ぞなもしカレー日誌#2 『カレーを食べない人がカレーを食べ始めた理由』〜ヤマモリのプリック〜
私はカレーが嫌いである。
というか、積極的に食べてこなかった。
なぜか。
カレーに親でも殺されたのか。
そんな事はない。
母親のカレーが不味かったのである。
なので、子どもたちの大好きな食べ物の1位か2位のカレーライスが、自分の中では順位が下の方の食べ物なのである。
他のお子たちが、「今夜はカレーよ」と言われて、裸で小躍りしている所で、私は猿のような顔をして拳を握りしめていた。
恐るべき子どもであった。あんふぁんてりぶると言っても過言ではない。
ちなみに、ハンバーグも嫌いであった。
もしかすると、ただの偏屈な子どもだったのかもしれない。
そんな私が、何の因果かカレーを食べてこましたろ。と思ったのが今年の5月頃である。
なぜそんなことを始めようと思ったのか。
親をカレーにでも救われたのか。
そんなわけない。
単純に何十年も同じものを食べて来たせいで、日本の食生活に飽きてきたのである。そこで、今までシカトを決め込んでいたカレーを食べてみようということになったのである。
人生経験を重ねていくうちに、おいしいカレーもあるということは知っていたので、良いカレーに出会えることを期待して、カレーを食べ始めた。
そのなかで発見した、モストデリシャスなレトルトカレーが、
〈ヤマモリ タイカレー プリック〉である。
基本的に、辛いものが好きなので辛ければ辛いほどいいのだが、このカレーには辛さの裏に美味いがある。そして、タイカレーにありがちなココナッツ的なあれを使っていない。
私はあれは嫌いです。
カレーを食べてこなかった人間のカレー評など何の価値もないので、ここまでにするが、とりあえず美味い(ただしミカンの葉。おめーだけは別だ)。
この『ぞなもしカレー日誌』もプリックのおかげで続けられる気がする。第2、第3のプリックが登場しないとも限らない。
あるいはプリックを超えるカレーが現れるかもしれない。
そういう意味ではカレー無精だった私の人生を変えてくれた一品かもしれない。
それはちょっと言い過ぎかもしれない。
まあ、でも買ってよかったものではある。
間違いなく。
それは、猿のような顔をして、拳を握って断言できる。
やっていることは、子供の頃と変わらない。
成長するのは、もう少し時間がかかるやも。