年越しを京都で過ごす
大晦日に元旦、初詣・お年玉・年賀状…。
年末年始は一年で最も「日本」的なものを感じる時期ではないでしょうか。そうなると、一番「日本」的なものがありそうな京都で年越ししたいと思う方もいることでしょう。
今回は、京都での年越しについての一例を紹介します。
京都での年越しは素朴
出鼻を挫くようで申し訳ないですが、京都の年越しはわりと素朴です。
一年で最も観光客が多いという紅葉シーズン(~12月10日前後)後、イベントや特別拝観は無く、一般の商店・飲食店などは早めに閉まる、またはお休みのため、日中の街は静かです。
博物館のような施設もこの時期休館のことが多いため、自分が行きたい場所が年末年始に開いているかは、事前に十分確認した方が良いでしょう。
京都で年越しを楽しむなら
日中は神社仏閣を静かに参拝
行きたかった神社仏閣などに行くには、観光客が若干減るこの時期が最適です。神社仏閣は年末年始で閉まることは無いので、混雑を気にせず巡ることができます。
タイミングが合えば良い雰囲気で写真を撮ることもできるでしょう。
お昼は早めに年越しそばを
地下鉄烏丸御池駅から徒歩5分。創業500年以上を誇る本家尾張屋本店があります。
昼前から行列ができますが、蕎麦なので比較的回転が早いです。
尾張屋以外にも晦庵 河道屋など老舗の蕎麦屋があるので、お気に入りの蕎麦屋を探すのも良いでしょう。
夕方は師走の喧騒に触れ
日が暮れ始めたら、錦市場で師走の喧騒を味わいます。
このあたりも17時~18時頃には閉まってしまうので、その点注意しながら散策します。
夜は年越しの賑わいを味わう
夜になるにつれ人が増え、特に祇園・清水方面は混雑しますが、
年越しの賑わいを感じたい場合は、こちらの方面がおすすめです。
八坂神社では、参拝客が火縄をくるくると回しながら歩く姿が見られます。
年越しの風物詩「をけら詣り」です。
参拝客は御神火を火縄に移して持ち帰り、燈明や煮炊きの火種にすることで、新しい年の無病息災を祈ります。
祇園・清水エリアは出店や深夜まで開いている土産店も多いため、散策も楽しいエリアです。
ただし、清水寺は年をまたぐ頃には足の踏み場もないほど混雑するので、参拝するなら覚悟が必要です。
荘厳な除夜の鐘
年越しと言えば、除夜の鐘。
京都市内のあちこちで除夜の鐘が撞かれますが、国内最大級の鐘を持つ知恩院が有名です。
高さ3.3m、重さ70トンの鐘を僧侶17人で豪快に撞く様は見応えがあります。
例年、20時半の開門を前に知恩院三門下に大行列ができます。
鐘の撞きはじめが22時半頃なので、最低2時間は立ったまま待つ必要があり、寒さ対策などが必須です。
また、コロナ禍を経て、昨年は事前申し込み制となっていたので、早めに情報を得ておくのが良いでしょう。
見応えという点では知恩院が随一ですが、神泉苑など自分で鐘を撞ける場所もあるので、比較的空いている寺院で除夜の鐘を体験するのも良いでしょう。
初詣は夜間にも
初詣はそれぞれに混雑しますが、夜間の場合、清水寺・知恩院・平安神宮は特に混雑する印象があります。
平安神宮は敷地は広いですが、応天門を入った広い砂利敷の前庭がすべて埋まるほど参拝客が並びます。また、どこも同じですが、参拝後に同じくらいおみくじの列に時間を要します。
しかし、こちらも広い参道に出店が多く出るので、賑わいがあって楽しめます。
市内には夜間ずっと門を開けているところも多く、公共交通機関も動いているので(要確認)、市内の移動に困ることは少ないはずです。
初日の出には期待せず
京都は盆地のため、初日の出の名所と言える場所はあまりありません。
それでも京都の西側に位置する嵐山・渡月橋などには早朝からたくさんの人が集まってきます。
どこからでもそれなりに絵になってしまうのが、京都の魅力でもあります。
おわりに
大都市圏のカウントダウンイベントのような盛り上がりや豪華なイルミネーションなどを期待するなら不向きですが、静かに、それでいて特別な年越しをするのに、京都は最適と思います。
オーバーツーリズムと言われる昨今、のんびり観光するには早朝しか無くなってきている京都ですが、年末年始は少しかつての静かな雰囲気が戻ってくるように感じます。この際、一棟貸の町家などに滞在してゆっくり過ごしてみるのも良いかもしれませんね。