Tadashi Yano

人生100年時代、大学に戻りリスキル後、独立開業。人は移動距離と出会いの数に比例し成長できると信じ、ノマドワーカーとミニマリストにチャレンジ。公認会計士、JDLA Deep Learning for ENGINEER。フォロー大歓迎です。

Tadashi Yano

人生100年時代、大学に戻りリスキル後、独立開業。人は移動距離と出会いの数に比例し成長できると信じ、ノマドワーカーとミニマリストにチャレンジ。公認会計士、JDLA Deep Learning for ENGINEER。フォロー大歓迎です。

最近の記事

vol.64 4大監査法人の監査品質報告書をテクノロジーの観点で比較してみた

はじめに4大監査法人の監査品質報告書が全て出揃いました。 そこで今回は、会計士業界をリードする4大監査法人のテクノロジーに対する取り組みを比較し、「4大監査法人の監査品質報告書をテクノロジーの観点で比較してみた」として以下を切り口にして記事をまとめてみたいと思います。 監査法人のガバナンス・コード テクノロジーの活用局面 IT投資額 監査法人のガバナンス・コード金融庁は2017年3月31日に監査法人の組織的な運営に関する原則(以下「監査法人のガバナンス・コード」)を

    • vol.63 『テクノロジーの世界経済史』を読んで今後の会計士業界について考えてみる

      はじめに毎日のように新しい生成AIのニュースが飛び込んできますが、ついにApple Intelligenceも公開され、日本でも言語を英語 (米国) にすると同機能が使えるようになりました。 Appleがこの分野に参入することにより、ますます技術革新が進み、AIが我々の生活の身近な存在となりそうです。 このように技術革新はいつの時代も社会を大きく変えてきましたが、近年はAIの進展が我々の働き方に劇的な影響を与えようとしています。 そのような中、先日カール・B・フレイの『

      • vol.62 GUCCI COSMOSで財務諸表に計上された「のれん」を体感する

        はじめに私はミニマリスト志向であり、特段ラグジュアリーアイテムを持ち合わせてはいないのですが、先日たまたま京都でGUCCIの日本上陸記念展を鑑賞してきました (GUCCI COSMOS)。 折角このような企画に行くのであれば、是非とも会計士目線で見てみたいと思い、事前にGUCCIを取り扱うケリングの財務報告に目を通した上で、当日はGUCCIを全身で感じてきました。 そこで今回は「GUCCI COSMOSで財務諸表に計上された「のれん」を体感する」ということで、会計士がGU

        • vol.61 東西の倫理観から考える資本主義

          はじめに現代社会の基盤となっているのが資本主義です。例えば企業では基本的に右肩上がりの成長計画を前提とし、日々その達成に向けた活動が続けられています。一方で個人では、自分自身のサービスが市場でどのような価値がつくのかを考え、日々自分磨きやスキルアップを行うことが求められます。 このような資本主義は我々の生活に多大なる恩恵をもたらすと同時に、様々な弊害を生み出してきました。 例えば産業革命後、社会は驚くほど豊かになり、今では多くの人がスマホを保有し、コンテンツを楽しむことが

          vol 60. コーポレートガバナンスと企業のパフォーマンス

          はじめに今年のノーベル経済学賞では、社会制度がどのように国の豊かさを左右するかについて研究を行った3人の学者が受賞しました。 今回この内容を見ていると、私は「社会制度」と「国の豊かさ」との関係が「コーポレートガバナンス」と「企業のパフォーマンス」にも通ずるものと感じ、今回「コーポレートガバナンスと企業のパフォーマンス」として記事にまとめてみることとしました。 社会制度と世界の所得格差2024年のノーベル経済学賞は、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アジェムオー

          vol 60. コーポレートガバナンスと企業のパフォーマンス

          vol 59. 会計士による生成AI食べ比べ

          はじめに会計士の仕事はAIと親和性が高く、BIG4と呼ばれる大手監査法人 (そのグループ会社を含む) からは日々多くのプレスリリースがなされています。 生成AIはどんどん進化しており、使い勝手が向上していますが、私のような独立会計士の場合、上記のようなサービスを作ることには限界があります。 そこで今回は、独立会計士が既存の生成AIサービスを使いながら感じたことを「会計士による生成AI食べ比べ」としてまとめてみることとします。 なお、本記事においては「会計士と生成AIの共

          vol 59. 会計士による生成AI食べ比べ

          vol 58. 資本論で考える会計士業界

          はじめに私は監査法人やそのグループ会社で25年勤務し、その後会計士として独立して約1年が経過しました。そのような中、先日COTEN RADIOのマルクス・エンゲルス編を聞きました。 カール・マルクスの名著「資本論」の説明が29-10及び29-11の2回に渡って行われています (あの難解な内容を大変分かりやすく説明して頂いています)。この内容を聞きながら、資本論のフレームワークを用いれば会計士の業界で自分が経験した、あるいはしていることも説明できると感じました。 そこで今回

          vol 58. 資本論で考える会計士業界

          vol.57 会計士によるリトリート体験記 Part2

          はじめに先日「ZENネイチャー・リトリート@西湖」に参加してきました。 筆者は過去同社のネイチャー・リトリート@屋久島に参加しており、リトリートそのものの説明や屋久島での体験記についてはこちらの記事をご参照ください。 さて、前回に引き続き、西湖でも多くの学びを得ましたので、今回は「会計士によるリトリート体験記 Part2」ということで、西湖で会計士が何を感じたか、屋久島と比較しながら考察していこうと思います。 西湖の概要西湖は山梨県富士河口湖町に位置する富士五湖の一つで

