断食リトリートで得た心と体の変化とは?【2024年9月やすらぎの里滞在記】
2024年9月後半、夏季休暇を利用して以前から興味のあった伊豆高原の『やすらぎの里』に行ってきました。
(参考URL:https://y-sato.com/)
人生の方向性に悩んでいた私は、「このままで良いのだろうか?」「もっと違う生き方ができるのでは?」と自問自答する日々。体と心をリセットできる場所を求めていました。
1.なぜ断食を選んだのか?
『やすらぎの里』本館の6泊7日コースには、断食コース、養生食コース、半減食コースがあります。断食に興味はあったものの、果たして耐えられるのか不安な気持ちは大きかったです。それでも「健康と心身のリセット」を目的に、この機会を活かすことに決め、断食コースに挑戦することにしました。
とにかく健康的な食事、運動、睡眠など、基本的な生活習慣を見直し、自分と向き合い心身が喜ぶ時間を作りたいと感じました。断食と聞くと、「ご飯のことばかり考えてしまいそう」「空腹に耐えられないのでは?」と感じる方も多いと思います。私もその一人でした。ただ、一連の体験を通して、断食は単なる「食べない」ことだけではなく、内面の浄化やリフレッシュが大きなテーマであると学びました。
2.日々のスケジュール
断食リトリートでは、日常の忙しさから解放されるだけでなく、心身をゆったりと整える時間がたっぷりと用意されています。以下、私が体験した日々の流れを簡単にご紹介します。
1日目:初日から早くも空腹💦
伊豆高原駅に到着後、迎えのバスで施設へ。
館内説明や入所面談があり、18時の夕食は、具なしの味噌汁。
この時点で「夕食はこれだけ?!大丈夫??」という不安がよぎりました。初日、朝から何も食べていません。さらに言えば、断食中の辛さを軽減したかったので入所前から食事量は少なめを心掛けていました。なので、この時点で正直相当お腹が空いています。
夕食時、自己紹介の時間が設けられ、滞在目的は、リラックス、リフレッシュ、ダイエット、疾患の養生、ワーケーションなどさまざまであることがわかりました。参加者の内訳は、男性2名、他20人程は女性でした。
2日目:張り切りすぎて頭痛?!
2日目からは本格的に断食が始まり、朝のヨガや瞑想、散歩が毎日のルーティンとなりました。朝食の人参と生姜のスムージーは、スプーンひと匙を大切に味わっていただき、身体に栄養分が染み入るような感覚がありました。
「食べる瞑想」の講座では、干し葡萄一粒、イチジクのドライフルーツ1個を分割したものを口の中で噛みしめ、その時間を徹底的に味わうことで、普段全く意識しない、甘みや食感などの微細な味覚を感じ取ることができました。
この日は、近隣の赤沢スパの営業日のため、張り切って出かけてみました。海洋深層水のスパで癒されましたが、身体が冷えやすいのと、血糖値が下がりすぎたのか、帰宅する頃にはうっすら頭痛が発生し、この先少々不安になりました。
3日目:バス観光で気分転換するも、頭痛との戦い
3日目ともなると、いよいよ血糖値の低下による頭痛が生じやすくなりました。だるい、眠い、頭が痛いの三重苦。空腹より頭痛が辛かったほどです。
それでもこの日は、午後に姉妹館の養生館や大室山の麓、吊り橋などへのバス観光に連れて行ってもらい、気分転換になりました。
養生館で振舞われたミカンジュースが最高に美味しかったです。また見学した露天風呂の眺めが絶景でした。最後に立ち寄った土産物屋は修行の場。飲食物の誘惑が辛すぎて、買い物はほとんどしませんでした💦
4日目:ついに回復食始まる!
この日、朝散歩は、城ヶ崎の自然研究路を歩き、自然の美しさ、雄大さを感じました。午前中、私にしては珍しくお腹が緩くなり、腸がゴロゴロ鳴っている感じがありました。体内がデドックスされてきたのでしょうか。
この日の朝から、待ちに待った回復食が始まりました。とはいえ、まずは朝食の回復大根、人参シャーベットから。だし汁の中の薄い大根を1枚1枚噛みしめました。
そして夜には、ついに雑穀入り玄米粥、梅干し、豆腐の味噌汁。やっとご飯らしくなり、その素朴な美味しさが全身に染みわたりました。普段何気なく食べている食事が、これほどまでに心と体を満たしてくれるものだと改めて実感しました。この時のシンプルな豆腐の美味しさは、忘れられません。
夜にはやすらぎの里が特集された「NHKドキュメント72時間」を食堂で視聴。過去にやすらぎの里を訪れた方々の人生ドラマを楽しみました。早々に思わずコンビニでおにぎり1個買って食べてしまったという女性のエピソードも「わかるよー」という心境でした(笑)
5日目:やっと元気になってきた?!
