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【温泉】禅寺で温泉に入り「無」になる
お風呂、温泉、銭湯が大好きな私ですが、
この度、貴重な体験を致しました。
「禅寺でお風呂に入る」という経験です。
場所は広島県福山市にある
「神勝寺 禅と庭のミュージアム」
臨済宗建仁寺派 天心山 神勝禅寺
福山駅からバスで30分ほどの場所です。
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この施設は素敵な場所で、沢山書きたいのですが、
今回はお風呂のことだけ。
このお寺苑内に入るには参拝料が必要で、
入口で1500円(大人)を支払います。
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入口を超えて、目の前に池のある立派な庭園が望めます。
その入口付近にその「お風呂」がございます。
私が訪れた日は、女性がお風呂に入れるのは12:50まで。
午後には男性風呂になってしまうということで、
入場すぐにお風呂に向かいます。(別料金:大人800円)
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これがお風呂の建物。建物自体荘厳で趣がありますよね。
ドアを開けると広い入口が、白隠の絵が迎えてくれます。
その絵の上には「跋陀婆羅菩薩」(ばったばらぼさつ)が祀られています。
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跋陀婆羅菩薩(ばっだばらぼさつ)
「浴室」には、「跋陀婆羅菩薩」が祀られている。この跋陀婆羅菩薩は『首楞厳経』(しゅりょうごんきょう)に記されている菩薩で、水により悟りを開いたことから禅宗寺院の浴室にはこの像が安置される。また浴室は七堂伽藍(しちどうがらん)(寺院の重要建物)の一つとして数えられ、僧堂・東司(とうす)(トイレ)とともに「三黙道場(会話談笑することを誡める三所のこと)」とされる。
入浴するに当たっては、
「沐浴身体(もくよくしんたい) 当願衆生(とうがんしゅじょう)心身無垢(しんじんむく)内外光潔(ないげこうけつ)」
という開浴のか偈を唱えながら、跋陀婆羅菩薩に三拝する作法など、清規(しんぎ)(生活規則)によって入浴作法が定められている。
入口で受付のおじさまが、
「靴箱をよく見てください。何かお気づきになりますか?」
靴箱は108までありました
私「あ、108個、、、人間の煩悩ですか?」
受付のおじさま
「そうなんです。お風呂は実際108人も入れませんし、
ここでは靴は靴箱に入れず玄関にそのまま置いてもらっているので、
靴箱は実際は使用していないんです。
これはユーモアなんですね。。。。」
なんとまあ、ステキなユーモア。
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そしてなんと、
「今日はお客様はおひとりなので、
どうぞゆっくりお湯を楽しんでください。
中でお写真撮っても良いですよ」
とおっしゃってくださいました。
え、独り占め状態ですか?写真撮っても良い?
心と身体を清めるつもりでおりましたが、
期待値がぐーっとあがってしまいました。
更衣室はこんな感じで、
禅の精神なのでしょうか
とてもシンプルなつくりになっています。
更衣室を入ると、壁に温泉分析書を発見。
なんとここは温泉でもあるのですね!
期待値が更にあがります。
更衣室内は照明が暗いので、なんだか心も落ち着きます。
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そして、暗い扉を開けると、そこには解放的なお風呂と自然が!
扉を開けたとたん「わー」と声が出ました。
受付の方の言葉に甘えて動画を撮影したので、どうぞご覧ください。
お風呂に入った後に映像を撮影したので、
私の足跡などが映っていて、大変失礼いたしました。
実際の風景はこちらです。
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洗い場は別にあり、
ゆっくり身体や髪を洗い、清めることができます。
山の奥であるこのお寺の浴室は、音はなく。
木々の葉の揺れる音、
湯舟の中で私がたてるお湯の音、
そして鳥がやってくる羽根の音。。。。
今、この湯舟の中、たった一人、自分は裸で、何も持っていない。
自分を飾る、衣服、メイク、お金、地位、役割…
人生にはいろいろあるのでしょうが、
結局、人間は裸で生まれて、裸で死んでいくのです。。。。
温かいお湯に包まれ、
身体も心も芯からほぐれていく。
なんて贅沢な時間、禅は心を無にするという教えのようですが
身体を清めながら、お風呂に入りながら、
もう何も考えず、
ただただお湯と自然を楽しんだのでした。
気付くと1時間は入っていたでしょうか。
お湯を楽しんで、身支度をしました。
禅寺だからなのか、お風呂が素晴らしかったからなのか、
身体も心も清らかな気分です。
温泉の成分なのか、肌もすべすべ。
受付のおじさまに、お礼を言って、
これからお寺を廻りますとお伝えしました。
実はお風呂は2つあるそうで、
奇数の日は内風呂、
偶数の日は外風呂なんだそうです。
私が訪ねた日は奇数の日でしたので
今度は是非偶数の日にいらしてください、と。
そう簡単に訪れることができる場所ではないのですが、
いつか外風呂にも入りたい、
そう強く思った温泉体験でした。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
お風呂だけではなく、自分と向き合える場所、おすすめです。