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タクフォレストリー
2023年9月16日 02:39
幼い頃に祖父から聞いた物語を敬老のプレゼントに両親へ送ろうと思う。1.南方作戦まずは、父方の祖父である、第十のお爺さんについて書きたい。「ワシはシベリアに3年もおったけんのう」と親父とは対照的に、いつも朗らかで、ゆっくりと喋る第十(だいじゅう)のお爺さんを僕は本当に大好きであった。戦前、祖父は第十の家へ婿養子としてやってきた。どこかの親方の元で丁稚奉公に入り、大工職人として
2023年7月8日 18:40
1高校時代の話を書きたい。かつて田舎の工業高校の卒業生は「金の卵」と言われていた。しかし、僕らはバブル崩壊後の入学で、就職氷河期が始まろうとしていた。進学する生徒が就職する者を上回ったのも自分達の代からである。もちろん自分は就職組に入っていた。高校2年にもなると、大体めぼしい会社が決まっており、授業はろくに受けなくてよかった。ただ部活だけは真剣に取り組んだ。陸上の名門校で全員が長距
2023年7月8日 14:23
1徳島の山奥。大歩危(おおぼけ)、小歩危(こぼけ)という駅があり、そこから山を越えた祖谷(いや)の村に住んでいた頃の話を書こうと思う。ラフティングの仕事で山奥に住み始めたのだが、週末の2日間しか、お客さんが来ない日々が続いていた。最初の頃は、仲間とゴムボートで川を下ったり、1人でカヤックの練習をしてスキルアップに努めていた。しかし、客を乗せないとお金にならないので、山菜を採ったり、畑で
2023年7月6日 08:18
自分のルーツとされる父方の祖父と母方の祖父との思い出を、脳を振り絞って書くことにしよう。1まずは母方のお爺さんの話を書きたい。「わしはマッカーサーに警察官を辞めさせられたんやー」というのが母の父親、通称"高川原のお爺さん"である。私が子供の頃、近くの警察署へ祖父に連れられ行った思い出がある。署長室まで通され、かなりのおもてなしを受けたように感じた。「ご無沙汰です。お元気でし
2023年7月1日 06:55
1川崎市で働いていた会社の陸上部が「明日から廃部になります」と突然、上司に告げられた。そして会社は、早期退職制度なるものを用意して、まだ3年目の僕に200万円の退職金を提示してきた。さらに辞めても1年間は、会社の寮に残っていいという。まだ20歳だった僕は迷わずその条件に飛びついた。当時は、お金をあまり使うことがなく、世間知らずで、200万円もあれば、一生暮らせるのではと、勘違い
2023年7月2日 09:23
人生の大きな転機となった、中学校の部活について書こうと思う。中学に入り僕はサッカー部にするか、はたまた陸上部に入るかで悩んでいた。少年サッカーの友達は、ほぼ全員がサッカー部へ入部した。1992年。Jリーグ元年のこの春は、サッカー経験のない子や、ボールを触ったことがない者までが、サッカー部へ入るという人気ぶりであった。さらにサッカー部には、仲のいい先輩がたくさんいた。それに比べて、陸上
2023年6月26日 15:02
1夫婦喧嘩は犬も食わないと言うが、親父が癇癪をおこして一方的にオカンへ怒りつけ、それをオカンは「ハイ、ハイ」と聞き流す。そんな感じの喧嘩というか、かなり激しめの癇癪は、日課のように起こっていた。瞬間湯沸かし器のごとく、癇癪を繰り返す親父はご近所の名物でもあった。子供の教育はビンタが基本。悪い事をしたら怒るよりも平手が顔や頭に飛んできた。小学生の頃はそれが当たり前だと思ってい
2023年6月23日 08:37
1奈良県東吉野村に移住して早5ヶ月。当初の目的であったサウナ小屋作りをようやくスタート出来た。ここに至るまでかなりの日時を費やした。それを言い訳がましく綴りたいと思う。そもそも見ず知らずの土地にやって来た人間に「どうぞ空いてる所に小屋を作ってください」なんて言う変わり者は何処にもいない。まず遠回りを覚悟して、道を作ることから始めた。小川という地区にはいくつかの集落があり上出