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ロシア語だった

多くの方は日常よく触れる外来語ってたいてい英語由来でしょう。また、学校の授業もやっていて数千語は覚えている(ことになっている)ので、英語っぽさの感覚もある程度あると思います。

そんな中でふと「ノルマ」て英語っぽくないなと思いました。それでコトバンクを調べたらロシア語から入ったとのこと。

ノルマ
〘名〙 (norma) 各個人や工場などに割り当てられた、一定時間内における労働・生産の最低基準量。第二次世界大戦のシベリア抑留者が、引き揚げてきて伝えた語。
※赤帯の話(1949)〈梅崎春生〉「ノルマはあるにはあったが、〈略〉是が非でもやりとげさせられるという程ではなかった」

コトバンク(日本国語大辞典)より

しかもシベリア抑留者が伝えたとは。そういう言葉もあるんですね。

もう少し例をみようと思い「国会図書館デジタルライブラリー」を眺めたら、戦前でも出てくるけど小説の人名なんかで、上の意味では出てきません(「ノルマンディー」なんかも引っかかるので「のノルマを」で検索)。

ただそれでも「生産目標」のような意味での初出はもっと前に設定してもよさそうです。

ソウェート聯邦年鑑 1931年版
(露西亜事情調査会 編 露西亜事情調査会)1931

ソ聯極東の水産及畜産 (露文翻訳ソ聯極東及外蒙調査資料 ; 第27編) 南満洲鉄道株式会社経済調査会 訳編 南満洲鉄道, 1936
月刊ロシヤ 2(3)(9) (日蘇通信社, 1936-03)

少し面白いのは次のように「配給のノルマが低減する場合」と労働者側の守る生産目標の他に「配布予定量」のような意味でも使われているところでしょうか。

月刊ロシヤ 6(2)(56) (日蘇通信社, 1940-02)

東京外国語大学のロシア語辞典には「規範;規定量」と書かれてるので、やはりそういった意味なんでしょうね。それがシベリア抑留者の使い方からの影響で今の意味に日本語のカタカナ語としてはできたのだろうと思います。

と書いてたらそういう説明がありました(先行研究大事)。

どのタイミングで広い意味での「規定量」の意味が消えたのかを調べるのは少し面白いかもしれません。

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