「マツケンサンバ」に共通する「手に届く高級ブランド」とは
好きな日経記事の一つ「ヒットのクスリ」でマツケンサンバでおなじみの俳優の松平健さんがデビュー50周年を迎えたことについて書かれていました。
昨年に紅白でマツケンサンバが出演するっていうのを聞いた時は、「え!まだやってんの?」って思いました。その時まで、「マツケンサンバⅡ」ブームだったことを知らなかったからです。パルコのカフェやグッズが大人気だったそうですね。
私は、「暴れん坊将軍」の全盛時代はかろうじて記憶にあるくらいですが、2004年の「マツケンサンバ」の大ブレークから、たまにお正月とかの特番で見かける縁起物みたいな立ち位置でずっとやっているんだな、くらいに思っていましたが、まさか第2ブレークにまでなっていたとは。世代を超えて人気を獲得しているっていうのはすごいです。
この記事において、松平健さんの50年間のなかで3度の成長期を迎えることに成功した秘訣として変化を恐れぬ柔軟性にあるとしています。大俳優ともなると自身のスタイルやプライドもあって、自分のキャラクターを壊すようなことをしてファンの期待を裏切りたくないと思います。松平健さんの場合は、そういったことよりも「ファンが面白いと思ってもらえるなら良かった」という柔軟な姿勢を持つことが長く支持されるにつながっていると考えています。
この記事を読みながら思い起こしたのがアメリカのAccessible Luxury(手に届く高級ブランド)の「COACH」です。
ブランディングでは、変わらないこと、すなわち、一貫性を持ち続けることが重要あると考えられます。
COACHは1941年からの歴史のあるブランドですが、何度かの低迷を経験し、その都度再生を図り現在に至ります。
最も大きな転換点は2001年代に発表した「シグネチャーコレクション」です。ここで手に届く高級品(Accesible Luxury)をコンセプトに若い顧客層の支持を得ることに成功しました。
近年はまた、新たなターニングポイントを迎えているようです。社名をタペストリーに変更し、ヨーロッパのLVMHのような高級ブランドのコングロマリット路線をとっているようにも見えます。COACHについては大衆化に寄りすぎたブランドの再構築を行っている途上のようです。
「ブルネロ・クチネリ」のようにラグジュアリーの定義そのものが変化しているとされる中で、COACHがどのようにブランドを再構築するのか興味深いと思います。