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夜兎烏 Night Rabbit Crow
2020年7月28日 18:15
「そろそろ行くわ」 少女の言葉に小人は寂しげな表情を見せた。 小人は少女の手を引きとあるキノコの前へ連れていく。 そこでは蛹がちょうど羽化し、巨大な蝶が翅を広げていた。「綺麗ね」 思わずこぼれた少女の言葉に。「乗ってく?」 小人は蝶を示す。「やめておくわ」 蝶は少女を掴むと空へ舞い上がった。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 140字小説です。
2020年7月29日 18:11
燃えるような夕焼けの中、ひらひらと舞う蝶の翅が気流を掴む。 目を細める少女の頬を暖かい風が撫ぜる。「これ、何処へ向かってるのかしら?」 既に、森のように広がっていたキノコ達は見えなくなっていた。「さようなら・・・・・・ジャパン」 勘違いしたまま、少女は思い出を胸に新たな世界へ旅立った。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 140字小説です。 Twitte