徳久 望/Nozomi Tokuhisa
例えば夕暮れのベランダで。例えば眠れない夜の窓辺で。例えばあなたの隣で。弾き語り。
写真。映画のワンシーンのような日常のキリトリ。
写真と言の葉。どこかにある物語。
心が柔らかくなる瞬間を。文章と写真にて。日常の中に生まれる感情や心について考える事。何気ない風景にある「特別」のキリトリ。
あの世に旅立った人が遺したモノの中にいる時、この世は、ほとんどあの世の顔をしている。 この世に居た人があの世に居るなら あの世の方が知っている事が増えていくような気がする。 星の中身が変わっていく、代わっていく。 そうやって星はワープをしている。 そんな事を考える。 あの世に持っていけるものが、無いのではなく、あの世から持ってきたものをこの世に遺していく事なのだと思う。 あの世にいってしまった人達が この世に遺したモノの中にいる時 ふっとそんな事を思った。
誰とも話したくないなぁ。って事を 誰かに聴いてほしいと思うような矛盾。 そばにいることが、言葉になる。 きっと人は何にでもなれる生き物。 そんな事を人を想う時に思う。 今だれを想って生きていますか? 心の真ん中に あなたがいる。 それだけで救われる瞬間の名前をまだ僕は知らない。
空を”から”と読んだ人がいる深さに 堕ちて行きそうな感覚になった空。 たとえば そんな感覚が隠れている。 たとえば空に。 見逃していた。 こんなにありふれたものなのに。 自分の手で取る事ができなかった。 いや手に取れると思ってる事が間違いなのかもしれない。 そんなふうに空を見上げる。 手を伸ばして掴んでみる。 そこには何もない。 “から”だった。 だから 空を掴んだと思ってみる。 それが空かと思う。 「空ってどこから空なんだろうね。」 そんな風に 制服を
寒いなぁと羽織るアウターに安心する。 そうやって満たされるものがあること。 例えばそんな事を忘れてしまう。 知っている事を何度も確かめる。 何度でも安心出来るものが日常。 そういうものをひとつひとつ知りたい。 その声に耳を澄まして識りたい。
健康は病を含む力がある。 そんな言葉を読む雨の日の午後。 矛盾してるような言葉が腑に落ちる。 雨音を歌と口遊む人がいる。 そんな事を想いだす雨の日の午後。 だとしたら 健康は、エネルギーに似ている。 病名のない気怠さ。 身体が健康だからって。 心が健康では、なかったりもする人間の危うさ。 健康は、病をも含む力を持つ。 矛盾してるような言葉がすっと馴染む。 雨音を歌う口遊む人がいる。
手が届かないものは、手を伸ばしてるもの。 でも本当は手は、差し伸べる為に使うもの。 それをいつも見誤ってしまう。 飛べない人間は、手を取り合うしか飛ぶ方法がない。 なんて。 そもそも人は飛ばなくていい。 歩いてゆく一歩を立ち止まる時の空を。 雨の日の匂いを。 風に拡げる手のひらを。 ちゃんと感じていたいと思う。
ここがどこなのかどうでもいいことさ。 どうやってきたのか忘れられるかな。 頭の中にメロディ。 心の引き出しからトコトコとやってきた。 恋は桃色。という歌。 思い出す歌に心情。 どうやってきたのか忘れられるかなって。 そんな事を歌いたくなる瞬間がこの世には、あるらしい。 そういうものに出逢いたい。 今この瞬間も いろんな感情がこの世界には、溢れているみた
好きと嫌いの数が愛してるを創っていくような気がする。 それならいっそ嫌いのままで終わりたい。 それを人は愛してると云う。 ひとひとりに何度も感情が行き来する。 その航海が星を縫う。 そうやって夜空に意味が、言葉が、歌が生まれてしまう。 それを世界というと教える君が、大嫌いです。
紫陽花。とか。金木犀。とか。 口にするだけでおいしい名付けを最初にした人の瞳が映ってしまう瞬間が嬉しい。 降伏感ならび幸福感。 世界は何度も生まれたんだと想う。 散歩ってそんな風に旅をする事かと思う。
なみだは砂糖で出来ている。 えくぼは雨で出来ている。 例えばその表情の魅力は、そんなとこにあるような気がする。 そう想ってふいに君の事を知りたいのかと聴こえる。言葉になる前の気持ちが浮遊する。 そうやって日常に君が解けてゆく。 それを出逢いと呼びながら僕は。 いつの間にか君で創られてゆくこと
出会った人の数だけある捉えられ方。 いろんな人の 思惑や立場に押し込まれそうになるけれど。 聞かなくていい言葉。見なくていい視線。 そっと耳たぶを包んだら波の音、今夜のオリオン座の位置を教えたり、静かな湖に寝転んで風を詠む。 そんな世界を心に持つ事。 例えば そんな事が あなたらしさになったりもする事。
甘かったり。硬かったり。ひりひりと痛んだり。 言葉は、確かに身体を通ってきたんだなぁ。 その唇やその指先から。 形のないものに確かな感触。 時間が風になり、届けたりなだめたり。 見えるものは見えないもので出来上がっていくみたい。 言葉は言葉として。 君は君として。 ちゃんと居られる事が花束になるせかい。
“頑張らなくていいよ。 自然に出来る事をやっていたらいいよ。” 優しい言葉は、時に乱暴だから。 必要な言葉を必要な時に手渡せるようにあなたと過ごしたい。 全ての人に出会いきれない。 だけどあなたと出逢えた事。 それを意味や価値や運命にしていくのは、いつも自分だ。 だからちゃんと目を会わせていたい。
太陽のひかりが心地好い事とか そんな感覚を頭じゃなく身体で感じれる事とか、こころは、身体に近いような気がする。 そんな事を頭で考えている。 感じられる事をもっと信じていたいと思う。 説明できる事が情報なら。 説明出来ない事を言葉に託していたい。 人と人は、違う事。 情報があなたに当てはまる事じゃない。 だから感じられる事をもっと信じていたい。 例えば こころに嘘をつかないとは、そういう事からがはじまりのような気がする。 そういう一歩をちゃんと歩んでいたい。