回復食も進み、朝食には玄米リゾットや豆乳ヨーグルトなど、体に優しい食事を摂ることができました。頭痛もほぼ消失し、この頃からまさに回復してきた感じでした。
天気も良かったため、午後に大室山に行くことにし、リフトで山頂へ。想像を超える雄大な景色に心奪われました。帰りのリフトは、恐怖感すら覚える高度!!思わず手すりにしがみついて見た絶景。怖かったけれど、自分にこの風景を見せてあげられたことが嬉しかったです。
6日目:感動の自然食コース料理
この日は雨だったため、予定されていたトレイルウォークは行われませんでしたが、館長の大沢先生に気功体操を教わり、身体を動かしました。
この日は館内で岩盤浴をしたり、温泉に入ったり、本を読んだり、他の宿泊客の方と話をしたりしてゆっくり過ごしました。
断食の終わりに近づき、夕食には自然食のコース料理が用意されました。久しぶりにしっかりとした食事を味わい、その美味しさに感動!
食事のありがたさを改めて実感する瞬間でした。
7日目:断食の締めくくり
最終日の朝食は、寝かせ玄米と鯵の干物がついた野菜中心の食事。しっかりとした食事を味わいながら、体も心もクリアになった感覚を実感しました。チェックアウト時には、今後の生活習慣についてアドバイスを受け、家に帰った後も健康的な食生活を続けていこうと決意しました。
3.断食リトリートの効果
6泊7日の断食を通して、感じたことは以下の3つです。
①心身のリセット
毎日のヨガや瞑想、ピラティスや体操などの講座、マッサージやカッピングなどの施術、岩盤浴、温泉、自然散策などのおかげで、心が喜ぶ時間過ごすことができました。毎日海を見ながら大自然とともにある環境は、体だけでなく、心も整える機会となりました。
②食事の意識
断食によって、自分の身体が何を欲しているか、意識が敏感になりました。糖分、塩分、鉄分、タンパク質など、自分の肉体が食物で作られていることを明確に意識する機会となり、身体にやさしいものを取り入れたいと感じるようになりました。
断食により小食になり、一度にたくさん食べることが難しくなりました。退所面談でも私のようなタイプは、1回の食事量を減らし、頻回食べるのが体への負荷が少ないと伺いました。
無意識に習慣化していた「ながら食べ」や「早食い」の癖を見直すきっかけとなり、毎回の食事を意識的に味わうようになりました。
③健康への意識
朝ヨガに始まる適度な運動、健康的な食事、早めの就寝といった理想的な生活を送ることができました。
普段いかに心身の疲れを溜め、ケアすることなく、身体に負荷をかけ続けていたか痛感しました。ヨガやストレッチ等のセルフケアを取り入れて、身体を緩める習慣を持ちたいと思うようになりました。帰宅後の今は、自宅にヨガマットを敷いて、意識的に身体をほぐすようにしています。
私はもともと小柄なため、体重の変化は1週間で2~2.5キロ減でしたが、同じ時期に断食コースに参加されていた男性の中には6キロほど痩せたという方もいらっしゃいました。
4.最後に
やすらぎの里での断食リトリートは、ただの「断食」ではなく、自分自身を見つめ直す大切な時間となりました。食べ物への感謝、健康な体への意識、そして心のリフレッシュ、どれも日常生活の中で忘れがちなことばかりです。
やすらぎの里で読んだ『DIE WITH ZERO』は心に刺さるフレーズに溢れていました。「人生で一番大切な仕事は『思い出づくり』」 というフレーズが冒頭に出てくるのですが、今後の人生で大切にしたいことは「思い出を作ること」だと強く感じました。
これからの人生、心身を健康に保ちながら、自分が幸せを感じられる思い出をたくさん作る時間を作っていきたいと感じています。
もし、心からリフレッシュできる場所を探しているのでしたら、『やすらぎの里』での時間をおすすめします。
きっと人生の新たな一歩を踏み出す「何か」が感じられるでしょう。
断食中のプロセスについては、音声配信standFMでもお話しています。
やす@旅好きの人