”心のノート” にメモっとけ ー「宇宙兄弟」を読んでー
僕にはバイブルと呼べる漫画があります。
出会いは高校生だったと思います。
本屋に行くと大好きな宇宙がテーマの漫画がピックアップされてて、その中で僕の目を引いたのがまさに、「宇宙兄弟」でした。
当時発売されていた単行本をまとめて数冊購入して、泣きながら読み進めました。
いつも僕のnoteを読んでる方は既にお察しの通り、僕はとても涙もろいです。ただそれを差し引いたとしても、熱くて泣ける漫画です。
「宇宙兄弟」 あらすじ。
兄は、優秀だが自分の能力を信じられず、ネガティブ思考に陥りがちな青年・ムッタ。ムッタは失業という挫折のさなか、幼い頃に弟と誓い合った夢を取り戻し、「宇宙飛行士になる」という夢をすでに叶えていた弟・ヒビトの後を追い始める。弟の背を追う形で、数々の困難を乗り越えて、宇宙飛行士になったムッタ。ヒビトは日本人初のムーンウォーカーになるも、宇宙飛行士になってからはじめての大きな挫折を経験し兄をはじめとする周囲の人に支えられて、必死に乗り越える。
「俺らは生きて、二人で月面に立とうぜ」
兄は先に行く弟に導かれ、弟が立ち止まった時には兄が優しく背中を押し、二人は「夢の続き」に向かって走り続ける。
ー 宇宙兄弟公式サイト より
「宇宙兄弟」 キャラクター。
兄・南波六太、弟・南波日々人をはじめ数々の個性的かつ魅力的なキャラクターが登場するのが、この漫画の見どころです。
こいつ自分っぽいなとか、なぜか愛したくなるキャラクターが、あなたにも必ず見つかるはずです。
「宇宙兄弟」 名言。
「宇宙兄弟」の核となるもの、それが名言です。本当に数多くのハッとさせられる言葉が出てきますが、子供よりも大人に響くものが多いはずです。
今回は、中でも僕の大好きな言葉を紹介させてください!
ここから長いので前フリは短く行きたいのですが、一つだけごめんなさい。
僕自身もびっくりするくらい熱くなってしまい、3つくらい紹介するつもりが計10個になってしまいました。
でも本当に全部 ”名言 of 名言” です!僕が全力で保証します!
ぜひ、言葉たちから力をもらってください。
それではいきましょう。
■ 第10位 「私の夢は年をとっていない」
【言葉の背景】JAXAの第2次審査に残った受験生の中で、福田は最高齢。周りの候補者との体力の差をどうしても感じてしまう。しかし、少年時代からの夢はずっと変わらず、今も色褪せてはいない。
1つ目から最高ですよね。
夢に関しての名言は多いけど、これはそれらとは少し違って、真っ赤な炎じゃなくて青い炎なんです。でも真ん中には子供の頃に焚いた赤い炎が確実に残ってる。それが伝わってきてじんわりします。
僕はまだ年齢を理由に夢を諦めるほどの歳ではない(と思ってる)のですが、たとえ自分が年をとっても、夢は年をとらないという当たり前のようで誰も教えてくれなかったことを、福田さんが教えてくれました。
■ 第9位 「ちょっとだけ 無理なことに挑戦してこーぜ」
【言葉の背景】悩んで、考えても答えのない事柄がある。そこに気持ちを奪われていては、前に進めないまま ”今” を失っていく。そんな状態を抜け出すには ”今” に集中するしかない。そして、最高のものを手にするためには ”無理” が必要なこともある。
”わかってたけど” がいいですよね。”今” が大時事なことなんて、みんなわかってるんです。でも知らないフリしたり、”今” に集中してるつもりになってたり。
人は本当に悩み抜いた時にやっと「あ、大事なのは今だ」ということに心から気付くんだと思います。そしてその時に初めて、無理なことに挑戦する準備が整う。
六太みたいに「 ”ちょっと” 無理なこと」と口に出すだけで、少し心が楽になる。それが本当にちょっとがどうかなんてどうでもよくて、自分で自分を助けてあげる。
■ 第8位 「仕事が無事に終わった後に ”緩める” ためだ」
【言葉の背景】自らがパラシュートを手掛けた帰還船で日々人らが地球に帰ってくる日、ピコは珍しくネクタイを締め、ヒゲを剃り、ピシッとした姿でNASAへと向かう。日々人らの帰還船のパラシュートが無事に開いた瞬間、ピコはホッと一息をつき、ネクタイを緩めた。
ただただ、かっこいい!!
