ネット・プロモーター・スコアと顧客満足度〜マーケティング・マネジメント第16版を読む
「マーケティング・マネジメント(第16版)」を読みながら気づきをまとめています。今回は、第19章 顧客ロイヤルティの構築からネット・プロモーター・スコアについてです。
こちらの記事からのつづきとなります。
「この製品やサービスをあなたの友人や同僚におすすめしますか?」
顧客アンケートによくある質問です。
私自身、やらたとこのアンケートにこだわるディレクターの下で働いたことがあり思い出深いキーワードです。
この質問で得られた顧客満足度を示す指標がネット・プロモーター・スコア(以下、NPS)です。
1点(まったくすすめない)から10点(強くすすめる)の尺度で回答します。
そしてスコアに応じて以下のようにランク分けします。
9〜10点:プロモーター
0〜6点:デトラクター
7〜8点:受動的な満足(パッシブ)として算出に加えない
プロモーターからデトラクターの点数を引いたものがNPSとなります。
一般的には、10〜30%くらいが標準のNPSスコアとなります。
シンプルで業績との高い相関性を示していることからも普及が広がったNPSですがいくつかの欠点も指摘されています。
その一つが、NPSがシンプルすぎるために、顧客満足のさまざまなニュアンスを捉えることができない、というものです。
たとえば、以下の場合、両者のNPSは同じ20%です。
プロモーター:20%
パッシブ:80%
デトラクター:0%
NPS:20%-0%=20%
プロモーター:60%
パッシブ:0%
デトラクター:40%
NPS: 60%-40%=20%
数値が同じでも両者のマーケテイング課題は全く異なってきます。
また、NPSは重要なコストや収益について考慮に入れていないので将来の売上の成長予測には役立たないという批判もあります。
まとめ
シンプルでわかりやすい指標ではありますが、シンプルさゆえに繊細さには欠けるというのが実態といえます。
いづれにしろ、顧客アンケートの機会がある場合は、キーとなる質問の一つとして加えてみるのは間違いではないでしょう。