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日経新聞「やさしい経済学」消費者の行動を理解する

日経新聞の「やさしい経済学」で慶応大学白井教授による「消費者の行動を考える」が連載されました。消費者行動における顧客心理の重要ワードが盛り込みながらサステナブル消費にまで解説されており面白い内容でした。各回の要約は以下の通りです。

第1回:暗黙理論

消費者行動を理解するには「マインドセット」を理解する必要がある。暗黙理論は、可変で改善できる「増大理論」と固定的を捉える「実態理論」の2つがあることを説明する。前者は機能を求め、後者はブランドなどのシグナル効果を求める。

第2回:解釈レベル理論

解釈レベル理論は、解釈の違いを対象との距離で説明する。対象との距離(心理的、社会的、空間的など)が遠いと本質的高レベル(理想)を求め、近ければ実現可能性(どう行うか)に目を向ける。

第3回:オンライン購買

オンライン購買では気に入った商品を予算内で見つけやすく知覚価値に、オフラインでは商品の直接確認など顧客経験と購買前期待が顧客満足に影響する。成功にもとづくストアロイヤルティはオンライン購買が高くなるが、価格感度は同質的な商品では上昇するものの、差別化される商品ではそれほど上昇しない。

第4回:e口コミ

SNSの普及でe口コミは重要な情報源となった。一般的につながりの弱いオーディエンスにはポジティブな口コミ、強いオーディエンスにはネガティブな口コミが共有されることが多い。

第5回:e口コミを発信する理由

e口コミを発信する理由は、1.社会的関係の形成、2.印象管理、3.感情の統制、4.他者の説得、の4つが上げられる。

第6回:消費者の幸福感

消費者が感じる幸福感に影響を与える要因としては、時間と選択がある。
時間と関連づけることで消費者は自己に関連づけるので消費の楽しみが増す。ただし、高級品は時間より金額を考えた方が愛着は深まる。選択では経験の購入の方が幸福感は続く。複数の選択から選ぶ場合、違いを近くできない状態だと満足度は下げる。多すぎる選択肢も満足度を下げる。

第7回:エイジングの理解

高齢者の購買行動の特徴として、処理・記憶できる情報が低下、情報探索の時間が短い、感情ベースの意思決定、リピート率が高く、満足度が高く、新製品への関心が薄い、日常的な経験、緩やかな日常に満足を感じる。

第8回:非顕示的消費の台頭

高級ラグジュアリーブランドの大衆化が進み低価格ブランドとの差異が曖昧になる中で、ブランドを表に出さない高品質のブランドにプラミアムを支払う「非顕示的消費」が台頭している。

第9回:サステナブル消費が進まない理由

サステナブル商品が増えているのに、消費が増えない要因としては、1.ルーティンを変えたくないという思い、2.マインドセット(「するべきだ」という規範自己が「即座にしたい」という願望自己と対立、3.サステナビリティの価値が意識されにくう、4.属性間のトレードオフ、の4つが上げられる。

第10回:サステナブル消費を高めるには

サステナブル商品を促す方法として、1.買い物環境でサステナビリティ価値を際立たせる、2.パフォーマンスとサステナビリティの分離、3.社会的影響の強化、4.マインドセットと一致する情報の発信、5.コミットメントの形成、が上げらえる。

まとめ:

マインドセットやオンライン購買、e口コミ、サステナブル購買など、わかりやすい説明でうまくまとまっていると思いました。特に、なぜ口コミをするのかや高齢者の消費行動は「なるほど」って思いました。

興味ある方は、日経記事で読まれることをおすすめします。




#日経COMEMO #NIKKEI

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