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今月の短歌 23年12月1日~12月15日

冬の曲聞きすぎかなと澄んだ日に出会うジャックフロストの日時計

髪の毛をツーブロックに刈り上げた ヘアゴムだけが残る、風花

揺るがない旅 水鏡が映し出す 前向きという言葉すら追い越して

電球が眩し過ぎると感じては双子の流星待ち草臥れて

いつまでも幸せでいられることで透き通る手の霙(みぞれ)が溶ける

もう一度 空へと舞った1440° 夢見る淡い雪上

赤と白、緑の世界の住人 ドローバックにて手紙を読む

氷点下達した今夜 割れかけた花を用いて口遊めない

絶対に必要なもの 例えたら119のコールセンター

トワレすら使う機会が減ったのに街の色香はどこからくるの

木枯らしに負けない青いジャケットはあなたが選んだ青色だから

アカギツネかな ショートヘアがこれほどに快適だとは 揺れる毛先

悲しみを背負った意識あるままで未熟な雲にそぼ降る雨よ

二分前 考えていたものがもう過去のもの このシンビジウムも

「愛してる」なんて感情 桃よりも 遥か遠くで消えていったよ

「オーロラを見せてやるよ」と約束す 北の道からヴァイキングの子

かじかむ手 タバコのような白い息 黄昏れるのはオシャレ過ぎるか

走る霜 虚しさの日に住む意味を重ね重ねに更新させて

フランスの「ウェンバンヤマ」は宇宙人 1on1でボロ負けしたい

あれもダメこれもダメってなっちゃうよ涙が消えた雪とハミング

この硝子バリバリ踏んでさもありなん清き行為と歌を唄えば

とりわけてなんの接点も無い君が僕のシュートを好きでいたなんて

街角を歩いたら街角にあるはずの洗車場、ピザ屋になる

落雷のジャッジメント水道の蛇口から来て避雷できずに

許されて許されなくて愛されて許せなど言えないよ、白薔薇

メモワール 赤い季節にお別れを 雪月風花、毛糸は白く

雪風よどうして僕を置き去りに痛覚が麻痺した手、銀世界

太陽の方角を向きガーベラは三度目に遭う紅い活力

生き甲斐を見つけたんだよ いのち燃す作業に浸り死に抗うさ

冬眠も降る雪の音も知らぬまま瞬間的に過ぎてく師走

十六に戻って恋をしたけれど、時々混じる苦めの檸檬

丁寧なアフガン巻きを止めてみた 君にはもう手を通さないよ

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