徳久 望/Nozomi Tokuhisa
写真。映画のワンシーンのような日常のキリトリ。
写真と言の葉。どこかにある物語。
例えば夕暮れのベランダで。例えば眠れない夜の窓辺で。例えばあなたの隣で。弾き語り。
心が柔らかくなる瞬間を。文章と写真にて。日常の中に生まれる感情や心について考える事。何気ない風景にある「特別」のキリトリ。
出会った人の数だけある捉えられ方。 いろんな人の 思惑や立場に押し込まれそうになるけれど。 聞かなくていい言葉。見なくていい視線。 そっと耳たぶを包んだら波の音、今夜のオリオン座の位置を教えたり、静かな湖に寝転んで風を詠む。 そんな世界を心に持つ事。 例えば そんな事が あなたらしさになったりもする事。
甘かったり。硬かったり。ひりひりと痛んだり。 言葉は、確かに身体を通ってきたんだなぁ。 その唇やその指先から。 形のないものに確かな感触。 時間が風になり、届けたりなだめたり。 見えるものは見えないもので出来上がっていくみたい。 言葉は言葉として。 君は君として。 ちゃんと居られる事が花束になるせかい。
“頑張らなくていいよ。 自然に出来る事をやっていたらいいよ。” 優しい言葉は、時に乱暴だから。 必要な言葉を必要な時に手渡せるようにあなたと過ごしたい。 全ての人に出会いきれない。 だけどあなたと出逢えた事。 それを意味や価値や運命にしていくのは、いつも自分だ。 だからちゃんと目を会わせていたい。
太陽のひかりが心地好い事とか そんな感覚を頭じゃなく身体で感じれる事とか、こころは、身体に近いような気がする。 そんな事を頭で考えている。 感じられる事をもっと信じていたいと思う。 説明できる事が情報なら。 説明出来ない事を言葉に託していたい。 人と人は、違う事。 情報があなたに当てはまる事じゃない。 だから感じられる事をもっと信じていたい。 例えば こころに嘘をつかないとは、そういう事からがはじまりのような気がする。 そういう一歩をちゃんと歩んでいたい。
素敵な人になれなくていい。 人には人に似合った場所がある。 誰もそんな事を言ってはくれない。 信じられない言葉が宙を舞う夜空。 だから素敵な人にならなくていいよ。 そんな言葉が体温を持つような距離にいる人を大切にしたい。 そんな事に落ち込む人は充分に素敵。 だから素敵な人にならなくていいよ。 そんな風に君が、綻ぶ顔になりたい。 伝えたい事と言葉は、似ないよなぁ。 だから きっとちゃんと伝わるのだと思う。 伝えられる人があなたの「そばにいる人」だ。 出逢いって
はじめて君がついた嘘が”気持ち”に見えてやっと心が輪郭を持つような気がした。 嘘をつかせてごめんね。 そう呟いて心遣いを知ろうとする。 そうやってぎこちなくなる言葉や視線にひょっこりと人生は、現れる。 今この瞬間出逢えた事に意味が生まれる。 きっとそれは ちょっぴり嘘で、ちょっぴり本当。 だけど 信実は、それから紡いだらいいと思う。
例えば星を指さすように人を褒めたい。 そんな言葉を読んだ。 本当の気持ちって、渡すのが難しい。 言葉を尽くす程に遠くなる。 足りないとそっけない。 同じ星を見つめる。 きっとそれくらいでちょうどいい。 隣り合うってそんな事のような気がした。 だから離れていても傍にいられる。 そんな風に関わり合っていたいと思う。 あなたの声が聴こえる距離で その星の言語を知りたいと思う。 側にいる、傍にいる。そばにいる。 そばにいる。とは、そんな事のような気がした。 そんな
旋回する鳥を眺めていた。 まとまりになって解けては、寄り添って。 ぐるぐると自由に空を駆ける。 “人は迷いながら揺れながら 歩いてゆく 二度とない時の輝きを 見つめていたい。” 明日への手紙が耳に流れる。 手嶌葵のセピア色でいて芯のある。 儚いようでいて優しい歌声が聴こえてくる。 旋回する鳥を眺めて その歌詞が深く沁みた。 ありがとう、とか、愛してる。とか、誰にでも言えそうでいて、誰にでも言えない。 そんな言葉に似た歌詞。 その歌が沁みた。 言の葉というくらいに繊
