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唯一無二の年1開扉は午前勝負「秋篠寺」大元帥明王立像と伎芸天像はこの寺だけ!菅原氏と桓武!奈良苔寺はここ!!【西ノ京シリーズ】
「大元帥明王立像」と「伎芸天」は、この寺だけに安置される仏像!大元帥は年1秘仏なので見仏者多し!!秋篠寺は奈良時代最後の天皇・光仁天皇が発願し、子・桓武天皇の勅命により造営された寺。伽藍が完成したのは平安遷都と同じ頃とされ、奈良時代最後の官寺となる。
創建には別の説もあって、この地の所領であった秋篠氏が氏寺として造ったとか、後に菅原道真に続く土師(ハジ)氏ゆかりの土地であったので土師氏が建立したとか創建は謎である。『日本後紀』では806年に崩御した桓武天皇の五七忌がここで行われたと記されているので、天皇とも関連の深い寺院であったことは確かのようだ。
この寺は他の神社仏閣とは離れた場所なので、人はあまり来ないと思うが見どころは多い。入った瞬間の苔がすごく綺麗で、何とも言えない美しさがある。バスで行くと東門から入ることになるが、絶対に南門から入ってほしい!!いや入るべき!!
鎮守社があり祭神からも朝廷につながりが強いのは間違いない。個人的には土師氏説推しで、桓武天皇の長岡京遷移とともに付いていったのが菅原姓にしたのかなとも。そして、平安京へ!藤原氏の嫉妬に道真の運命が・・。
大元帥明王
「全国唯一」と謳っているが、噂によると京都醍醐寺塔頭・理性院@次回2087年御開帳(*1)、大阪・正圓寺@秘仏、仙台・大崎八幡宮にもあるそうな。神社が入っているところが面白い。
*1:大元帥明王は80年に一回の公開。前回が2007年だったので、次回は2087年となる。。寺自体も年に1回だけ公開する寺。
6月6日は奈良西ノ京!!
秋篠寺『大元帥明王立像@重文』、唐招提寺『鑑真和上坐像@国宝』、常光寺『歓喜天』『大黒天半跏坐像』など西ノ京で特別公開が多い日で、法華寺『十一面観音立像@国宝』、海龍王寺も開扉!!
秋篠寺は平日朝一推奨!!
変更履歴
2022/06/05 初版
▼HP なし
▼アクセス
奈良市秋篠町757
▼祭神・本尊と脇時
※後述「▼見どころ」参照
▼見どころ
▽秋篠寺:参道
奈良の苔寺といえばここかと思っている。美仏&国宝&重文の仏像宝庫でも有名。
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↑6月6日以外↓6月6日9:00。
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ここから写真は過去参拝で混在させます。
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▽秋篠寺(6月6日以外)
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→本堂@国宝
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法興寺などと同じ雰囲気を感じるお堂。776年の創建時には講堂として建立された本堂は国宝で、素晴らしい仏像たちが安置されている。堂内には25体の仏像が安置されている。本尊は薬師如来坐像、脇侍に日光・月光菩薩、薬師三尊のガードマンである十二神将、不動明王、帝釈天、愛染明王、地蔵菩薩、五大力菩薩となっている。
梵天立像と救脱菩薩立像
2020年ごろからだと思うが、奈良国立博物館のぶつぞう館に出張中ですね。2022年2月もぶつぞう館にいます。明るいところで見られるチャンスです!
