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幸せホルモンは電波でも届く。今思う、家族のこと(オキシトシンとの上手な付き合い方)
最近、母との会話が増えた。父は既に他界し、一人で暮らす母は、この時期どうしても心配。と言うわけで、電話やLINEの頻度が増えた。
非常事態宣言が出る前に比べて、結果的にかなり親密度が上がっているように思います。それはそれでよかったかなと。コロナの副産物の一つですね。
この「家族との絆」を考える時、「何をもって人は幸せを感じるのか?」について考えをまとめてみたいと思います。
ホルモンが幸福感を左右する
最近よくテレビやネット、書籍で見る「幸せホルモン」という言葉。これは脳内ホルモンの一種。脳内に分泌されるホルモンや神経伝達物質の総称で、人間の脳には100種類以上の脳内ホルモンが分泌されています。中には人の感情や意欲に大きな影響を与える物質も存在します。
数あるホルモンの中でも「幸せホルモン」と呼ばれる代表的な物質は3種類。
・セロトニン
・オキシトシン
・ドーパミン
この中でも、安らぎを与える幸せホルモンが「オキシトシン」です。家族間で感じる幸福感はこのオキシトシンが非常に重要な役割を果たします。
オキシトシンは「幸福感を与える」「社交性を高める」「不安や恐怖心を和らげる」などの効果があり、ストレス軽減や免疫力アップも期待できるといわれています。
オキシトシンを増やすには?
オキシトシンの増やし方で知られているのがスキンシップ。
このオキシトシンを活かしたヘルスケア手法に「タッチケア」があります。マッサージオイルを適量手につけて、ハンドマッサージを行います。マッサージの効果よりも、「人に触れられている→安心感」という心の作用からオキシトシンが分泌され、様々な効能が期待できます。
毎日リウマチの痛みで、まともに歩くことが出来なかった方が一日10分間、背中をさすってもらうタッチケアを受けて、痛みが軽減され楽に歩けるようになったというケースもあります。
認知症で徘徊や家族への乱暴な言動が酷かった人に対してもタッチケアで改善したケースはあり、タッチケアとそれによるオキシトシンの効果は非常に注目されています。
ではオキシトシンを増やすために「触れる」事がマストなのでしょうか?
最近の研究で、触れなくてもオキシトシンは出る、という事が分かってきました。
離れた場所でもオキシトシンは出る?
非常事態宣言の環境下ではなかなかスキンシップもしにくい環境です。そんな中でも効果的にオキシトシンを高める事ができます。
オキシトシンは目を見る、手をつなぐ、ハグをするが有効とされてます。全て「触れられるほどの距離にいる」事が前提ですが、最近の研究でその場にいなくてもある事で分泌される事がわかってきました。
それは「声」。
例えば、大勢の前で話すなど緊張するシーン、失敗が許されない試験の前など、高いストレスがかかる環境で親や信頼できる友人などと「電話で話をする」だけでもオキシトシンは分泌され、ストレスを軽減する事ができるのです。
オキシトシンを増やす意外な方法
スキンシップ、さらには声でオキシトシンが増える事がわかりました。それ以外に増やす方法があります。それは「人にやさしくする」という手法です。
オキシトシンは「思いやりホルモン」とも呼ばれます。それは、相手を思いやって何かを分け与えたり助けたりすることでも分泌されるためです。
2017年にイギリスの研究チームがある発見をしました。それは、普段は食べ物を分け合う習慣のないチンパンジーの中でまれに分け与えることがあり、その直後体内でオキシトシン量が増加していたことが判明したのです。
この結果は、人にプレゼントしたり、親切にしたり、助け合ったりすることで体内のオキシトシン量は増やせる事を教えてくれます。
スキンシップのマッサージやタッチケアは効果的ですが、実は、マッサージを受けている側よりも、施術している側の方が多くのオキシトシンが分泌されます。これは「相手を癒やしたい」という思いやりの心が、結果的に施術している人のオキシトシンを増加させるのです。
幸福感が足りないと感じたら、人にやさしくすることで良い効果が期待できます。
まとめ
家族や大切な人の幸せを考える時、幸せホルモン「オキシトシン」に注目してみましょう。
オキシトシンを増やすには、ベストはスキンシップですが、声や目を合わせる事でも分泌を促す事ができ、それは「オンラインコミュニケーション」でも可能です。
もうGWに入られた方、明日から入る方、様々かと思いますが、今年は例年のように里帰り出来ないケースがほとんどかと思います。そんな中でも、遠く離れた大切な人と互いに気持ちを届けて、お互いのオキシトシンを増やす事で、安心感、幸福感を高める事ができます。
電話をしましょう。できればFaceTimeやLINEのビデオ通話、大勢の友人とならzoomを使うなど、「声」と「目と目を見る」工夫をするだけで、相手を癒す効果は格段に上がります。
そうした会話を通じてお互いのオキシトシンが分泌されます。抗ストレス効果、免疫力向上につながり、コロナウィルスの感染予防にもきっとプラスに働くはずです。
そして、何よりも「相手を思う」こと。
それは家族友人に限らず、人に親切をするという意識が大切です。そうすることで、親切にされ方も幸せになりますし、あなた自身にもオキシトシンが分泌され幸福感に包まれます。
例えばスーパーやコンビニで買い物をする時に「ありがとうございます」、レストランで「ごちそうさま」と店員の方に伝えたり。ご高齢の方に席や道を譲ったりするなど、相手が優しさを感じられる思いやりの行動をとる事で、オキシトシンは増えます。
ありふれた日常の中にもオキシトシンを高める工夫は色々できそうです。
今できる工夫をして、自分も、周りも幸せにしていきましょう。
皆さんにとって、素敵なゴールデンウィークになりますように。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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