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現場でよくある疑問に専門家としてお答えします!

(5,468文字/個人差はありますが、約9分~14分程で読めると思います)

こんにちは。よこはま発達相談室の佐々木です。
今回は、さまざまな現場の方々とやり取りをした中で「これってよく質問されるな」ということについて書いていきたいと思います。よく質問されるということは、疑問に感じる人が多いということだと思うので。


スケジュールとワークシステムって何が違うの?

自閉症支援を学んでいくと、「構造化」という言葉が出てきます。これは、「環境をわかりやすくしていきましょう」という意味だと、僕は思っています。そして、構造化について勉強していくと、「スケジュール」とか「ワークシステム(最近は、アクティビティシステムと呼ばれています)」という言葉が出てきます。
   
スケジュールは、予定などの見通しを伝えていくための手がかりです。
ワークシステム(アクティビティシステム)は、何を、どれくらい行うのかなどの見通しを伝えていくための手がかりです。
  
どちらも、「見通し」を支えるという意味では共通です。
   
そうすると、「この二つの違いがよくわからない」というご質問をよくお受けします。これは写真などがない中で伝えていくのは難しいのですが、端的にいうと次のようなイメージです。

  • スケジュール→これからの予定や行き先を伝えるもの

  • ワークシステム→行った先で、何をするのかを伝えるもの  

保育や教育現場だと、
・スケジュール→朝の会
・ワークシステム→1.ご挨拶、2.出欠確認、3.お歌、4.予定の確認、5.朝の会おしまい
のような感じです。

   
他の場面だと、
・スケジュール→お手伝い
・ワークシステム→1.テーブル掃除、2.クイックルワイパー、3.おしまい
というイメージです。
   
もっと皆さんが経験したことのあるものでいくと、
・スケジュール→時間割
・ワークシステム→その教科でプリントを何枚やるのかを伝える
みたいな方がイメージしやすいでしょうか。
   
仕事の場面でいくと、
・スケジュール→10:00会議、11:00データ整理、12:00昼食
・ワークシステム→会議の議案(1〇〇、2〇〇)、データ整理では、お昼までにどのデータを、どこまでまとめてほしいのかを伝える
ということになります。
   
いくつか例をあげて見ましたが、どうでしょうか?
ASDの方々の支援では、「見通し」が一つのキーワードになってきます。
  
一口に「見通し」と言っても、「予定だけ伝えればいい」という単純なものではなかったりします。その時に「スケジュール」や「ワークシステム」という切り口があると整理がしやすくなります。これらをどう伝えると伝わりやすいのかはケースバイケースですが、こうした2つの視点を持って、「どっちも伝えられているかな?」と思ってみるのかいかがでしょうか。

相手とのやり取りをどう教えていく?

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