見出し画像

対応する際に意識していることー支援の瞬発力

(5,203文字/個人差はありますが、約8分~13分程で読めると思います)

こんにちは。
よこはま発達相談室の佐々木です。コラムの更新が遅くなりました(本当は週末に更新したかったのですが…すみません)。

今回は、現場の方々とやりとりをする中で感じたことなどを書いていきたいと思います。


完璧にやろうとしない

熱心な現場や支援者であればあるほど、「きちんと構造化したい」となることがあります。これは、最初から「絵カードをきちんと作らないと」とかそういうイメージです。
  
もちろん、それはそれで良いのですが、僕としては「作り込むことよりも、まずは確認をすること」を大事にしています。例えば、よくあることの一つに「この写真カードでわかるのかな?」と議論になることがあります。そうした時に助言を求められることがあるのですが、多くの場合「やってみないとわからないのでは?」とお返事をしています。もちろん、そこで議論することで答えが出ることであれば議論に時間を使う方が良いでしょう。
   
でも、答えが出ない(限りなく答えに近い考えまで辿り着いたとしても、実際に試していない限りは推測の域を出ない)ことを、「あーでもない」「こーでもない」と話し合うのは少しもったいないなと思います。
   
ですから、まずは試す。それで、手応えを確認して、必要に応じてアップデートしていくという瞬発力が大切です。一緒に実践型のセミナー(当事者の方にご協力いただいて、その場でアセスメントから支援の組み立てまでを一緒にする)をしたりすると、皆さん本当に一生懸命に取り組んでくれます。写真を使ってみようとなれば、カメラで撮って、プリントアウトして、ラミネートまでかけてから切ってくれます。でも、ここで知りたいのは「写真がわかるかどうか」だったりすると、ラミネートをして、それを綺麗に切るというのは、その段階では優先順位が下がります。なぜなら、「写真がわかるかどうか」に関して直接的に影響はないからです。
   
そうであれば、そこに時間をかけるのではなくて、まずは写真を撮ってそれをプリントアウトするというだけでもいいわけです。そこで、写真の理解は難しそうだと思えば撤退しますし、写真は有効に使えそうだし、今後も使っていくだろうとなれば、そこで初めてラミネートをかけて継続的に使いやすいようにしてもいいわけです。
   
こんな風に「完璧にこなす」ことよりも(そもそも何が完璧なのかわかりませんし、どこまでいっても結局は試すしかない)、早めに確認をして、次に生かすことに時間と労力を割く方が良いのではないかなと思います。   

「まずやる。とにかく行動を。そして、うまくいかないことは続けない」

これが僕が大事にしていることです。

先日、ある場所で2日間のトレーニングセミナーのトレーナーをさせていただきました。僕の他に2人のトレーナーがいたので3グループでの実施でした。周りから見ている方々には、「それぞれにカラーがあって面白かった」と言っていただき、特に僕の特徴は「その場でどんどん変えていくことと、そのスピードが速い」だったそうです。良し悪しではなくて、こんなにどんどん変えていくのはあんまり見たことがなかったから新鮮だったという意味のようです。
   
それは、僕が教えてもらってきたことの一つに「よく観察する。そして、うまくいかなかったらすぐ変える」というのがあり、そうしたことを実践するようにしています。
   
これは、自分ならうまく対応できるとかそういうことを言いたいわけでも、自慢したいわけでもなんでもありません。むしろ、日々の対応がうまくできているかどうかもわかりませんし、うまくいかないこともしばしばです。
  
だからこそ、「うまくいかないことは続けない。ご本人たちにわかるように情報を変える」といことを大切にしていきたいものです。 

できていることをそのまま生かす

ここから先は

3,396字 / 1画像

共通プラン

¥980 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?