最も有名なのは、「伎芸天立像@重文」で本当に希少な、そして誰もを惹きつける魅力を持った美仏で有名。繰り返しになるが、で薬師三尊形式で十二神将もおり、チーム薬師になっている。
「伎芸天立像@重文」は「東洋のミューズ」と称される。チーム薬師の両端に「伎芸天立像@重文」と「帝釈天立像@重文」で、薬師三尊横に「地蔵菩薩立像@重文」、「十一面観音菩薩立像@重文」の並びになっている。
法隆寺・東大寺・興福寺並みに見ごたえのある仏像を間近で拝見でき、興福寺・東金堂を彷彿とさせ、見仏充実感を感じる。
→東洋のミューズ「伎芸天立像@重文」
頭部は天平時代の乾漆造、胴体は鎌倉時代の木造で、シヴァ神の髪の間から生まれたという天女で、芸能をつかさどる女神として信仰されている。日本では珍しく、古像では唯一の作例。
→五大明王と愛染明王坐像
本堂入口左側に安置されている五大明王も見逃せない。大威徳は牛に乗っていない、全部二臂で顔なども似ているので、大日如来以外の見極めが難しい・・。本堂右側にはポツンと愛染明王坐像が安置されていた。
→その他
本堂を出て本堂左側には石仏がありました。役行者ですね。
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→大元堂(詳細は後述)
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大元帥明王像のパネルが展示されています。六臂で首や足に蛇が巻き付いた迫力のある姿で、毎年6月6日のみ公開です。それ以外は写真の通りパネルが置いています。
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▽秋篠寺(6月6日)「大元帥明王立像」開扉
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大元帥明王
古代インド神話では弱者を襲って食らう悪鬼神。大日如来によって、国土を護り、敵や悪霊の降伏に絶大な功徳を発揮する「国土の守護神」に変わったとされる。
宮中とも繋がりがある仏様で、全国に仏像として安置しているところがここ以外にない唯一無二の年1回の御開帳ルールの仏像。
京都から山田川ICで降りて、秋篠寺に9:00に到着。9:30開始だが9:00到着で駐車場あと3台&山門まで列をなし、2時間待ちの行列が・・・。すでに南門ギリギリまで列ができていた。。バスツアー団体恐るべし・・・。
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大元帥明王の開扉にあわせ「お香水」も振舞われるので、井戸の水を持ち帰りたい方はペットボトルなど忘れずに。
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実はこの閼伽井と大元帥明王には深い関係があるそうです。大元帥明王待ちでなかなか前に進まないので、二人以上で参拝するなら、一人は順番待ちして別々で頂戴するのがベストかと。ちなみに、帰りの11:20にはここに入るにも列ができていました。先に貰っておいてよかった!!
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奈良の苔寺といえばここかと思っている。
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美仏&国宝&重文の仏像宝庫でも有名で、超レアな仏像「大元帥明王像」は6月6日だけ特別開扉される秘仏。年一&レアで唯一御朱印を書いていただける日のため、見仏者と御朱印集めの方もおり、平日&雨&9:00入りで2時間待ちした・・・。東京から来た人や、横浜から車で来た人など、聞いてはいたが想像以上。。たぶん45分経過でやっと苔スポットにたどり着いた・・。
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「大元帥明王@重文」は敵や悪霊の降伏に絶大な功徳を発揮すると言われている。宮中では古くから大元帥明王の秘法が修法され、勅許を得ない修法や像の作成は禁止された。そのため、唯一伝わった像が秋篠寺にある像といわれている。 この明王は鎌倉時代作で像高は229.5cmと大きい。鎮護国家の秘法を伝える「大元帥御修法」の御本尊だけに、とにかく力強く、厳しい憤怒の表情をしている。六臂で首や足には蛇が巻き付いていて、親指を突き上げたように見える左の印は「忿怒印」。この明王は、この世に一体しかいない貴重な仏である。
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お堂に入った所で大元帥明王の大小の写真とお守りを販売していた。大は¥900、小は¥500で2種類ずつある。大元帥明王は最高の明王であり、大日如来の化身「不動明王」と同等の霊験を持つとされ、全ての明王の総帥という意味の名前。一面六臂で忿怒相で、六本の腕には三鈷杵、五鈷杵、剣、斧、棒を持ち、残る1本は人差し指を立てる印で、全身に蛇が巻きついている。
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大元師明王の脇侍も見仏してください。右側には小さめの阿弥陀如来坐像で、左側には金剛界式大日如来坐像と不動明王像が安置されてた。堂内は暗いので、断ったうえで、ペンライトを使用させていただいた。
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↑おまけ
▽八所御霊神社
秋篠寺に隣接する神社で、秋篠寺の鎮守社です。
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祭神は崇道天皇(早良親王)、伊予親王(桓武天皇皇子)、藤原夫人(伊予親王母)、橘逸勢(はやなり)、文屋宮田麻呂、藤原広嗣(ふじわら の ひろつぐ)、吉備大臣(吉備真備)、火雷大神の八柱。
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▼旅行記
▼セットで行くところ
▼仏像展
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