          vol.57 会計士によるリトリート体験記 Part2

          vol.56 会計で考える二重価格問題

          はじめに新型コロナウイルスの影響が和らぎ、インバウンド需要が急回復を見せる中、日本国内の観光地を中心に「二重価格」の事例が相次いで報告されています。同じ商品やサービスに対して、異なる価格が設定されるこの現象は、多くの人にとって直感的に違和感を覚えるものかもしれません。 本記事では、「会計で考える二重価格問題」というテーマで、会計士の視点からこのインバウンド二重価格問題を整理してみたいと思います。 二重価格の事例日本国内のみならず、諸外国でも二重価格やその検討事例がみられま

          vol.56 会計で考える二重価格問題

          vol.55 新リース会計の導入準備に役立つテクノロジー

          はじめにリースに関する会計基準 (以下「新リース会計」) が先週 (2024年9月13日)に 公表されました。 リース取引は多くの会社で活用されており、新リース会計の影響を受けない会社はほぼないといってよいのではないでしょうか?  そういうわけで、早くも解説やセミナーに関する情報が飛び交っています。 新リース会計は2027年4月1日以後開始する年度の期首から強制適用となっており (例: 2028年3月期の期首)、基準公表から2年以上もの準備期間がおかれています。 これ

          vol.55 新リース会計の導入準備に役立つテクノロジー

          vol.54 兵庫県知事問題を見て思ったこと

          はじめに兵庫県知事のパワハラや暴言等の疑惑で告発文書で指摘された問題が大きな注目を集めています。 この問題は、地方自治体に限った話ではなく、より広範囲な組織におけるガバナンスのあり方に一石を投じるものかと思われます。 そこで今回は、「兵庫県知事問題を見て思ったこと」として、会計士である私がこの問題をどのように考えたか、特に内部通報制度の重要性について考察してみたいと思います。 兵庫県知事問題の概要兵庫県知事問題の要点は以下の通りです。 1. 斎藤知事のパワハラや暴言等

          vol.54 兵庫県知事問題を見て思ったこと

          vol.53 ポスト資本主義と会計の役割

          はじめに企業会計に関する仕事をしていると、会計不正やその他の不祥事に遭遇することがあります。 その際、「不正のトライアングル (「動機」「機会」「正当化」の3つの要因) 」にあてはめていくと、多くの場合、数値のプレッシャーや私的な誘惑が存在していることが多いです。 我々はこれまで実に多くの便益を資本主義から享受してきましたが、個人も法人も財務資本の規模は成長し続ける (続けなければならない) と思いがちであり、その結果、様々な弊害が顕在化している現状が浮き彫りになります。

          vol.53 ポスト資本主義と会計の役割

          vol.52 独立後に思うチーム運営の大切さ

          はじめに士業として独立後フリーランスとして働いていると、様々な仕事に取り組む機会があります。その中には個人で行う仕事もあれば、色々な方々とチームを組んで行う仕事もあります。 チームで行う場合、まずはWebでキックオフミーティングを持ち、ではみんなで頑張っていきましょう、ということになるのですが、バックグラウンドの異なる様々なメンバーがオンラインで集まると、コミュニケーションも容易ではなく、会社勤め時代とは異なる問題に遭遇することがあります。 そのような中、先日Google

          vol.52 独立後に思うチーム運営の大切さ

          vol.51 J-SOXで考える紅麹問題

          はじめに小林製薬株式会社 (以下「小林製薬」) は2024年3月22日に紅麹関連製品の使用中止のお願いと自主回収のお知らせを発表しました (以下「紅麹問題」)。 亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表すと共に被害に遭われた方々とそのご家族に対し、心よりお見舞い申し上げます。 さて、紅麹関連製品の自主回収が発表されて以降、紅麹問題は単なる製品の欠陥にとどまらず、企業の危機管理能力や社会的責任が問われる重大な事案となっています。 そこで今回は会計士目線で2024年3月22日以

          vol.51 J-SOXで考える紅麹問題

          vol.50 技術継承のパラダイムシフト

          はじめに昨今様々なところで技術の属人化リスクについて警鐘が鳴らされています。 例えば以下は製造業の事例ですが、業界に関わらず日本全体の共通の課題ではないでしょうか? しかし、このような問題に対処するためにマニュアル化を進めようすると、「それは中々難しい」という反応が返ってくることも多いです。 そこで、今回は「技術継承のパラダイムシフト」ということで、技術継承の方法について整理し、どの方法に重きをおくべきかの判断基準を考えてみました。また、日本の文化的背景やテクノロジー等

          vol.50 技術継承のパラダイムシフト

          vol.33 Google Workspaceを用いたプロジェクトマネジメント (下)

          はじめに前回 vol.32 Google Workspaceを用いたプロジェクトマネジメント (中) において、以下の全体像の下、プロジェクトの実行までを中心に解説してきました。 今回は最終回 vol33. Google Workspaceを用いたプロジェクトマネジメント (下) ということで、プロジェクトの報告やプロジェクトの終了を中心に内容を整理し、最後プロジェクトマネジメント全体のまとめをしていきたいと思います。 5. プロジェクトの報告(1) 成果物イメージの想定

          vol.33 Google Workspaceを用いたプロジェクトマネジメント (下)