この言葉を初めて読んだ時震えました。目からウロコってまさに。
ネクタイを何故締めるか、会社員ならみんな考えるこの疑問。ピコさんが答えを教えてくれました。
それから僕は、ネクタイってうんぬんかんぬんって不満を言う同僚には、この言葉を教えてあげてます。すると面白いことにみんな、ちょっと主人公の顔になるんですよね。
■ 第7位 「誰が一番強いか 答えを知ってる奴いるか?」
【言葉の背景】閉鎖ボックスで5人の中から2人を選ぶとき、六太は「じゃんけん」という方法を選んだ。誰が宇宙飛行士になってもおかしくない。他人の弱みを指摘して、非常に切り捨てるのではなく、運に任せることで、この5人の関係を楽しいまま維持したいと六太は願ったのだった。
じゃんけんで決めようって言う人のこと、前までなら適当だなって思ってたけど、この言葉を知ってから、こいつすげーって目で見るようになりました。(もちろん中には適当に言ってる人もいるでしょう)
僕がこの言葉で思ったのは、六太みたいなリーダーになりたい、もしくは六太みたいなリーダーについていきたい、です。
周りをきちんと見て、周りのことを自分のこと以上に考えたから出た言葉。
普通はリーダーって嫌われる要素があるもんなんです。嫌われてなんぼだとも思うし、嫌われることが怖い人は向いてないと思う。でもその嫌われる要素が圧倒的に少ない人間、それが南波六太です。
■ 第6位 「俺の敵は だいたい俺です」
【言葉の背景】NASAの訓練教官・ビンスの敵は、国の予算を有人宇宙開発に使うことに反対する人々、マスコミ、ロボット業界、科学者、そして天文学者らだ。それに対し、六太は衛生やロボットの開発者、技術者も天文学者も、みんな宇宙が好きでやっている ”仲間” ではないか、と反論する。そして、自分の敵は、ただ一人、自分自身だと語った。
自分の敵は自分自身。聞いたことのある名言も、六太が言うから響くところがあります。
一度夢を諦めたけど、どっかで諦め抜けなかった男の言葉だから。
「結局俺でした」六太も分かっていたけど行動に移せていなかった。そして行動に移した後でやっと、あの時の障害は自分自身だったと認めることができた。
認めた人は強い。だからまずは認めることから。
■ 第5位 「「どっちが楽しいか」で決めなさい」
【言葉の背景】閉鎖ボックスでやっと仲間を見つけた六太。その中からどうやって二人を選ぶのが正しいのか。選び方が思いつかず悩む六太は、昔シャロンに言われた言葉を思い出した。この大切な仲間が、楽しいままでいられる方法を六太は必死に考える。
そうです。第7位で六太がじゃんけんを選んだ動機はこの言葉だったのです。
悩んだ時は困難な方を選んできました、誰かがインタビューでそんなようなことを言ってるのを聞いたことがある。そしてそれがかっこいいと思ってたし、人がすごいと思うことだと信じて疑わなかった。
でも違った。違うというのは僕にとってはの話。
僕は「どっちが楽しいか」その物差しだけで道を決めたいと思いました。そしてこの言葉に出会ってからは、そうやって決めてきました。だから僕は今、楽しいです。
シャロンありがとう。
■ 第4位 「俺ん中にあるから」
【言葉の背景】六太は子供時代から、”絶対” なんてないと考え、現実的な答えを選んできた。しかし、日々人は、いつもかる〜く「絶対、絶対」と言っちゃっていた。かる〜く言っていたが、日々人は ”絶対” を本当の ”絶対” にするために、人知れず努力をし、一直線に夢をかなえた。
これも僕本当に大好きで、大好きなんです。僕はどちらかというと六太サイドで、日々人に憧れてるんです。
日々人ってなんの迷いもなく言い切るんですよ。
裏で努力してることはもちろん凄いけど、その前に自分で言い切って自分を追い込むのが凄い。それができるのは、誰よりも自分が ”自分の可能性” を信じてるから。
そしてこの言葉、万能でして、”絶対” の部分を置き換えると自分だけのオリジナル鼓舞センテンスが作れます。
