みちくさ/菊池亜希子
たとえばソファーに座ってぼんやりと思い浮かんだことを話していくような
そんな無理をせずに柔らかく心地良い気分になれる文章を読みたくて
みちくさのページをめくった。
菊池亜希子さんの文章が好きだなぁと思う。
みちくさ。
目的なんてなくふらりと歩いた道。
様々な土地の事が書いてあるのだけど
観光案内のようではなく
その目で見て感じた事や感情にまつわる想い出が飾り気のないまま率直に書かれてあり
みちくさ。というタイトルが似合う。
町の事をテーマにすると
ついつい正しく伝える事に
囚われてしまうような気がするけれど
その人が辿ったその町が描かれており親しみが湧いてくる。
柔らかく押しつけない文章の中に
意志や思考を感じる。
大切にしているものは
強く主張しなくても伝わるものなんだなぁ。
その人の言葉が聞ける事が嬉しい。
ソファーに座ってゆっくりと読んだ。
あっという間に読み終わっていた。
日常の中のささくれが、いつの間にか丸くなっていた。
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