめるものです。例えば、普段の食事内容や好きな遊び、病気の治療方針など、ペットちゃんが快適に過ごすための具体的な内容を記すことが目的です。そのため、家族の一員であるペットちゃんがもしものときに困らないよう、飼い主様の思いを形にしておくことが大切です。


エンディングノートが必要と感じた理由

私はペットちゃんのお別れをお手伝いする仕事を通じて、多くのご家族様が「もっと準備しておけばよかった」と後悔される姿を見てきました。その中でも、ペットちゃんに「ごめんね」と謝りながらお別れをされる飼い主様の姿は特に印象に残っています。

例えば、病気の治療に関しても「ここまで苦しい思いをさせてしまった」「本当にこの子にとって良い選択だったのだろうか」と悩みながらお別れを迎える方も少なくありません。事前にどこまでの治療を行うのか、緩和ケアに切り替えるタイミングをどうするのかなどを決めておけば、病院でもその場の感情で辛い治療を選ぶことなく、緩和ケアに移行できるようになり、その後のペットちゃんとの関係も楽しい思い出を作ることに専念できて「ありがとう」とお別れができるようになるのではないかと思っています。

また、ペットちゃんが亡くなった際にどうすればいいか分からず、急いで業者を探してご連絡いただくケースも少なくありません。中には情報不足のため、悪徳業者に引っかかってしまうリスクもあります。こうした姿を見るたびに、「もっと事前にできることがあったのではないか」と感じています。

さらに、飼い主様がご自身の不在時にペットちゃんが最期を迎えてしまった場合、周囲に多大な心労と負担をかけてしまうことも少なくありません。こうしたことを防ぐためにも、事前準備の重要性を改めて感じています。


実際にあったエピソード

ある飼い主様が精神的なご病気で長期入院されている間、猫ちゃんを一時的に預かっていたご家族様からご依頼をいただきました。その猫ちゃんは、預かり中に突然亡くなってしまいました。

ご依頼内容は一任埋葬プラン(ご遺体をお預かりして、ご火葬した後お寺様の供養塔に納めさせていただくプラン)でしたが、「お骨にも会えないのは辛すぎるのではないか」と感じた私は、ご家族様に提案し、お骨を一定期間保管することにしました。

預かりご家族様は「まさか預かっている間に亡くなるなんて」と深く悲しまれ、飼い主様に猫ちゃんが亡くなった事実をどう伝えるべきか悩んでおられました。そのお気持ちは想像するだけでも辛く、私自身も「少しでも心の負担を軽くしてあげられたら」と思いながら慎重に対応を進めました。

こうした経験を通じて、事前にペットちゃんのケアや万が一の際の対応を明確にしておくことの大切さを改めて痛感しました。


エンディングノートに書くべきこと

1. 基本情報

ペットちゃんの名前、年齢、性別、品種、既往症、アレルギー、ワクチン接種記録、かかりつけの動物病院など。

2. 日常生活の詳細

  • 食事の種類や頻度

  • 好きな遊びやおもちゃ

  • 散歩のルートや頻度

  • 苦手な音や行動

これらを記録することで、急な預かり先でもペットちゃんがストレスなく過ごせるようになります。

3. 治療方針と緩和ケアについて

  • 病気が発覚した際、どこまでの治療を行うか

  • 緩和ケアを選ぶ場合の希望

  • 動物病院への要望や特記事項。

4. 最期のお別れに関する希望

  • 火葬や埋葬の方法

  • 遺骨の取り扱い(手元に残す、供養塔に納めるなど)

  • 飼い主様のご希望を具体的に記載。

5. 災害時の対応

  • 非常用持ち出し品(フード、水、トイレ用品、ケージなど)

  • 避難場所や連絡先リスト。

6. 飼い主様が不在時の対応

  • 預け先の候補

  • 飼育費用の負担方法

  • 次の飼い主様へのメッセージ。

7. 補足として書き足せる内容

  • ペットちゃんの名前の由来

  • どんな性格だったかを記録しておく

  • 好きな場所や特別な思い出。

終活ノート付きの本も市販されていますが、お手元のメモ帳や市販のノートでも構いません。まずは気軽に書き始めてみてください。大切なのは完璧を目指すことではなく、飼い主様がペットちゃんのためにできることを形に残すことです。記録する内容は、必要に応じてご家族様の事情やペットちゃんの個性に合わせて柔軟に追加してください。


私自身の経験から

「まだ早い」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私自身、数年前に大動脈解離という、時には急速な死をもたらす病を患う経験をしました。それまで元気だったのに、突然の病気で緊急入院を余儀なくされ、家族や周囲に多大な負担をかけてしまいました。この経験を通じて、事前準備の大切さを強く感じたのです。


最後に

エンディングノートは、飼い主様とペットちゃんの絆を守るための大切なツールです。「まだ早い」と思わずに、少しずつ準備を始めてみてはいかがでしょうか。

ペットメモリアル ドマーニでは、ペットちゃんのお別れや供養についてのご相談を受け付けております。エンディングノートの作成について気になる方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

詳しくはこちら→ペットメモリアル ドマーニ

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