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今月の短歌 24年7月16日~7月31日

初歩の初歩 かっこいいからで始めた孤独の坂路 「er」は覚えた

後戻りできない今宵猫が鳴く 「大丈夫さ」と言ってるようだ

同じよなおんなじような価値にさえ山も谷もが鋭く尖る

限りある時間を意識し始めて浅く藻掻いて忘れる呼吸

AIが日々勉強し言の葉のオートメーション 血の色は黒

テトリスのT字ブロック敷き詰めて隙間を作り優しくいたい

抱き方を知らなくて泣かせてごめん。 初めての夏 空色のべべ

プラマイでプラスになれば良いだけでハイビーム避けながら駆けてく

冷え切った感情の中ペンを取り赤か緑の文字を加える

エアコンが効かなくなった熱帯夜 部屋着のファッションショーを開く

見上げてみれば明日は晴れらしい あれよあれよと雲は流れる

君の「眼」が僕の目の裏側にいて引力のみの部屋を作った

15年前に購入したCD マッシュルームなブリットポップ

麻酔医に憧れた日がありました 夢より鈍い空虚に触れて

その背から死のニオイすらしないのにまた掻き乱してる自己肯定感

懐かしく溶けていたはずの一日 山彦に乗り振り返る朝

ソックスにソックスを重ね煩雑なクローゼットへと投げ込む、夏だ。

上調子なの気付いてる? だからあなたの美辞麗句は届かないのさ

無限から遠ざかる過程 味わいも酸っぱくもないソーダフロート

究極の感性宿るセーヌ川 君を知る術 美と文法書

アイドルのようなあなた達が跳んで夢じゃない夢を叩き込むよ

焦燥感がやけに煩わしい不眠が告げる「また会いましょう」

今日という日がどんな日か思い出す 汗かきながら墓前へ参る

いっぽずつこころがせなかおしてしんじるあかいちえとしろいゆうき

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