パーパスの次はユーモア?日経クロストレンド記事より
日経クロストレンドの連載でマーケティングの世界的祭典「カンヌライオンズ」のレポートが掲載されているのですが、その第1回「『パーパス偏重』の次に来るもの カンヌで見えた世界のマーケ新潮流」は「なるほど!」と思う内容でした。
以下、記事内容を含めて解説します。
パーパスからユーモアへのシフト
マーケティングにおいて「パーパス(存在意義)」から「ユーモア」へのシフトが注目されています。以前は企業やブランドの存在理由や社会課題の解決を重視していましたが、これだけでは消費者との深い絆を構築するのが難しいことが指摘されていました。ユーモアの活用が効果的であり、消費者のブランドへの愛着を高める手段として評価されています。
物語(ストーリー)から瞬間へのシフト
「物語(ストーリー)」から「瞬間」へのシフトも重要で、日常の小さな瞬間に創造性を見出し、ブランドの成長を促進することが強調されました。ユーモアや瞬間を活用することで、消費者との共感や関係性を強化し、より効果的なマーケティングが実現できます。
ブランドがユーモアを使うと「80%の人がそのブランドを再び買う可能性が高まる」というデータがあります。
ユーモアの効果とリスク
課題解決や社会的な存在意義への貢献という堅いところでは、AIの役割が確実に拡大しています。逆に、「ユーモア」という視点はどうかというと、まだまだ人間のセンスの方が上回っているのではないかな、と思います。きっと、そんなことをいうと「AIも教え込めばしっかりとユーモアのセンス発揮できる」という反論があるかもしれませんが。。。
ユーモアの視点は、行動経済学のナッジ理論や仕掛学でも重要な要素です。よく例に出される男性トイレのハエの絵なんて、ユーモアのセンスがなかったら思いつかないですよね。
「思わずやってしまいたくなる」というような仕掛けはユーモアの中に隠れています。しかし、ユーモアには「毒」がいくぶんか含まれています。「95%のビジネスリーダーが顧客とのコミュニケーションでユーモアを使うことを恐れている」のはそのためです。SNSで一気に炎上するリスクもありますから、ブランドのストーリーの中に入れ込むよりは、「今、その瞬間」における体験に沿えるほうが良いと考えるのは合理的です。
結論
「パーパス」と「ユーモア」、「ストーリー」と「一瞬」。この2つの軸でバランスを取ることがこれからのマーケターには求められています。
ということで、私も自分のユーモアセンスを磨くべく、落語会やお笑い番組の視聴で研鑽を積みたいと思います!
一之輔さんの世情の見方、その表現方法はウィットに富んでいて、面白く勉強になります。