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受験の先にある未来へ。私が学んだ人生の選択肢

何を書こうかと考えていた時、noteからテーマ案が送られてきました。そこで今回は、高校生でアメリカから日本へ帰国した私の経験を踏まえ、大学受験、特に浪人時代について振り返ってみようと思います。

私は帰国子女枠での高校受験と一般枠の大学受験を経験しましたが、どちらも内容が濃く、一度には書き切れません。そこで、この記事では浪人時代に焦点を絞ってお話しします。


結論から言うと、浪人生活は決して楽ではありませんでした。中学生まで勉強を趣味のように楽しんでいた私ですが、高校生で日本に帰国した途端、勉強がとてもつまらなく感じ、やる気を失いました。アメリカで教育を受けた私は日本の受験制度が根本から理解できず「何のために勉強してるんだろう?」と足踏みをしていたのも事実です。そのまま受験期を迎えた結果、浪人することになったのです。

◆帰国後に感じたギャップと「脱線」

帰国子女として多くの経験を積んだ私ですが、高校卒業まではいわば「順調なレール」の上を進んでいました。バイリンガルとして帰国し、都内有数の進学校に合格。「次は何を目指すのか?」と周囲の期待が高まる中で、私はそのレールから外れてしまいました。

浪人自体に抵抗はありませんでした。両親も、今まで失敗を知らない私に楽観的だったように思います。また、周囲でも浪人が一般的だったため「浪人」という決断に特別な恐れや抵抗はありませんでした。

しかし、実際に浪人生になってから、「自分は社会的ステータスのない存在なのでは?」という不安を感じることもありました。浪人という立場は、言い換えれば「免許証や学生証のような身分証を持たない状態」で、社会から必要とされていないのではないかと考えすぎてしまうことがありました。この不安感は、海外でパスポートをなくしたかのような心細さに似ているのかもしれません。

現実からの目そらし

私が浪人した理由は高校の同級生がちらほらこぼしていた「難関校を目指すため」ではなく、実際には「勉強についていけなかったから」でした。現実を直視することを避け続けた結果、浪人という道を選ぶことになったのです。振り返ると、それまでの順調な人生がかえって自分の未熟さを露呈させていたと感じます。

◆浪人時代の支えと成長

浪人中、勉強にやる気を取り戻せたのは周囲の支えがあったからです。ここでは、特に大きな影響を与えた要素を紹介します。

素晴らしい先生との出会い

英語は得意でしたが、国語は苦手分野。それでも評判の良い先生の授業を受けたことで、多くの刺激を受けました。また、数学に関しては個別指導をお願いし、高校の同級生の先輩である先生から、一から丁寧に教わりました。この先生のおかげで、当初は不安だった数学が自信につながり、私大の受験では余裕を持って取り組めるようになりました。

勉強習慣の確立と反復練習

私は自宅では集中できないタイプだったため、予備校の個室ブースを利用して、毎日朝から晩まで自習をしました。自分の席を確保するために一番乗りを目指して並びにいきました。「毎日同じ場所に座る」「決まった時間に勉強を始める」ことを徹底することで、自然と効率的に勉強する癖がつきました。

残念ながら天才ではないので、他人より努力しなければ成果を出せないと信じています。特に数学に関しては、私大志望でしたが国立大のテキストを利用し、徹底した反復練習を行いました。よく「3,4回テキストを繰り返し解けばよい」と言われますが、私は「3,4回、すべてミスなく解けるようになるまで繰り返す」を目標にしました。完全に自分のものにするまで解き直した結果、数学は一番自信がつきました。

周囲の仲間と支え合う

浪人時代に出会った大切なお友達との交流も大きな支えでした。毎日一緒に昼食をとり、息抜きに公園でバトミントンをしたり。これらの時間が、受験生活における心の余裕を生んでくれました。

家族の支え

精神的にも経済的にも、私を支えてくれたのは家族でした。どんな状態の私であろうと、両親は私のことを最後まで信じ続けてくれました。ネガティブなことを一切言われたことがなく、ただひたすらに信じて待っていてくれた両親には、今でも深く感謝しています。

浪人生活は長く、決して順調とは言えないものでしたが、私が遠回りをしていても両親は焦らず、私のペースを尊重してくれました。また、経済的な支えもずっと続けてくれました。「こんな子を産んだら大変だ!!」と母親になった今の私は思うほど、大きな愛情を注いでくれた両親。この経験を通じて、「一生かけて親孝行をしよう」という思いが強くなったのも事実です。

◆浪人を経て得たこと

浪人生活を通じて得た最大の教訓は、「地道な努力を続ける力」の重要性です。私は最終的に、予備校でトップ成績を収め、第一志望の大学に合格することができました。しかし、それ以上に大切だと感じたのは、「自分の弱さを認め、それを克服する方法を模索する時間」でした。

また、両親をはじめとする周囲の人々の支えにどれだけ助けられてきたかを実感したことも、私の人生にとって大きな財産です。特に、いつも私を信じて見守り続けてくれた両親への感謝の気持ちは、今でも変わらず大切にしています。

学び(もう一度人生をやり直すなら…)

受験期の経験を振り返り、もしもう一度やり直すならこうしていたいと思うことがあります。

  1. 自分に合った無理のない進路選択
    高校在学中に、自分の実力に合う進路を早めに決めておくことが大切です。当時はぼーっとしていた私ですが、実力をしっかり受け止めて地道に努力すれば、希望以上の結果が得られると思います。

  2. 支えとなる人を作る
    受験期は孤独を感じがちですが、お友達や家族、先生といった相談相手を作り、悩みを共有することが大事です。私は一人で抱え込みがちでしたが、疲れを感じる前に誰かに話すことが重要だと気づきました。

  3. 息抜きを忘れずに
    精神的に追い込まれると、どこかで爆発してしまうことがあります。息抜きの時間を作り、心身をリフレッシュさせることが、長い受験期間を乗り越える鍵です。私は一人でカラオケに行ったり、ビルの屋上庭園で一人で読書をしたり…と、自分がワクワクするような好きなことをしてストレスを発散していました。

長い人生!回り道も時には必要

受験の結果がどうであれ、人生においてはただの通過点でしかありません。大学も一つの手段に過ぎません。「人生で何をしたいのか」が最も大切です。海外では「ギャップイヤー」と呼ばれる、勉強や仕事を一時的に中断して他の経験が当たり前の国もあります。勉強だけが人生ではありません。

冒頭では浪人経験を「脱線」といったネガティブな表現を使いましたが、得られた多くのことを挙げた通り、振り返るとそれは必然的な回り道だったと感じています。だからといって浪人を勧めるわけではありませんが、もし今、やる気が出ないのであれば、少し立ち止まって自分を見つめなおすことも一つの方法かもしれません。長い人生には、時には休むことや自分をリセットする時間が必要です。

◆最後に

競争社会の中で、日本ではまだ「学歴」が重要視されることも多いですが、学歴だけがすべてではありません。自分に合ったスキルや特技を見つけ、それを磨き活かすことで、社会に貢献できる道は広がります。日本の未来のために、そして自分の未来のために、ぜひ頑張ってほしいと思います。応援しています!


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yayko@アメリカ🇺🇸【海外/子育て/帰国子女】
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