
「今できること」。その積み重ねが子どもの自信に
よこはま発達サポートルームの言語聴覚士の安藤です。
本日は、「ご本人の得意なこと」そして「1対1で学んだスキル」を活かしながら自立課題へ取り組んでいるケースについてのご紹介です。
よこはま発達サポートルームでは、先生と一緒に新しいスキルを学ぶ「1対1」、お子さんが一人で課題に取り組むことで達成感や自尊心を育む「自立課題」の時間を設けております。(その他にも、おやつや休憩の時間もあります。)
自立課題の設定はこのような感じです(あくまで、「このお子さんの場合は」です)。

自立課題の場所では、1対1で学んだ「左側にある棚から課題を取り出し、終了した課題は、右側の終わり箱(フィニッシュボックスと呼ばれています)に入れる」一連の流れをお子さんにひとりで取り組んでもらっています。
今回は、ご本人に合わせたスモールステップにて約1年間かけて学んできたスキルを活かしながら、新しい課題へ取り組んでいるAさんについてご紹介させていただきます。
子どもの得意を活かす
Aさんの特徴の1つとして「目で見て理解する」ことが得意であったため、まず初めに視覚的な手がかりを活用すること、そして、課題を通して達成感を感じ、視覚的な手がかりがご本人にとって便利なものとなることを目的とし(写真1)の「完成見本」を用いた練習からスタートしました。

見本と同じ物を作ることが定着してきましたので、次のステップでは「めくり式の手順書」を活用する練習に移行しています。始めは「手順書の順番に沿って進む」練習からスタートしましたので、スタッフが手順書をめくり、Aさんには課題に取り組むことのみに集中してもらいました。

「楽にできる」ように
その後、自分でめくる練習をスタートした際に、ラミネートされた手順書をめくることが難しく、諦めてしまうご様子であったため、手順書1枚1枚にプラスチック製の板を挟むことで厚さを出し、ひとりでめくることができるように修正を行いました。(写真3)

活動の発展を
その後も、めくり式の手順書を活用した課題を1対1で練習していくなかで、Aさんが好きな数字が記載されている手順書であることで、モチベーションへ繋がるだけでなく、「1ばん、2ばん」とご自身で確認を行いながら進められることが分かったため、数字も一緒に記載する手順書と変更しました。

手順書に加えて、数を数える練習も学習している時期でしたので、ポテトが好きだったこともあり(写真5)のような課題を用いながら、数につきましても練習を重ねました。

そして、様々な課題に取り組んできたAさんが現在、取り組んでいる課題がこちらです。Aさんが好きなトミカを題材とし、手順書の扱い方で学んだめくり式、そして、数を数える課題を融合した課題にも自立的に取り組むことができるようになりました。

まとめ
1対1で練習してきたことが初めて自立課題でも取り組むことが出来た際に「せんせい!(Aさんのお名前)もできたよ!」「あってるよね!」と達成感に満ち溢れていた笑顔がとても素敵で、私までハッピーな気持ちにさせてもらいました。
このような素敵な時間を重ねていけるように今後もお子さんにとってハッピーな体験を心がけてまいります。
最後までお読みいただきありがとうございました。