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言語の世界の内と外のバランス感覚 #丸山圭三郎 #言葉の自動機械

われわれは言語で世界を割り切っている。

ソシュール研究者の丸山圭三郎は、人間は歯を磨くようになり歯を痛めた、と人間の本質を看破した。

言語を持たない動物は、河豚の毒を本能で見分けられる。しかし言語で世界をシュミレーションする人間は本能が壊れ、「食べられるもの」「食べられないもの」という言語的な世界で対象に向き合うようになる。

こうして複雑化した社会の中で、人間社会はグローバル資本主義というゲームの世界になった。このゲームでは「金」「権力」というゲームが数ある価値審級の中でも重要なものとなる。

すると、人間的価値は、「金」「権力」という数値や肩書で判断することが習慣化され、言語世界の外に広がる彩り豊かでより真実に近いと思われる何かを取りこぼすようになる。

一方で、「金」「権力」に媚びることは悪いことではない。それがあるものが価値ある人間という風に社会を発展させてきたのだから。

しかし、一方でそれで完全にうまくいくシステムではない。
だから常にその外側も意識をする必要がある。

外側を全く見ずに言語の世界を絶対視する馬鹿を宮台真司は「言葉の自動機械」と呼んでいる。こういう存在にはなりたくないし、近づきたくない。

かといって、完全に言語外の世界を生きようとするのも合理的な判断ではない。バランスを見極めることが重要だ。

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