例えば、
「世の中には ”奇跡” はないかもな
でもダイジョウブ
俺ん中にあるから」
疲れて訳分からなくなった時、
「世の中には ”大丈夫” はないかもな
でもダイジョウブ
俺ん中にあるから」
流石になんか笑えて元気が出ました。
■ 第3位 「ゴールすることと しないことの差に比べりゃ」
【言葉の背景】6日間で砂漠70キロを踏破するサバイバル訓練の佳境で、六太は高熱によりダウンしてしまう。同じチームの仲間が手を差し伸べてくれることのありがたさを力に変え、六太はゴールへ向けて自分を奮い立たせた。
僕は知りませんでした。1位以外は意味がないと思ってました。
この言葉に出会うまで。
”諦めるな” をこんなに核心つく言葉で言い換えられると、諦めながら生きてきた大人は思うことがいっぱいあると思います。
「頑張れば夢は叶う」大人は子供にそう言うのに、子供が成長すると「過程じゃない結果が全て」と言い出す。
でも僕はこの言葉が全てだと思う。
だから、大人は順位(結果)に関わらず、ゴール(達成)したことを思いっきり褒めてあげてほしい。
■ 第2位 「俺です」
【言葉の背景】先輩宇宙飛行士・紫三世に、周りの受験生の中で宇宙飛行士に一番ふさわしいのはだれかと聞かれた六太。パーティーでの何気ないやり取りだが、先輩宇宙飛行士たちは、自分たちの直感に従って受験生たちを細かくチェックしていた。
ケンジは優等生で仕事ができる。せりかさんは仕事にかける想いが素敵。それを誰よりも分かっているのが近くで見ていた六太です。だからこそケンジがふさわしいと思い、せりかさんになってほしいと願っています。
それでも、心の底から一番なりたがってるのは自分だと。
いい。正直だから届く。強くまっすぐ届く。
もう一回言わせてください。
いい。結局正直が一番いいってことなんです。
原作に忠実にほろ酔いくらいの時に、誰かこの質問してくれないかなと思うくらいこのシーンへの憧れがあります。
■ 第1位 「It's a piece of cake.」
【言葉の背景】「僕はいざという時、役にも立たないダメ人間です」を英語で言うとどうなるかと六太に尋ねられた時、シャロンが返した言葉。直訳すると「ケーキ一切れ分」という意味だと説明すると、六太は「ケーキ一切れ分の価値しかないあっけないダメ人間」という意味だと解釈する。しかし、本当の意味は「楽勝だよ」。こういうウソなら平気でついてしまうのがシャロンだ。
「宇宙兄弟」名言、堂々の1位はこれでした。僕が一番好きな英語でもあります。
六太のネガティブを気付かれない方法でポジティブに変えてしまう、シャロンという人間の素晴らしさ。
楽勝だよ、日本語で言うのは気が引けても、英語だと言える気がする。
僕は何かに挑戦する時、新しいことを始める時、必ずこの言葉を思い出します。シャロンの顔と六太の顔も一緒に。
そして、「宇宙兄弟」公式ページから、この「It's a piece of cake.」にまつわる名シーンがカラーで読めますので、ぜひ読んでください!
先日母にたまたま宇宙兄弟の話をしたら興味を持っていたので、読んでもらいました。
多少の予備知識は僕から入れていましたが、ほとんど知らない状態でたった数ページ読んだだけなのに、「いい......」って泣いてました。
気になった方はぜひ。(よかったら最初から読んでほしい......!)
かなりの熱量で語りましたが、読んでる方を置いてきぼりにしていないことを願うばかりです。
いつも辛い状況に陥った時には、上記10個をはじめ宇宙兄弟の数々の名言を心の中で唱えるようにしています。
すると不思議なくらい力が湧いて、自分が自分の人生の主人公なんだと思い出させてくれます。
僕にとって魔法の言葉たちです。
みなさんにそのお裾分けができていれば嬉しい限りです。
今回の記事を書くにあたって、「宇宙兄弟」全巻以外に読み返した本がこちらです。本編と合わせておすすめです。