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今考えたい、一緒に働く人のこと(ありのままを信頼し、尊敬しあう組織に向けて出来ること)

今、非常事態の環境下でテレワークをされている方も多いと思います。仕事の人間関係にもじわじわ影響がでそう。そこで、改めて一緒に働く人との関係について考えてみました。

今まで当然の様に会えていた人と会えない環境、パソコンやスマホ越しでしかやり取りできないこの時期、一緒に働く人について思いを巡らせてみましょう。この時期だからこそ見直したい事があるように思います。


心理的安全性の手前にあるもの

組織で働く人の大半は何らかのチームに属しながら仕事をしていると思います。願わくば良いチーム環境で働きたいものです。

「良い」の解釈は人によって異なります。私が考える「良いチーム」は、「長期的な視点で見て、そのチームに所属してよかったと思えるチーム」と捉えています。未来の自分が振り返って、「あのチームにいたから今がある」とココロから思えるようなチームに属していたいし、そんなチームを作りたい。

「一人では越えられないハードルを、個々人の強みを活かし、弱みをカバーしながら克服し、個人も組織としても成長できるチーム」。これが私の理想です。

先日、noteでも「なぜ弱みを見せあえる組織が強いのか」について考えを整理しました。

この中でDDO(発達志向型組織)と、心理的安全性という2つの概念に触れました。いずれも重要な考え方であるけど、それらを構築する上で必要な「素地」があると思います。それは「相互信頼」。信頼がなければ、心理的安全性も担保されず、弱みを強みに活かしていく発展的行動は生まれないでしょう。

良いチームを創る上での入口はこの「信頼」であると思うのです。では、その信頼はどこからやってくるのでしょうか?

信用と信頼は違う

「嫌われる勇気」で一大ブームとなった心理学者アドラー先生は「信用」と「信頼」の違いを説きます。

信用:条件付きの信頼

信頼:無条件の信頼

例えば信用は、依頼に対して期限までに仕事を完了できなかった時に「もう貴方には頼まない」というスタンス。信頼は「その失敗から学び次はしっかり頼むよ」というスタンス。信用と信頼は似ている言葉ですが、大きく違います。

「相互信頼」ができているチームとは無条件にお互いを信頼できている関係。これは言うのは簡単ですが、実際のところは難しい。仕事には条件や約束があり、それに応え合うことでビジネスは成り立っています。信用と信頼が入り混じった中で関係ができているのが実態。そんな中でも「信頼のウェイトが大きい組織を目指す」というのが重要なのだと思います。

この信頼を置く上で「尊敬」という言葉にも触れておきたいと思います。尊敬という言葉は下の人間が上に向けて敬う感情のように思いがちですが、実は違います。尊敬は英語で「respect」。この単語の成り立ちは

respect(尊敬)=re(なんども)+spect(視線を向けて注目する)

つまり「いつもあなたのことを見ている」という意味。上から下からという目線の上下は関係ありません。また、先日この単語の定義で、とてもしっくりくるものに出会いました。

【respect】
その人のありのままの姿を見て、その人が唯一無二の存在であることを知る能力のことである。(独心理学者 エーリッヒ・フロム)

「ありのまま」という言葉と、「唯一無二の存在」というところが素晴らしい解釈です。

人間は誰しも不完全ですし、何歳になっても成長途上だと思います。強みもあれば弱みもある。それらをすべて包含して「価値ある存在」として受け止め合う。そんな組織のことを「相互信頼」できている組織というのではないでしょうか。


尊敬は「見る・見せる」から

尊敬は「ありのままの姿を見る」ことが前提です。そして尊敬し合える関係こそが、無条件に信頼を置ける関係を築くのだと思います。この「見る」という行為、意外にできてなかったりしませんか?

他部署の人達がどんな課題に取り組んでいるか知らない。隣のチームが直面している問題を知らない。同じチームメンバーでもみんなが今何に悩んでいるかを知らない。

冷静に考えると、毎日顔を合わしているメンバーですら、知らないこと多くないですか?仕事だけでなくプライベートのことも含めるとなおさら。「仕事とプライベートは別」「プライベートまで立ち入る必要はない」といった意見もありますが、ブラックボックスを抱えたメンバーを無条件に信頼できるでしょうか?

相互理解とはいわば苦楽を共にする「Family」になるということかと思います。家族でも見えない壁を感じることもありますが、「家族の様につきあう」というスタンスを持つことで、無条件に信頼し合う関係に一歩近づくのではないかと思います。

そして「見る」だけでなく「見せる」ということも大事。相手にオープンスタンスを求める前に、自分がオープンになることから。例えば、メンバーに個人的な悩みを相談してみるとか。自分が苦手だと思っていることを素直に伝えるのも良いでしょう。こうした小さな一歩から「相互信頼」の土台ができていくのだと思います。

まとめ

一緒に働くメンバーは、空気のように感じがちですが、実は有限です。チームとは戦略に沿う組織であり、その戦略は時代や業界の置かれた環境で変化します。チームはある時発足し、最終的には解散します。

「今のメンバーと働ける時間は有限である」

そう思えば、もっとできること、もっとやりたいことが芽生えてくるのではないでしょうか。今一度、一緒に働くメンバーについて思いを巡らせてみてください。「このチームで働けて良かった」と将来の自分が思えるよう、今できることを考えてみましょう。

respectという言葉の意味を見直し、メンバーをよく見る、そしてメンバーに自分を見せる。今まで見せて来なかったあなたのプライベートな一面をオープンにするところから、相互信頼できるチームは生まれるのかもしれません。

そして、このテレワーク主体の今の環境では「文字」と「声」が大切。丁寧にコミュニケーションをとって、相互の信頼関係を築いていきましょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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やわらかメガネりょう
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