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感情の消えた夜

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感情の消えた夜 境界線 II

感情の消えた夜 境界線 II

一点の晴れ間もなく

最初に会話をしたのは平日の真昼間。仕事にはなれてきたし嫌だというわけではなかったけれど今日は別の何かをしたいと思い初めて仮病を使い休み喫茶店へ足を向けた夏の始まりだった。

オフィス街でもないし他の常連客も居なくて、初めてマスターとゆっくり話した時でもあったかな。
あまりよく覚えていないけれど、奥さんの話や私のよく知らない映画の話をしていた気がする。

小一時間経ちそろそろ何

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感情の消えた夜  境界線 Ⅲ

感情の消えた夜 境界線 Ⅲ

夏至が通過した金曜。

半袖でも街を歩ける様になった頃、私達はたまに店を閉めた後に三人で映画を観るようになっていた。

マスターの気分でそろそろ怪談話の様なものをみてもいいかもしれないなと、あまり有名ではなさそうなホラー映画とかを流しながらその日も全く関係のない会話を投げ合あう。

彼がふと「そういやルールとかマナーとか法律ってあるだろ。これを破るってのは確かに宜しくない事かもしれない。けどよ、そ

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感情の消えた夜  境界線 Ⅴ

感情の消えた夜 境界線 Ⅴ

彼の居ない時間

きまって日曜日は私と彼は一緒に居ない。
深い理由はないのだけれどなんとなくそうしていた。

私は社会人になってからほとんど学生時代の友人や知人と会わなくなっていたのだけれど、数少ない親しい友人と久しぶりに会うことになった。
彼女とは中学校の頃からの付き合いで、将来の事や趣味の話、恋愛の愚痴まで話し合える仲だったし一緒に居て楽だったから前はよく会っていた気がする。

ある土曜日、ウ

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感情の消えた夜  境界線 Ⅵ

感情の消えた夜 境界線 Ⅵ

真夏の静かな休日に 

彼と私は珍しくいつも行かない場所へ来ていた。

夏休みという事もあるのだろうけれど、どの店も混んでいる。

本当はマスターの店でいつも通り食事をする予定だったのだけれど「いや今日混んでるしお前らたまにはいつも行かない場所とか行きなよ。」とマスターに追い返されいつもと違う街へ電車に乗って向かい彷徨うことになった。

「賑やかだなどこも。普段どこにこの人達は潜んでるんだ。電車に

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