農業&食の“生産現場”に関わろう【八百屋から見た“食”no.69】
本当に美味しい野菜・くだもの・農産物をお求めでしたら、生産者に直接問い合わせ、購入して送ってもらいましょう。
自分が八百屋という仕事をはじめた当初より、ずっとお客さんに伝えていることです。作り手ご本人と売り買いやモノを通じてコミュニケートできる。信頼関係や緊張関係を築ける。とても大切なことです。八百屋やスーパーなど本来は無くたっていいのです。
消費者自ら育てたっていいし、飼ってもいい。釣りや狩りしたっていい。生育や環境のリアルを感じましょう。生産現場をジブンゴトと感じる機会が増えるほど「食材がいつでも売場に並び、好きに選べて買える」時代ではなくなったことがわかるはずです。
もし直接購入が何らかの理由で叶わないなら、次善の策として産直八百屋たる当店を使ってもらえたらたくさんサポートしますよ!
それくらいの心持ちで居ます。
たとえ食に農に関心がまったく無くても、常時豊富に提供され続ける時代・食が安易に購入できる時代は過ぎました。
生産者・製造者・輸送者・販売者・消費者、誰もが必ずどれかに当てはまります。どの立場が強い弱いといった主従や従属ではなく対等です。誇張やアピ合戦、マウント取りや買い叩き、足の引っ張りあいやクレームに明け暮れるより、相互理解を深め、互いの仕事にリスペクトを持ちましょう。良い仕事には良い評価と対価の支払を。互いに気分よく長く続く関係性が理想ですよね。
美味しい食材や農産物の流通は今後どんどん先細ります。他者や環境のせいにせず、ご自身がコレいいな!ココ素敵だな!コレ美味しいな!と思えたら買い物でもワークショップでも現地訪問やオープンデーや体験でもいいので、食品製造や農業にどんどん関わり続け、買い支え、ライトな関心を永く持てるようになるなら、農業生産も食品製造も店舗営業も、長続きする活力源となるはずです。
※画像は岐阜から届いた美味しい富有柿