心配していません。|子どもが1歳検診で引っかかった時の話
息子が1歳〇ヵ月の時に受けた自治体の検診で、「要診察」といわれた。発語・発達が標準と比べて2ヶ月~3ヶ月ほど遅れているとのこと。
恐怖の(?)検診
上の子、第一子の時は検診が恐怖だった。「もし何かあったらどうしよう」。周りのママ達との間でも検診のことはよく話題に上っていた。「こんな質問をされる」「うちの子は答えられなかった」などなど。イラストを見せられて「バス」や「わんわん(犬)」と言えるかをチェックするらしい。
うちの子、産まれてこの方バスに興味を示したことはないんだけど。このあたりの地域、犬を散歩させてる人が少ないのだけど。
検診ってあたりまえだけど集団で一気に調べるから、わりとザックリしてる。
それが一人目の時で分かってたから、二人目の息子が問診で質問に答えられなかったときも、あまり気にしなかった。(いや、この質問ハードル高いってば。)
電車にのってどこへ行く…
「後日、診察を受けてください」と言われて対象医療機関のリストを示されたときも、「え~ 遠くの病院に行くのはキツイな~」と思ったくらい。上の子も小さくて、車もなかったし。
リスト内の最寄りの病院を受診したけど「その内容だとウチじゃないんだけど」と断られて予約を取り直した。なんと面倒な。市に問い合わせて「〇〇クリニックに行ってください」と言われた。初めから言ってくれ。
上の子は一時保育に預けた。(その手続きも手間がかかった)。5駅先の初めて行く病院へ。
乳幼児の発語・発達を専門に扱うクリニックだった。
はじめまして異空間
通された個室にはカーテンがひかれ、診察に使うとおぼしき玩具や絵本がたくさん並んでいた。
お医者さんか保健師さんか分からなかったけれど、ともかくベテランらしき女性が問診してくれた。問診票がチラリと見えた時、内心「細かッ!」と驚いた。
なんだか…ごめんなさい(?)
長い長い質問に答えるのに、30分くらいかかった。その終わりにベテラン先生は「ママ、心配だったでしょう?ここに来るまでに、きっとドキドキしたんじゃないかしら」と優しくいった。本当に優しい声だった。
ハッとした。息子のことを心配していなかったわけじゃない。でも、「この先生が思うような感じでは心配していない」とハッキリ思った。わけのわからない罪悪感がよぎった。
「えぇ、そうですね…」みたいな返事でお茶を濁した。
その後
発達は平均より遅い。〇ヵ月後にもう一度みましょう、ということで再診の予約をして帰った。ドっと疲れた。
そして幸運にも、その〇ヵ月に息子は少しずつ喋れるようになった。だから良いわけじゃないが、再診の予約のことをスッカリ忘れた。
「今日が予約日ですが…」と電話がかかってきてビクッ!とした。謝った。そして電話先で「それでは、診察はどうしますか?」…と聞かれて困ったけれど、「ひとまず大丈夫そうです」と断った。
ちょっとした戸惑い
いまの息子は5歳で、「ちょっと頼むから黙っててくんない」と言いたくなるくらいお喋り好き。
久しぶりにふと、あの時のことを思い出すことがあり、考えていた。息子のこと、手厚く診て頂いてありがたい、予約をスッポカして申し訳なかった出来ごととして記憶していたけど、 それ以外にもモヤモヤがあって覚えていたんだ。
息子の発達が遅いことって、そんなに悲観していなかったのだけど。悲観している前提で声をかけられたことに驚いた。
そういえば、「診察が大変だった」話を離れて暮らす家族・親戚にしたときも、励まされた。「気にすることはない」とか「2歳になれば変わるわよ」とか。
もし 息子が
「遅れている」と言われたまま成長していたら、もっと多くの人に慰められたり励まされたりしながら過ごすことになったかな。
心配じゃなかった理由
この時さほど心配していなかった理由は、うまく言い表せないけど、「遅れていることが悪いことじゃない」と思ったからでした。
一人目のとき、なんであんなに検診で引っかかることを、悪い事みたいに思ったのかな?と自分に対して疑問だったのです。引っかからないから「セーフ」で、引っかかったら「困る」みたいに、自分の子どもなのに区別する気持ちがあったのか…と自問自答したのでした。
このときの体験があるからか、
他所のお子さんで、「療育に通っている」とか「こういう体質があって」という話を聞いたとき 「大変そうだな」と思っても「大変ですね」とは言えない。
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長々書きましたが
たぶん、「決めつけられたくない」という話でした。
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