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8月に読んだ本 5冊

1、3つの幸福 樺沢紫苑

セロトニンは、やすらぎ、気分の安定の幸せ。(健康)
オキシトシンは愛、つながりの幸せ。(つながり)
ドーパミンは、お金や成功、達成の幸せ。(成功、地位、名誉)

この順番が大事。
健康がすべての土台、そして人のつながり。それがあって成功がある。この順番を間違えると人生は不幸になる。

幸せとは。
今この一瞬の状態でありプロセス。ゴールや結果ではない。

感謝を実行し、皆が幸せな世の中になりますように。

とても価値ある1冊だった。自分の人生の価値観が詰まっているというか。みんなドーパミン的幸福を追い求めている気がするし、そもそも幸福の定義づけができていないとも思う。昔から学校の成績や安定した生活が正義と教えられ、見果てぬ夢に大金を求める、その典型が宝くじであり、夢を語ると笑われる。
しかし本書では幸せとは結果ではなく過程とある。まさにそうで、今この瞬間が大切なんだと思う。それを形作るのは自身の健康であり(セロトニン)、大切な人間関係が土台となる(オキシトシン)。それらがあって、はじめて世間一般に言われる成功状態のドーパミン的幸福にたどり着けるのだ。
目先の成功に囚われているだけでは、到底辿り着けない幸福がそこにはある。


2、「優しい人」の科学 和田秀樹

自分を犠牲にする優しさは長続きしない。
人に優しくするのは素晴らしい事だが、見返りを求めないようにする。見返りを求めるから他人に期待して、その期待に答えてくれないと負の感情が生まれる。
 例:〇〇さんがそんな人だとは思わなかった
  →知らんがな、という話。勝手に期待しといて、こっちが悪いように言うなよ。

他者を尊重することが大事。自分が満足する立ち振舞いをしよう。
そのためには、まずは自分の体調・健康を整えるのが大切。
※上記「3つの幸福」と同じ内容

セロトニン(幸せホルモン)
オキシトシン(愛情ホルモン)
ドーパミン(快楽ホルモン)

人に優しくするというのは、自分に優しくするということ。

表紙のイラストが友人に似ているのは余談。
また、「3つの幸福」が名著だっただけに、その後にこの本を読むと内容が萎んでしまうな。。。
まずは自分を愛せ。それができて、他者に優しくすることができるのだ。自己犠牲の先にそれはない。


3、まず、ちゃんと聴く 櫻井将

聴く技術=あり方(ちゃんと聴く)xやり方(うまく聴く)。
聴かれることで自己理解を深め、聴くことで他者理解を深める。それにより人は自律的になっていく。→まず相手に話してもらうことが大事。こちらの言葉だけでは人は自律的に動かない。
聴くとは自分の解釈をいれずに耳を傾けること。判断しない(本書内ではwithoutジャッジメントという)。
「ちゃんと聴く」とは、全ての言動の背景には肯定的意図があると信じて目の前の人に関わること。その「あり方」が「ちゃんと聴く」である。
つまり、「相手の関心に関心を持つ」である。
質問の際は「なぜ」ではなく「なに」を使う。
 なぜ→問い詰める印象(主語があなた(相手)になる)
 なに→一緒に考える印象(主語は「なに」になる)→相手の関心に目を向けている
まずは自分から自己開示。
人は脳内イメージを具現化しようと無意識に動く。そのため、注意する際は否定文ではなく肯定文を使うと効果的である。
今できているか否かよりも、今よりもよくしようと意識し、努力し続けることを大切にしていこう。


これまた名著。「聴く」をできておらず、「言って聞かせる」に終始している教育も多いのではないか。一昔前の画一的社会であればそれで回っていたが、価値観の多様化した今では働く目的も多様化しているため、いくら上司が正論を言っても響かない。そのた、え、まずは「相手の話をちゃんと聴く」ことで相手の土俵に立つ必要がある。そんな学びを得られる本だ。
何よりも、人は自分の話を聞いてもらいたい生き物なのだ。自分の言葉で話す機会を得られれば、人は自分の言葉にコミットメントして自律的に動くものなのだ。


4、あっという間に人は死ぬから 佐藤舞

時間のコントロールではなく、集中力のコントロールが大事。締め切りがあるおかげで集中力が出る。
人生の3つの理  ①死  ②孤独  ③責任
 これらを受け入れながら、自分の人生をコントロールすることが重要。
向き合わなければいけない本質から目をそらし、それでいいんだといいわけをすることに時間を使っている。これが、人生の浪費の正体。
幸福感を決定する要因としては、健康・人間関係に次ぐ変数としては、所得・学歴よりも「自己決定」が強い影響を与える
命の危険が少ない現代社会にいながらも、20万年前の精度の危機察知センサーを搭載しているのが現代人。狩猟採集時代には役立った危機察知センサーが、現代人に最適化されていない。
 →不安の80%は起こらない。
価値観とは、単語ではなく文章で表現するもの。
「○○すること」というように、能動的な行動に変換できるものが価値観。
幸福は、日々の生活の質の副産物であり、日々できる行動ではない。

目的は、自分自身の価値観(進む方角)であり、本当はどうありたいか、何を大切に生きるのかの軸となるもの。
目標は、目に見える到達点であり、価値観に沿って行動した結果、たどり着く場所です。ただ「西に進む」だけでなく、西の方角に見えるあそこにまずは行ってみよう、と決めるもの。
手段は、到達点までどのような経路を選択して、そこまで歩んでいくか、ということであり、日々実践できる習慣的な行動です。到達するまでの経路は1つではなく、複数ある。

「何かに感謝する」ことは、目の前の誘惑に強くなり、目標達成のためのモチベーションが上がりやすくなる。


この本でも「幸福」への言及があり、「感謝」の効能も書かれている。
これらは豊かな人生を作るにあたって、非常に重要な要素なのだろう。サトマイさん自身が有名なYouTuberということもありYouTubeなどに要約動画も多いが、本の出版部数含めとても評判の良い本のようだ。


5、企業変革のジレンマ 宇田川元一

危機感があれば会社が変わるわけではない。
変革とは、自分たちの課題を考え、試行錯誤を繰り返していく過程である。
試行錯誤を繰り返すこと。成果につながるかどうかもわからないこの試行錯誤の過程こそが企業変革。
本書で扱う企業変革は、より長期的な取り組みであり、組織の緩やかな衰退過程にどう挑むかという問題である。
変革とは、その企業が本来目指すべきものに立ち返るための営みである。

変革とは、そもそも未来の利得のために幻を追うようなことだ。企業や社会の未来のために行うのが変革である。そこには現在の地点での合理性はない。
それは、道なき道を切り拓いていく行いである。思ったように動かない組織、動いてくれない人々に、動いてもらうようにするための道筋を考え、実行し続けなければならないときもあるだろう。いや、そういうことの連続かもしれない。

変革は、今日のためではなく、明日のために行うものである。


たまたま本屋で目に入り、ポチった本書。仕事柄興味深く読んだ。色々難しいことが書いてあったが、心に響いたのは「変革は試行錯誤の連続」というところだ。これをやればOK、というものはない。常に暗中模索だ。そんな中、対話を通じて相手に向き合い、一緒になって行動していく必要がある。
その歩みそのものが変革なのだ。


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