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「PMF」を理解して「お金じゃぶじゃぶ政策」の愚かさを理解しよう #ゼロ金利 #MMT
私はあまり経営用語は好きではないが、「PMF」は結構好きだ。(product market fit)
難しい定義はおいておいて、PMFとは、要するにはターゲットが明確で、彼彼女らの課題をばっちり解決しているようなプロダクトの状態といえる。
どうしてこういう概念が重要かというと、次のような場面を考えてみよう。
平凡なラーメン屋がテレビに出ても無意味
味が平均的なラーメン屋があったとする。普通なので、地元の人が地理的な利便性で通うことで成り立っているようなところだ。
このラーメン屋の店主は、テレビ局と謎の深い関係があり、ゴールデンの時間帯に「おいしいラーメン屋」として取り上げられた。
一時的に行列ができる。それは、数日続くかもしれない。
この数日の売上は過去最高で、このペースなら、店主はかなり裕福な暮らしができると大喜び。
しかし、これは1週間も立てばいつもの状態に戻る。
なぜなら、露出の効果は終わり、せっかくたくさんの人に試してもらえたにもかかわらず、味が普通なのでリピーターが増えないからだ。。
なんなら、「あそこのラーメン屋は大したことない」という評判が定着してしまうネガティブ効果もあるかもしれない。
店主はがっかりだろう。
つまり、プロダクトがよくないと、いくら集客しても意味がないのだ。
この例では、「味が平均的」という設定だったが、これが「まずい」ラーメン屋だったら、結果はもっと悲惨だ。
だめなプロダクトが広告をいくら売ってもドブに捨てるようなものだ。
逆に、広告費を出し集客すればするだけ客が増えるようなら、それはPMFしていることになる。
お金じゃぶじゃぶ政策とは?量的緩和とMMT
日銀の金融緩和政策やMMT理論といわれるものに共通する「お金じゃぶじゃぶ政策」は意味があるのか?
結論、これは、先のラーメン屋と同じように一時的な気休めにはなるが、中長期的には無意味かネガティブ効果もありうる。
金融緩和政策やゼロ金利というのは、市中に出回るお金の量を増やすことだ。
世の中にお金が出回ってどうなるか?
たしかに、お金を借りやすくなる。それは、金利が低いから、コストかからないということもそうだし、インフレ傾向にあれば、将来の返済額は相対的に減るからだ。
また、MMT理論はどうか?
以下引用する。
現代貨幣理論とは名前の通り貨幣や金融の仕組みを理解し、それを基に経済政策の分析などを行う理論です。英語表記の「Modern Monetary Theory」の略称で「MMT」ともいい、「現代金融理論」と呼ぶ場合もあります。
現代貨幣理論の代表的な主張をまとめると、以下の3つのことがあげられます。
・自国通貨を発行できる政府は財政赤字を拡大しても債務不履行になることはない
・財政赤字でも国はインフレが起きない範囲で支出を行うべき
・税は財源ではなく通貨を流通させる仕組みである
これも、量的緩和と本質は同じで、お金をばらまこうという話。
馬鹿な事業体と消費者にお金が行き着いても社会はよくならない
しかし、じゃぶじゃぶなお金は馬鹿な事業体と消費者に行き着いても社会はよくならない。
バカな会社が借りても馬鹿な事業で終わってしまう。
つまり、先のラーメン屋のようにPMFしていない状態で、お金を借りて広告をうったり、だめな設備投資をしても、だめなものはだめだ。
また、バカな消費者にお金をばらまいても実は社会はよくならない。バカならプロダクトを吟味せず散財してしまう。
消費者は身を切って稼いだ「金」だから、吟味して良いものを購入する。しかし、ただ降ってきたお金は、大して検討もせず使ってします。
つまり、市場に適切なフィードバックがいかないのである。
社会をよくするのは、PMFしたプロダクト
結局、社会をよくするのはPMFしたプロダクトだけだ。
これを如何につくるかが重要であり、お金の調達のしやすさは関係ない。
こういうと、「資金調達しやすければ良いプロダクトがうまれやすいのでは?」と反論があるだろう。
それは少しの程度であれば正しい。
しかし、そもそも本質的に良いプロダクトの構想があったり、いいものが作れていれば、それは別に様々なルートで資金調達できるし、大して余裕がなくても消費者に選ばれる。
では、社会をよくするにはどうするべきか?
それは、教育に力を入れるしかない。
PMFをするようなプロダクトを創るのは人間だ。
そういう人間が生まれてくる必要がある。
世界、社会、市場の動向を批判的に洞察し、課題を解決する作品を根気よくつるく人間が求められる。