「雲のむこう、約束の場所」を見た②-青少年、浩紀と拓也-
前回のつづきです。
青少年を複数登場させて、その関わりあいを見ることで全体を通して多面的で不安定な「青少年像」を示しているような作品って結構多いと思っているんですが、この作品でもすごく感じました。
序盤、中学生の頃の、女の子を意識するが何かアクションを起こすわけでは無い感じが見ていてすこしくすぐったくなるような感じがする。中学生ならではのあの空気感、多かれ少なかれ誰しも経験するものだよなあ。
高校に進学後の、初恋の思い出に囚われて心ここにあらずな浩紀くんも、そんな彼を見て無性にイライラして「いつまで子供っぽいこと言っているんだ」的なことを言ってしまう拓也くんも、中学とはまた違う思春期真っただ中さが見られて良い。ぐるぐる悩むような思考は止まらないのに、大人に近づく中で気持ちや考えをある程度整理していたいという意識もあるのが高校生ぐらいの思春期だと思う。もどかしさと矛盾が一層増した2人のすれちがい・ぶつかりから、終盤の和解まではリアリティを持って楽しめる。