今月の短歌 24年6月16日~6月30日
決めたから わたし踊るわ夜明けまで どんな時でも笑顔届ける
贈るのは心、あなたの濡れた手をいたわるように触れて伝える
コーヒーは普段見えない情報を可視化させるための「解釈」だ
星どうし光色付くお互いの顔を知らない 燃えて繋がれ
情報を煩わしくも掴んでく 嘘でもいいよ 嘘しかないよ
「これいいよ」って褒められた小説は多分来世も平積みしてる
ピクルスにカモフラージュし愛の国の絵本の中ふわりと飛んだ
この水も纏って生きる新しいバスクシャツにも甘えたりして
前線が春の終わりの境目をくっきりさせて街と溶け合う
暗闇の奥であなたを知りました 夢の続きを終わらせたくない
ゆるやかに堕ちていくのを愉しんであざける僕は滑稽だそう
真剣な音楽に逢う 声と火と秘密の祈り トリガーとなれ
肉体を削がれた身でも覚えてる 抗うようにドルフィンキック
「黒曜石」「黒曜石」と呼ぶけどあまり見ないね ジャズでもないね
啜る所作毛嫌う南イタリアのルールに罹患 カルチョしようよ
5:27。雨天。飲みかけのコークでおやすみを告げた朝
淡い詩をさくりと読んでかさぶたを剥いでしまった右足の甲
ぼろぼろの靴で応えるために舞う 飛ぶ鳥模した筋雲の下