生きてることが辛いならいっそ小さく死ねばいい。 イヤホンから流れてくる森山直太朗。 優しい言葉って易しいって事じゃないんだなって思う。 人が人にしてあげれる事は、そんなに多くはない。 人に人は、変えられないと、よく言う。 代えられないと、思うようにする。 あなたは、あなたであるからここにいる。 人が人にしてあげれる事は、そんなに多くはない。 だから 誰かが届けようとしてくれた言葉や視線を大切にしていたい。 そういうものはきっと周りに多く溢れている。 会った事もない
カメラを持って歩くと 何気なくそこにあった景色が ちゃんとした存在感を持って現れる事が不思議だ。 世界は、いつだって自分の瞳で見ているもの。 誰かの目を通して世の中を見る時だってある。 それは知らず知らずのうちに。 悪口や噂の何を信じるのか。 それが自分の視線を教えてくれる。 ちゃんと目を合わせるということ それは、簡単な事のようでいてそうじゃない。 世界は、いつだって自分の瞳で見ているもの。 カメラを持って歩くとそんな事を教えてもらうような気がする。 そこにあるも
あなたを待っていました。 そう語るように 座っている猫と出逢った。 物語のはじまりは、実は、何処にでもある。 思わず立ち止まる。 人馴れしているのか。 じっとこちらを見つめている猫。 ファインダーを覗いてシャッターを切る。 物語のはじまりは、実は、何処にでもある。 そんな事を教えてくれるのは、生きているものだ。 知らない所に知らない生活がある。 それは人間だけじゃなく猫も花も鳥も。 同じ場所で暮らしあっている。 その息吹が聞こえた時に そっと物語に誘われる
「世界が甘い香りに包まれる季節。」 玄関を開けると そんな言葉が浮かんできて 幸福感に満たされた。 人の心って不思議だ。 ほんとはちょっとしたことで幸せになれる。 そんな事を簡単に信じた。 くもり空の朝。 大切な事を忘れがちになる。 忘れがちになるから何度もやっぱり大切なことだったと沁み入る。 小さな手のひらに持ちきれるものは、少ない。 同じものを持っているだけでやり過ごせる程、日々は簡単じゃないもの。 だから 大切な事を忘れがちになる。 でも 何度だって出逢い直せ
うわー 鳥の羽ってウロコだったんだって。 蒼空に透ける翼を見て 思わず立ち止まった。 そうしているとその向こうに 海月みたいな雲が浮かんでいて。 空を見ているのか海の中にいるのか。 わからなくなって ふらふらと後ろ歩き。 そんな風に旅をする日常。 「最近旅行した?」と聞かれて 毎日宇宙旅行してるよ。 なーんて馬鹿話を。 うそのようなほんと。 ほんとのようなうそ。 そんなくだらない事を話しながら日常を暮らしていたいな。 君の日常の話を聴かせて。
「だいたい現実をきつく見たら悪い事ばっかりに焦点が当たるものじゃない?でも考えてごらんよ、水の中に暮らす生き物も空を旅する生き物もましてや地上に暮らす生き物だっているのよ?それを現実的じゃないと、どうして言い切れるのかしら?ねぇあなたが見詰めているものは、本当に現実なの?」 そうひと息に言うと、日本酒を飲んできたと言うその人は、ポートシャーロットのソーダ割りをコクコクと飲み干した。 「何かおすすめを。」 そう頼む彼女に先ほど勧めたアイラで、僕は何故かその人の味覚の嗜好が
AM6:00 遠くの方から電車が駆ける音が聴こえてくる田舎暮らし。 外はまだ暗い。 小鳥が歌い出すよりも早く 始まった一日の向こう側を思う。 布団の中から。 今もう働き始めた人がいるのか。 そんな事をぼんやりと思う。 朝の空気が懐かしい。 冬の気配を含んでいる。 人は言語化出来ない味や感覚を知っている。 それをどんな風に伝えますか? 言葉にしないままに感じあっていたい。 一緒に居たい人とは、そんな感覚が近しい人なのかもしれない。 幸せは安心が基本だよ。 さ